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【期間限定価格】剣客商売二 辻斬り みんなのレビュー

    一般書

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    みんなのレビュー50件

    みんなの評価4.3

    評価内訳

    50 件中 1 件~ 15 件を表示

    紙の本

    隠居した秋山小兵衛の、退屈しのぎに首を突っ込む厄介事の数々。剣客商売シリーズ第二弾。

    2010/10/27 18:50

    3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

     剣客商売の世界には非常に落ち着いた雰囲気が流れている。慌てず騒がず驚かず、淡々とした印象を受ける。
     その印象はきっと、剣の道を極め、恐ろしいものなどない、落ち着き払った秋山小兵衛から漂ってきているのだろう。そして剣術界から身を引き、孫のような娘と所帯を持った穏やかな日々がある。
     しかしそうなってくると、刺激も少なく、退屈に感じるときもある。
     そんなとき、秋山小兵衛は色々な厄介事に首を突っ込むようである。

     気に入らない客を怒鳴りつけ追い返す酒屋『鬼熊』の主・熊五郎の、思わぬ姿を目撃した小兵衛が彼に近づく【鬼熊酒屋】

     ある夜、襲ってきた辻斬りを軽くあしらった小兵衛。彼らが大旗本だと知るや、からかってやろうと思い立つ【辻斬り】

     大治郎が教えを受けた老剣士の息子の失踪に、小諸藩士と、江戸で門弟二百を越える道場主がからんでいたことを知った小兵衛は、老中田沼意次と一芝居を打つ【老虎】

     大治郎の元に剣術の教えを乞う鰻屋の男が現れた。十日で強くなりたいという男に小兵衛と大治郎は修行をつける【悪い虫】

     小間物屋山崎屋の娘の人攫い騒動。彼女を助け気にかける佐々木三冬に、小兵衛は退屈しのぎに一肌ぬぐ【三冬の乳房】

     小兵衛が退屈しのぎに買ってきた絵師鳥山石燕による『画図・百鬼夜行』。ある日、おはるは物置小屋の前で妖怪・小雨坊を見たとおびえた【妖怪・小雨坊】

     隠宅が全焼した小兵衛は、やっかいになっている料亭『不二楼』の奥座敷にやってきた客の、横川御家人宅へ強盗に入るという会話を聞いた。小兵衛は、その家の養父の仕打ちにも耐える嗣子・小金吾を案じる【不二楼・蘭の間】


     小兵衛の退屈しのぎから始まった話だから、読者が退屈する訳がない。切なさ、清々しさ、やりきれなさ、さまざまな印象を残す魅力的な物語ばかりである。
     その中でも個人的に気に入っているのは、剣客とかけ離れた「画図・百鬼夜行」を物語の導入部として、剣客の宿命を描いた第六話【妖怪・小雨坊】の話。

     その鳥山石燕作「画図・百鬼夜行」は実際に700円で手に入る。書籍名にピンとこなくても、絵を見たことがある人も多いのでは。今後の購入候補の一冊。
    『鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集』

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    紙の本

    いたずら小僧的不良老人小兵衛

    2011/11/08 16:49

    1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る

    奥座敷で酒を飲んでいた男たちのひとりが、付属の雪隠へ行こうと障子をあけると、間にある土間にしゃがんだ小兵衛が、上目づかいでにやりと笑い、

    >「聞いたぞ、聞いたぞ」

    と言う。『剣客商売』シリーズ第一巻で私が一番好きな、第三話『芸者変転』の橋場の料亭〔不二楼〕の場面だ。

    シリーズ第二巻『辻斬り』第七話『不二楼・蘭の間』でまたも小兵衛は、盗み聞きをする。しかも今回は、くだんの奥座敷になまえが付き、由来も語られる。いたずら小僧的不良老人小兵衛の面目躍如(?!)の場として、作者によって格上げされたようである。

    まあそれで、小兵衛の盗み聞きがもとになって一つの事件を未然に防いだのはいいとしても、その後もまた、小兵衛は盗み聞きに入ってしまう。もはや、やみつきになってしまったところで終わっている。

    そもそも小兵衛が不二楼にいるのは鐘ヶ淵の隠宅が火事で焼けたからだから、再建成ったら、不二楼を出て行くので、嫌でもこの悪癖は治るだろうというものの、なんたる不良爺いだ!

