恐るべし真田家の謀略
2022/06/21 02:02
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋の店長をやりつつ直木賞受賞という異色の作家さんの描く真田幸村。幸村をメインに据えながらも一人称としては描かず、彼に関わった7人の武将たちを主人公に、幸村を間接的に描いていくという連作短編集。なかなか面白い構成だ。そして爽やかでクリーンなイメージの幸村ではなく、ちょっとダークサイドな幸村を満喫できる。特に毛利勝永の話は感涙ものだ。幼き茶々との交流がどこまで真実かはわからないけれど、淀殿との関係がロマンチックで素敵。また、なんとも気の毒な南条元忠と日本最強の忍びとの絆もうるっとくる美談に仕上がっている。
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投稿者:あ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろんな人が、どんどん入れ替わりながら、「幸村を討て!」と言っていくところが面白かったです。 家康が幸村という名前を認めていましたね。
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
実は、直木賞受賞以降、新聞、テレビに出まくっておられたので、なんかちょっと敬遠していたのですが、真田好きとしては、この作品は絶対に外せないと思い、遅ればせながら購入!この本についての前知識は全くなく読みましたが、いろんな有名武将から見た幸村の設定が面白いと思いました。特に良かったのが、毛利勝永の話。すごく凝った構成で、よくこんな話を史実を基に考えつくなあと、著者の力量に感心しました。最後の信之と家康のやり取りの緊迫感も良かったです!
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
この分厚い一冊の核にあるのは「真田の夢」のために血を流す兄弟の物語。
兄亡き後に命を掛ける事をやめた有楽斎。
彼にとって夢とは兄に認めてもらう、兄の役に立つ事だったのだろう。
それは失われてしまった。
プライドだけであのごちゃごちゃした豊臣家のために命を捨てる気になれなかったのはわかる気がする。
あたら命を散らす事になった何条、夢を潰された後藤が気の毒に。
真田家との関わりで捨てたはず夢を形を変えて追う事にした政宗。
切ない形で誓いを守るという夢を叶えた勝永…
この物語最大の戦いは家康・正信と信之の間で行われた。
舌戦などではない、言葉を刃に変えた真剣勝負。
鬼気迫る戦いの勝者は信之となった。
夢は叶ったのだ…
どうせなら家康と対峙した政宗の戦い(これは見ものだったと思う)と保護された幸村の子供たちのエピソードがもう少し読みたかった。
数人の視点で真田幸村を浮かび上がらせる試みは面白い。
その分、少々幸村の人となりがぼんやりしたのは残念。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
真田幸村の周りに七人の武将がいて、……。それぞれが、主人公目線で書かれた短編集。一応、幸村が主役なんですよね?しかし……、こういうカタチの小説は、あまり読んだことなかったので新鮮でした
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
真田幸村を、それ以外の人が語ることで幸村を浮かび上がらせる構成。
読んでいて大変面白いのだが、登場人物が多く、誰が誰と関係はどうだった、など読んでいるうちに分からなくなる。
そして長い。
今回は図書館から借りた本なので途中で断念。
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読み終わりこの作品は大河ドラマを見ている感覚で読んでしまいました。特に政宗の夢は「国取り物語」の秀吉と政宗の白装束のシーンと「真田丸」での最後の決戦シーン興奮冷めやらない思いでした。歴史好き特に戦国時代好きにはたまらない作品です。「真田太平記」を原点とする著者の心意気を感じました。ラスト「真田の戦」での信之の感情は心打たれました。あなたもぜひ読んで感動して下さい。興奮して下さい。
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戦国最後の戦、豊臣vs徳川。どこか得体の知れない真田家の生き様が明らかになっていく。
どう生きるか。
めちゃくちゃ面白かった!
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かなりの秀作です。歴史小説としても躍動感があふれ、ドラマとしてもよく出来た作品でした。今村さん凄い!
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昌幸、信之、幸村の真田家と、徳川家康、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永らの思惑が交錯する大坂の陣――ミステリアスな戦国万華鏡。
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徳川と真田。幸村が大御所まであと一息と迫ったが敢えなく散る。そこから物語は始まっていく。幸村はわざと槍を大御所から外した。何故かを家康と本多正信は探って、たどり着いた先には?
叙述ミステリのような構成。最初に結果が示され、それを過去に遡り探っていく。
家を残しつつも名を残す。それは見事に叶ったと言える。ここまで幸村が有名になったのは、真田十勇士の軍記物が出来たためだろう。この軍記物は江戸時代に原形があったと言われてるので実際にも人気があったのだろう。
ただ最後の偽書とする根拠は弱いと感じた。
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読み始めてすぐに大坂の陣が始まり幸村が討たれる、って。ええっ!?もう死んじゃうの!?
まだ6分の1ですよ、残りは??
