小児誘拐事件がなくならない
2023/07/01 21:19
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
事件には必ず、加害者・被害者がいて、そしてその家族や友人・知人がいる。事件の周囲を取り巻く人たちが、事件を契機に、大きな渦に巻き込まれ、思いもよらない生き方を強いられることがあることを描いた物語かもしれない。女児誘拐事件が様々な人の人生を狂わせるが、事件を追い続ける刑事の執念により解決したのはうれしい。小児誘拐事件がなくなるには、どうしたらよいのだろうか、と思う。
雨に消えた向日葵
2022/09/03 15:06
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投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めはタンタンとして読み疲れがありましたが、徐々に引き込まれました。奈良刑事と誘拐された少女の家族の必死な探索、3年間の葛藤が描かれています。カウボーイ犬のイラストが決め手になるなんて、ラストはほっとしました。
被害者家族と接する警察官
2022/03/16 12:39
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学5年生の少女が下校中に忽然と消えた!少女は自分の意思で消えたのか、それとも何者かに誘拐されたのか?埼玉県警捜査一課の奈良は少女の足取りを追う。
少女の下校時に雨が降っていたため、有力な証拠は消されていた。そのため警察も家出と事件の両方を疑っていた。不審な車が現場近くに止まっていたという目撃者の証言もあったが、決め手にはならなかった。ある日、電車の忘れ物で少女の持ち物が発見される。そこから拉致・誘拐事件として捜査が始まるのだが・・・・・。
過去に何度かあった拉致・誘拐事件をテーマにした内容ですね。実際の被害者家族や捜査官の想いがいろいろ描かれて、作品的には満足しました。
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく最後の最後まで葵がどうなったのかがわからない、結末だけ読みたくなるほどでした。しかし、悔しい思いをする警察関係者や、葵が帰ってくることを信じて待つ家族の姿がとても印象的でした。
所々、これはいらないかなとか逆にもっと詳しく書いてよって思う部分もあったのでどうやらあるらしい続編ではもっとすっきりとした気持ちで読めますように。
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埼玉県坂戸市で小学五年の石岡葵が失踪した。最後に目撃されたのは豪雨の中をひとりで歩く姿。現場には傘一本しか残されていなかった。誘拐か、家出か、事故か。葵が一か月前に同じ場所で男につきまとわれたという姉の供述を受け、県警捜査一課の奈良健市も坂戸市に急行した。二転三転する証言、電車内で発見された葵の私物、少女に目を付けていたという中学生グループ……。情報が錯綜し、家族が激しく焦燥に駆られるなか、執念の捜査で真相に迫っていく。
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吉川英梨『雨に消えた向日葵』幻冬舎文庫。
小学生女児の失踪事件を巡り、揺れ動く家族の姿を描いた小説。
小学生女児失踪事件は未解決のまま、延々と平坦なストーリーが続く。警察捜査のリアリティー追及の結果なのか、これ程、警察捜査に進展が無いのも珍しい。あり得ない話ではないのだが、日本の警察はここまで無能なのだろうか。
埼玉で夫と別居中の母親、姉と3人で暮らす小学5年生の美少女・石岡葵が豪雨の日に学校帰りに突然失踪する。少女の失踪は事件なのか、事故なのか、家出なのか。少女の行方を捜査する奈良警部補だったが、容疑者は次々と浮上するものの失踪とは直接関係せず、少女の行方は杳として知れない。
半年後、捜査本部が縮小される中、ゴルフ場の池の中から葵のランドセルが見付かりるが、犯人の特定には至らない。やがて1年が経過し、奈良警部補も捜査から外れ、迷宮入りの様相を呈するが……
3年が過ぎ……
葵は生きているのか、死んでしまったのか……
本体価格790円
★★★★
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ページをめくる手が止まらない、とはこの本のこと!早く解決してほしいのに、結末を読んでしまうのを先延ばしにしたいような。時々、目を背けたくなる描写があったのがトラウマになりそうなので、星四つ。ストーリーとしては満点でした。
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モチーフは埼玉県の事件ですかね。
解決直後に次の事件が入ったからおしまい、というのはフィクションであることに逃げている気がします。あくまでもフィクションということで書き切れれば良かったけど、実在の被害者、被疑者に遠慮したのかな。
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久しぶりに手をつけた小説。
最近はビジネス書や漫画ばかり読んでましたが、やっぱり小説は面白いですね。
登場人物の心の動きがそのまま書かれているので、理解の助けになります。
そして、私が良く知る街埼玉県坂戸市が舞台。
おかしいなと思う部分はいくつかあるものの楽しめました。
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縁のある土地が出てくるということで読みました。
被害者家族はやっぱりどうしたって何してたって辛いと思いますし、何かしていないと自分を責めてしまって生きていけないというのが痛痛しかったです。
地道な捜査がどこでどう実を結ぶのかってわからないんだなぁと思いました。