    鐘ヶ淵の隠宅が焼けたのは、妖怪・小雨坊にそっくりの男が放火したからだ。

    その男を小雨坊と呼んだのは、おはるだった。小兵衛は鳥山石燕の〔画図・百鬼夜行〕をおはるに見せて、
    「夜中に出るぞ」
    などと言っておどかして、こわがるおはるにかじりつかれて喜ぶ。もう小兵衛、幾つやねん……。

    鳥山石燕の〔画図・百鬼夜行〕と聞けば、京極夏彦のせいで反射的に「京極堂」と思ってしまうのは、私だけではないと思うが、『剣客商売』シリーズ第二巻『辻斬り』単行本初版は1973年で、もちろん、池波正太郎が京極夏彦を意識していたわけはない。

    小兵衛のいたずらぶりは、第二話『辻斬り』で、辻斬りの一味のひとりが素知らぬ顔で白昼、歩いているところに、わざと町駕籠に乗って大治郎に付き添わせて通りかかり、すれちがいざまに、駕籠のたれをあけて声をかける、などというところにも表われる。やり方が、いちいち、いたずら小僧なのだ。妻とふざけるのも、悪者をからかうのも……。そしてそれが、小さな身体とおとなの背丈ほども飛び上がる跳躍力とともに、小兵衛の最大の魅力である。

    第一巻から田沼時代の江戸の風物や情緒もこの小説の楽しみとなっているが、第二巻では第四話『悪い虫』で、鰻料理の歴史について語っている。鰻は、始めは丸のまま焼いて屋台で売られ、激しい肉体労働にいそしむ人の食べ物として歓迎され、料亭などで出す料理の範疇に入っていなかった。田沼時代は、上方から伝わった調理法の発展途上段階であり、いよいよ本格的な鰻料理が開発されて大ヒットするのは約二十年後だという。つまり、松平定信が老中だった時代も過ぎて、文化年間になってからだ。佐藤雅美の「物書同心居眠り紋蔵」などの小説はその後の文政年間が舞台となっているので、よく登場人物が、ふだんは口にできないちょっと高いめの料理として、うれしそうに鰻を食べに行く。しかし、『剣客商売』の時代はまだ鰻料理も鰻切手も無い。

    第一巻の第二話『剣の誓約』では大治郎の恩師にして小兵衛の親友嶋岡礼蔵との再会と死、その敵討ちの話が語られたが、第二巻第三話『老虎』でも大治郎の恩師山本孫介との再会とその息子の敵討ちの話が語られる。全国を回って修業した大治郎にはいろいろな師匠とのエピソードがあるが、一方、小兵衛は、好きな料理やお酒や、主(あるじ)の人柄に興味を覚えて、いろいろな、なじみの店ができていく。大治郎に十日間だけ弟子入りした、鰻の辻売りの又六や、〔鬼熊酒屋〕や、軍鶏鍋屋〔五鉄〕(『鬼平犯科帳』にも登場する!)など。

    四谷の弥七の子分も、傘屋の徳次郎〔傘徳〕のほかに、桶屋の太次郎〔桶太次〕が登場する。

    第一巻で佐々木三冬の弟子から秋山大治郎の弟子となった飯田粂太郎少年は、第二巻では小兵衛の使い走りに駆り出されてなかなかの活躍ぶりである。肝心の三冬と大治郎とは、今のところ友情を健全にはぐくんでいる段階で、三冬の恋の相手は小兵衛である。小兵衛はおはると正式に結婚したのに、三冬の慕情はますます、熱い。いたずら小僧的不良爺いの罪は深い。となりの部屋に寝ている三冬の深いためいきを何度も聞いた(第五話『三冬の乳房』)、なんて……!

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    紙の本

    良いですね

    2024/04/30 15:38

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る

    さらりと読めるのになんか良いです。必ず誰かが斬られていたり、決して明るい結末ばかりではないのに、どこか小気味よさを感じるのはひとえに小兵衛、大治郎父子の存在かと思います。

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    紙の本

    登場人物が増え、小兵衛のネットワークが拡がってゆく

    2023/05/04 00:53

    1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る

    本巻も面白く読了。第1巻は筆さばきがぎこちないような印象もあったが、本巻ではこなれてきたというか、登場人物たちがいきいきと躍動し、物語の筋も凝ってきた感じ。小兵衛のネットワークが拡がるとともに、「小兵衛ファミリー」の形成も進み、次巻以降がますます楽しみである。

    「もう剣術はたくさんじゃよ。剣術よりも、この世に生きてあるさまざまな人間のほうがおもしろいわえ」(205頁)
    「そこへ行くと、さすがは秋山小兵衛先生。大金をつかんでも、たちまちこれを散らし、悠々として、小判の奴どもをあごで使っていなさるわえ」(290頁)

    ちなみに、先日台東区立中央図書館内にある「池波正太郎記念文庫」を見てきた評者ですが、評者の書斎からは大川(隅田川)の流れと秋山大治郎の道場の所在地が望見でき、秋山小兵衛の隠宅地も徒歩圏内です。『剣客商売』ワールドを正に身近に感じている昨今です。