けれど、ここまでは枕であったことがすぐにわかる。関東軍に混乱を巻き起こした大坂の陣の、家康本陣に迫りながらもその首をあげられなかった幸村の、真田の、その真相が家康自らの手によって解き明かされるのだ。
ううむ、なんということだ。この構成、謎の配置、6人の証人による「幸村譚」、6つの「幸村を討て」、見事見事、いや、面白い、面白い。面白い以外の言葉が見つからない。
あっという間に読み終わった第一章にすべての謎のタネがある。すべてが終わった後、もう一度読むと見えるちりばめられたタネたち。それをもう一度拾いながら読みなおす快感。
幸村とは、そして信之とは。彼らとかかわった6人の中に生き続ける「真田家」。
頭の中でこれまでの大河のキャストたちが生き生きと動き回る。泣き、笑い、吠え、戦う彼らの鼓動が聞こえる。今村さんはもしかするとタイムスリップしてそばで見てきたんじゃないか、と思うほど。そうだ、この中のどこかに今村さんがいるに違いない。
あぁ、それにしても真田家よ。私も共に戦いたかった、とそう思ってしまう。最高だ、真田家!
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真田幸村、徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永、真田信之が、戦国最後の戦いに挑む。
ひとりひとりの戦にそれぞれの理由、信条、生き様がある。幸村の所作すべてに伏線が張られ、真田兄弟の思惑、家康との対峙、怒涛の心理戦が繰り広げられており、決戦がはじまる前に勝負がついていた。
一気読みしたほどの圧巻、濃厚すぎた。
186冊目読了。
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面白かったぁ~
大好きな作家さんが、大好きな真田を描いたということで読むのを楽しみにしていました。
今までにない大阪夏の陣。
同じ時を様々な武将の視点から描かれ、
そしてその武将達各々がとらえた真田幸村。
各章の始まりには、幸村の兄、信之が過去を回想し、真田の歴史も垣間見る事ができ、ホントに面白い!
最後の章も最高です。
こんなところでも家康と真田の戦いが繰り広げられ、なんて面白いんだろう。
そして信之の幸村を馳せる姿にホロッときました。
著者の今村翔吾さんが、小学生の頃に『真田太平記』を読んで小説家になりたいと思ったということが頭をよぎりました。私は真田幸村が一番好きな戦国武将で、真田一族の歴史は大好きなので
、この事を知ったとき、とてもうれしかったので、「遂に真田がきたか~」と、恐れ多いですが、なんだか感慨深いです。
私も真田太平記を読みたいな。
でも、幸村燃え付き症候群になりそうで、まだ読めません(笑)。
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今村さんの真田モノ。若しくは“今村版・大坂の陣”とも言える本書。
アイコンでもお分かりのように(※このレビュー投稿時は真田さんのマスコット人形のアイコンでした。今はアイコン変更しております)、大の“真田好き(特に次男推し)”の私としては、読まない理由はないよね!という感じで意気揚々とページを繰った次第です。
大坂の陣に関わった諸将パートと、信之(信幸)兄さんの回想からなる真田家パート(真田の旗印・六文銭が、章が進むごとに一文づつ増えていく洒落っ気がナイス)が交互に展開する構成となっております。
徳川家康を筆頭に、伊達政宗、後藤又兵衛等々・・。6人の武将の視点から浮かび上がってくる、“真田幸村”の姿という構図は、同著者の『八本目の槍』と通ずるものがあります。
各武将たちの掘り方も絶妙で、彼らの来し方や思惑を織り交ぜながら、真田幸村という男の捉え方の変化具合も面白いです。
最初は、幸村が得体のしれない不気味な感じに描かれているのを“こんな幸村像は嫌だな・・”とちょい不満気に読んでいた私ですが、章が進むごとに卓抜した軍才は勿論、無邪気な部分や熱い思いを抱いている部分等ポジティブ要素も出てきてホッとしました。
各章でお約束のように叫ばれる「幸村を討て」という台詞の意味合いも、それぞれ違うというところも注目です。
ご存知の通り、真田幸村の本名は真田信繁というのですが、本書では“真田信繁は如何にして真田幸村になったのか”という考察を、真田家の哀しい過去と兄弟の絆につながるエピソードに仕上げてあるのは興味深かったです。
個人的には「政宗の夢」、「勝永の誓い」が好きでした。信繁と政宗の“仲良し喧嘩”は微笑ましいですし、毛利勝永と淀殿の甘酸っぱくて切ないエピソードは、二人のイメージがアップする素敵な話でした。
最終章「真田の戦」では、信之兄さんVS徳川家康&本多正信の、圧巻の心理戦が繰り広げられ、最後まで堪能させて頂きました。
超超個人的な感想を言わせていただくと、全体的に凄く面白かったのですが、信之兄さんが美味しいところを全部持っていった感があり、次男推しの私としては、シンプルに幸村(信繫)が超絶カッコイイ話が読みたいな・・と思った次第です。