だから殺せなかった
2024/02/17 22:53
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投稿者:ちぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白くて一気に読み進めることができました。
なんとなく犯人はそうかな?と思いつつのラストにだから殺せなかったというタイトル名に、なるほどなと思いました。
満足度の高い社会派ミステリー
2023/02/27 00:01
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投稿者:yino - この投稿者のレビュー一覧を見る
都内の連続殺人事件の犯人と、全国紙の記者との紙面上での論戦が繰り広げられる。ジャーナリズムと商業主義を巡る報道機関の葛藤、一連の犯行の裏側に垣間見える人間の醜悪さを「人間=ウイルス」と断じる犯人の論理等、一見食傷気味に思えるほど濃厚なのですが、全編通じて一本の筋が通っておりストレスなく読み進められる。かの「屍人荘の殺人」と第27回鮎川哲也賞を争ったのも納得の、非常に満足度の高い1冊でした。
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
だから殺せなかった、そのタイトルの意味がわかったところはなるほどそういうことか、と少ししんみり。
一本木の過去の話はとにかくずーんとくるし、ワクチンの殺害動機にもずーんとくる、どうか陽一郎には優しい人に育ってほしいと願うばかりです。
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投稿者:キレイな富士山 - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人=犯罪であることはもちろんのこと。しかし、その犯罪に至るまでの心の葛藤がとても切なく、そして苦しい。
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投稿者:ミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
おれの殺人を言葉で止めてみろ」
太陽新聞社に送られてきた一通の手紙。それは連続殺人犯からの告発文だった。紙面を通しての犯人との会話に世間は賑わい、報道は利権を含み過熱する。殺人犯ながら倫理、道徳、悪、正義を説く犯人の真の目的とは・・・。
主人公が結構おじさんなんですよね。だから玉木宏がキャストで若すぎだろおいおいと思ったんですけど玉木宏現在42歳でしたね。若すぎるって!!
今作の舞台は新聞社です。自分はもう何年も購読はしてないな。犯人と記者の紙面を通したぶつかり合いにメディアは加速し、世間は熱狂します。殺人犯はあくまで知識人であり頭脳戦のような一面も覗かせます。ただの殺人ではありません態々討論にもちこんでるのですから。
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まさかの展開で面白かった。
辛すぎる現実だ。そしてタイトルの意味がわかった時にはなんかうわぁと感情を揺さぶられた。
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あらすじ
全国紙「太陽新聞」、社会部一本木、46歳。「シリーズ犯罪報道・家族」で、婚約者の父親を記事にし、二人を自殺に追い込んだ過去を書いた。それが、連続殺人犯、ワクチンからの独占封書のきっかけ。ワクチンは一見関係のなさそうな中年男性を狙う。いずれも家族とは上手くいっていない。過熱するメディアにいらいらしながら一本木も取材していく。
骨太、そしてスリリング。一本木、ワクチンとの往復書簡、江原親子のモノローグ、新聞業界の話など、色々な角度から事件を描いている。途中から、太陽新聞が勢いに乗り、出遅れた他社や週刊誌などが嫉妬しているような場面からどんどんスピードアップしてきた。事件だけでなく、一本木の過去や、江原家族の描写はじんわりきたなー。面白かった。
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❇︎
第27回鮎川哲也賞優秀賞受賞作
最後まで読み終えてそこだったのか、
と題名に納得しました。
新聞記者の一本木透が劇場型連続殺人犯と
誌面上でお互いの思想を論じ合う。
犯人が連続殺人を行なっている理由はなにか。
犯人を見つける手がかりを見つけ出す為、
二人のやりとりは続けられ、更なる殺人を
阻止しようと言葉を紡ぐ。
新聞業界の描写がとても緻密で主人公と
作者の名前が同じなので、作者自身も
新聞記者なのかと思いながら読みました。
記者は何を書き何を書かないのか、
そして、そこに真実はあるのか。
犯人との交渉役を新聞記者が行う、
という切り口で進む物語です。
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新聞記者・一本木透が連続殺人犯『ワクチン』と新聞紙上での公開討論をする。
『ワクチン』の犯罪を止めることができるのか?
『ワクチン』の動機、『ワクチン』の正体を討論を通して見破れるか?