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    紙の本

    影法師〈父子…古きくびきへのレクイエム〉

    2003/07/21 12:53

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    投稿者:流花 - この投稿者のレビュー一覧を見る

    「父上…」「ようやった」眼と眼を見合わせて刀身をぬぐい、鞘におさめた秋山父子が戸外へ出たとき、道場内の死体は十四を数えた。  (『辻斬り』より)
     自分と同じ剣客の道を志した大治郎。その大治郎と共に、剣を以て悪を退治する。小兵衛にとって、これほど、父親冥利に尽きることはないであろう。
     母親の無条件の愛と違って、父親の愛というものには、理屈が必要である。自分の血を分けた息子でありながら、そこに何らかの理由、価値を見いださないと、愛せないのである。ずっと後の巻で、孫の小太郎が生まれた時、寝顔を見ながら、小兵衛が心の中でこうつぶやく場面がある(大治郎にも、こんな頃があったのだなあ。その時大治郎は、どんな顔をしていたのだろうか)。剣術に明け暮れ、ろくに大治郎の顔を見てやることのなかった若かりし日の小兵衛。もともと父子の関係とは希薄なものなのだ。いつまでもただの子供、ただの父親、そう思っていたら、きっとずっと希薄なままで終わるだろう。お互いを“一人の人間”として、敬意を持って見ることができるようになったとき、初めてほんとうの父子として出発できるのではないだろうか。
     大治郎が十五の夏に、小兵衛の恩師辻平右衛門のもとに修行に出て以来、十年近くも離れていた父子。剣客としてやっていけるだけの腕を身につけた息子が、父のもとに帰ってきた。自分と同じ道を辿ってきた息子に、小兵衛はかつての自分を見たかも知れない。しかし、彼は自分の分身ではない。自分とは別の“一人の人間”として、戻ってきたのだ。小兵衛は、大治郎を“一人の人間”と認めた証として、道場を建ててやるのである。一方、大治郎は、四谷の道場をたたみ、四十も年下のおはるに手を出したという小兵衛の変貌ぶりに驚きながらも、父を“一人の人間”として受け入れる。長い修行の間に、父も辿ったであろう苦悩の足跡を自分も践んできた。それを乗り越えてきたという確かな手応えが、自分への自信となっているのみならず、父への尊敬の念ともなっているのだ。
    「剣客というものは、好むと好まざるとにかかわらず、勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。」小兵衛は大治郎に言う。
     大治郎が第二の師として仰ぐ嶋岡礼蔵。小兵衛とともに、竜虎、双璧と称された。実は礼蔵は、かつて小兵衛と、大治郎の母お貞を争ったのである。小兵衛が勝ったわけであるが、そこで二人の道は分かれた。辻平右衛門が江戸の道場をたたみ、大原へ引きこもった時、礼蔵は師についていった。小兵衛は江戸に残った。無論大治郎は知るよしもない。後に大治郎が辻平右衛門のもとに修行に訪れた時、礼蔵は、小兵衛の子でありながら、お貞の子でもある大治郎を、きっと我が子のように思って、精魂込めて教え、鍛えたことだろう。礼蔵にとって、幸せな日々だったに違いない。しかし、彼は第1巻の第2話『剣の誓約』で早くもこの物語から消されてしまう。彼の最期は大治郎の腕の中で、であった。大治郎の第二の父ともいうべき礼蔵は、この父子の再出発には無用の存在ということなのだ。古きくびきを捨てる。それはお貞も同じである。小兵衛はおはると祝言をあげるのだ。
     勝ち残り、生き残る。そのために剣客は、日々修行しているのである。相手に深い思いがあろうがなかろうが、勝ち残らねばならないのだ。屍を越えて前へ進む。それが剣客の生きる道なのだ。いつもどこかに誰かの影法師が躍っている。影法師には顔はない。だが剣客には見える。彼らが時折懐かしげに微笑みかけるのが。

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    軽く暇つぶしに読むのに適してます。

    2017/05/24 00:22

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

    軽く暇つぶしに読むのに適してます。60歳のスーパー老人剣士ならではの知略・情報力・体技を楽しみましょう。60歳のスーパー老人剣士:秋山小兵衛は、剣技もさることながら、情報収集力に長けた謂わば諜報機関長のような人物。剣術モノではなく、江戸時代を背景とした諜報機関モノとして楽しみましょう。とは言え、息子:秋山大治郎と美人剣士:佐々木三冬の出番が少なすぎるのが残念です。

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    2006/01/20 08:42

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    2007/02/25 15:06

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    2007/11/28 21:53

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    2008/06/01 15:56

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    2009/04/23 22:50

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    2010/04/11 23:34

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    2010/05/27 00:45

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    2010/12/16 13:03

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    2011/01/15 12:27

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