指紋が出た時点で今までの容疑者候補の人たちのと一応照合してみたりしないのかな?とは思いました。
縁の地が出てこなければそこまで楽しめたかと言われれば並かなぁという印象でした。
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WOWOWでドラマ化されるが初読の作家である。美少女誘拐事件を扱っているが、今の日本の歪みが多く描かれている。まずは小児性愛教師、妻の不倫、社畜の夫、学校のヒエラルキー、無能な警察、マスコミの酷さ、ダークサイトでの犯罪、被害者への誹謗中傷、それに乗ずる詐欺師たち等々山の様な日本社会の歪みだ。しかし他の探偵小説と違って刑事の奈良も決して優秀ではない、凄い推理力を発揮することもなく、淡々と3年間も費やしてしまう、一応ハッピーエンドだけれど推理小説の高揚感はあまりなかった、他作も読んでみようと思う作家ではない。
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頁を繰り始めると、作中の事態が「如何なってしまう?!」と非常に気になってしまい、頁を繰る手が停められなくなってしまう。そして素早く読了に至った。
難事件に必死に向き合う刑事や、事件被害者の家族の変化というようなことが語られる、なかなかに重厚な物語だと思う。
埼玉県を舞台に設定した物語である。
埼玉県警捜査一課の奈良刑事は班長として2人の部下を率いる立場である。なかなかに人口も多く、発生する事件や事故も多い埼玉県だが、県警は予算や人員が潤沢ということでもない。奈良刑事は方々の署に設けられる捜査本部を渡り歩くような様子で活動を続けている。
坂戸市内で事件が発生した。
7月の或る日、注意喚起が為されたような強い雨の夕方、小学5年生の少女が行方をくらませてしまったのだ。降り頻った強い雨の中、歩いて、または走って小学校から帰宅しようとしていたらしい少女だ。
姿を消した事情に関しては、何かの事故である可能性も、何かの事件に巻き込まれた可能性も何れの否定し得ない。事件ということでは、1ヶ月程前に、不審な車に迫られたというような出来事が在ったということが判ったのだ。
加えて少女には事情が在った。少女の両親は数年間に亘って離婚を巡る協議を続けていて、父が現在も住む東京の目白のマンションから、母の郷里である坂戸市に母や姉と一緒に移って来たという経過も在ったのだ。そういう家庭環境から「或いは家出?」という可能性さえ排除し悪い。
事件現場に入った奈良刑事は、少女の家族との連絡調整役も担いながら捜査に参加する。大雨の夕方から夜の出来事で、近くの川での水難も危惧されるので、大勢の人達が協力し、消防団等も参加して捜索を進めた。が、それでも少女の姿は一向に見えない。そういう様子から始まったが、奈良刑事達は、僅かな手掛かりでも在れば、懸命に聞き込みをし、何らかの遺留品を見付けるべく捜索も続けた。時間が経つに連れ「或いは?」という空気感も濃くなって行った。
他方、行方不明の少女の家族は、「何とか次女を取り戻したい!」と変わって行く。
物語の主要視点人物は2人だと思う。捜査陣の側で奈良刑事、被害者家族の側で被害者の姉である。が、全般としては奈良刑事が最も主要な視点人物ということになるであろう。
明確に「XX歳」ということは作中に無かったと記憶するが、奈良刑事は40歳代に入った辺りで独身である。予算や人員が潤沢ということでもない職場で、酷く忙しく方々を飛び回って懸命なのだが、個人的な事情も色々と在った。そういう人物造形が少しずつ重ねられながら、「余りにも多くの“可能性”」の故に迷いながら進められる捜査の顛末が綴られている。
更に本作は、行方不明のような事件を受けた巷の反応、詐欺のような二次的事件の発生、メディアの様子、捜査陣が簡単に抗せないような巧妙な仕組みが利用されるらしい犯罪に関連する世界等、深く広い描写が為される。そういう辺りも「如何なってしまう?」と気になって頁を繰る手が停められなかった要素となっている。
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購入済み
2022.11.24.読了
初めての吉川英梨作品。
読み始めから最後までずっーと程よい緊迫感。全員が犯人にみえる。
また1人、お気に入りの作家が増えた。
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小学5年生の美少女が豪雨の日に忽然と姿を消した。
果たしてこれはただの家出?事故?それとも事件?その真実にたどり着くまでの過程を無駄なく描いている。
何より良かったのが、捜査の様子が非常にリアルに描かれていること。地道に一つずつ可能性を見つけては調査をして潰していく。しかし捜査は行き詰まり、捜査規模も縮小される。世間も徐々に忘れていく…そんな中、残された家族はただひたすら娘の無事を信じて、様々な誹謗中傷にも耐えながらあきらめずに活動を続ける。
こういった情景が非常に鮮明に浮かんで、非常に引き込まれた。
個人的には「結局何でやったの?」という動機に関する部分の描写がなかったというのは残念だったが、犯人逮捕に至るまでの過程は非常におもしろく個人的には十分満足の一冊だった。
この本は実写化されているとのことなのでぜひ見てみようと思う。
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吉川英梨の新シリーズか?
埼玉県警の奈良刑事
埼玉で女子小学生、葵が失踪した。
手がかりがない中、様々な情報が集まるが少女は見つからない。
捜査本部は縮小されるが、奈良は捜査を続ける。
ばらばらだった家族も葵の情報を協力して集める。
公開捜査となりポスターやチラシも配られる。
捜査が縮小されるとマスコミにも出る。
誹謗中傷も受けながら、家族たちは葵の情報を求める。
周囲が葵探しに協力する中、些細な情報から奈良は突破口を見つける。
吉川英梨の小説はサクサク読める!