スピード感もあり、訴えかけるものもあり、読みごたえがありました。
終盤…ん?まだ引っ張るの?てな感想も抱きましたが、読めば分かる!引っ張った理由。
楽しめました。
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第27回鮎川哲也賞優秀作受賞作。
大賞は『屍人荘の殺人』。
2022年1月WOWOWで連続ドラマ化だそうです。
20XX年5月から7月にかけての首都圏3県で3件の通り魔殺人が起こります。
近くに落ちていたタバコの吸い殻から同一人物のDNA型が採取され連続した通り魔による殺人と断定されます。
太陽新聞の記者、一本木透46歳のところへ首都圏三件の連続殺人事件の真犯人「ワクチン」と名乗る男から私信があり、以後自分の犯行メッセージは太陽新聞の一本木記者だけに送り、反論を2日以内に一本木に新聞に書いて載せろという要求があります。
一本木は、20年前、婚約者の琴美とその父を自殺に追いつめるスクープを書きました。
その後「シリーズ犯罪報道・家族」としてそれを記事にまとめ発表していました。
スクープの代償は、私の未来の「家族」だったという内容です。
そして、ワクチンによる新聞紙上を乗っ取った劇場型犯罪が繰り広げられていきます。
感想は、書くと犯人がわかってしまうので書けません。
もうひとつこの作品には江原陽一郎と茂という血の繋がらない親子の人間ドラマも描かれています。
劇場型犯罪とこの本の著者の名前でもある一本木透記者との論戦を楽しんでください。
社会派作品です。
ドラマの主演は玉木宏さんだそうです。
ドラマを観られる方は先に読まない方がいいかもしれませんね。
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一本木透『だから殺せなかった』創元推理文庫。
第27回鮎川哲也賞優秀賞受賞作。
最後にタイトルの意味が明らかになり、言い知れぬ悲しみの余韻が続くヒューマン・ミステリーである。無差別連続殺人事件の犯人は誰か、その目的は、主人公の新聞記者と血のつながらない両親に育てられた若者がどのように邂逅していくのか。幾つかの謎と興味が最後まで全く飽きさせない見事な作品。
2人の人物を主人公にした2つの物語が進行する。1つは、著者と同じ名前の一本木透という大手新聞社の社会部記者を主人公にした物語である。こちらがメインの物語と思われるが、もう1つ、江原陽一郎という若者を主人公にした物語も進行するのだ。2つの物語はこの先どの様に交わっていくのだろうか。
歯止めの掛からぬ大手新聞社の売上低迷。ネット社会の拡大と活字離れが売上低迷に拍車をかけているのだろう。まさに今、現実に起きている状況を背景に前代未聞の劇場型凶悪犯罪を描いたミステリーが展開する。
ある日、首都圏全域を震撼させる無差別連続殺人事件の犯人だという『ワクチン』を名乗る人物から犯行の詳細を書き記した一通の手紙が、大手新聞社で社会部記者を務める一本木透の元に届けられる。人間をウイルスに例え、自らをそれを粛清する『ワクチン』に例える手紙の送り主は、新聞紙上で一本木との対決を要求する。ネットによる情報の歪曲を嫌う犯人は新聞の不変性を主張の場に選んだのだ。
報道の倫理と限界に挑む狡猾な犯人……
本体価格720円
★★★★★
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【2021年34冊目】
圧巻でした。最初は結構冗長な感じがしたのですが、まずは「記者の慟哭」の内容に打ちのめされ、読み続けることができませんでした。まだワクチンとのやり取りも始まっていないのに、あまりにも深い衝撃。電車の中で読んでいなければ泣いていたかと思います。
続いてワクチンとのやり取りのスタート。理知的な言葉選びで、一体何者なのかとハラハラしながら読み進め、最終的には数度に渡る真実の告白で度肝を抜かれました。
読み終えた時に理解できるこのタイトルもあまりにも秀逸で、しばらく読了後の余韻が続き「だから、殺せなかった…」と呟いています。
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第27回鮎川哲也賞優秀賞受賞作。
久しぶりに衝撃を受けた作品。
新聞紙面が物語の中心ということもあり、
表現が上手いなぁと物語よりも
文章を見ていた前半から、
衝撃的な展開。
表現がうまくできないが、
人に勧めたくなる本でした。
まあとりあえず読んでみ。と
読書してからタイトルを見ると、
悲しいねぇ。
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本屋さんでなんとなくタイトルが気になって購入したけれど、そのタイトルの意味が分かった時の切なさが…。
著者の名前と記者の名前が一緒なところもまた、読み終わった後にさらに気になる仕掛けになっているところが凄い。(ここは、単なる読み手の感じ方なので深く考えるところではないけれど)
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これは
なかなかに
眠くなる本でした
劇場型犯罪
なんだけど…
なんと言うか
狭い
狭いのに
頭に入って来ない
文字が多い
でも
ようやく終盤で
盛り上がって来て
この
タイトルの意味が!
そして
主人公の本当の過去を
知った時
あぁ
これで良かったんだ
と
思ったよね