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「共感と絶賛の声をあつめた宝物のような一冊。」帯より。
2023/10/22 10:40
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまだち - この投稿者のレビュー一覧を見る
2022年本屋大賞第三位になった作品に書き下ろし掌編を収録しての文庫化です。
ネタバレがあります。
七つの短編集で構成されていますがそれぞれ一部の登場人物や脇役がリンクしていて、まさに「小さな世界」を表しています。
1.ネオンテトラ
不妊と夫の浮気に悩むモデルの女性が手にしたものとは・・・。
2.魔王の帰還
出戻りの姉・通称魔王をめぐる、その弟とクラスメイトのお話。
3.ピクニック
サスペンスもののような祖母と娘夫婦とその孫娘、三世代にわたる秘密の物語。
4.花うた
被害者家族と加害者による、往復書簡形式で綴られたお話。当事者たちの事実と真実が読む人の胸をえぐります。
5.愛を適量
父親と元娘が15年ぶりに再会したお話。感情の矛先が見つからない。
6.式日
家族に恵まれなかった者たちが、ひとつの区切りをつけるお話。「ネオンテトラ」とリンクしていてやるせない。
7.スモールスパークス(あとがきにかえて)
短い期間だったものの、元夫婦だった男女のお話。
8.辻村深月先生による解説
どの作品も、見てみぬふりをしてきたわたしたちに現実を直視させるストーリーでした。一話読むごとに努めて凪いでいた心の泉に石を投げ込まれる感じで、その波紋がずっと消えません。
人の愚かさと愛しさが混在した「小さな世界」。それは“わたし”だったかもしれない、誰かの物語といえるでしょう。
好きな一冊、作家さんに。
2023/12/06 04:33
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
BLでは有名らしい一穂さん、たぶん読むのは初めてなのですが、優しさも毒も孤独も、本当に様々な感情を揺さぶってくるこの一冊、とっても好きになりました。
綺麗事だけだったら、たぶんあまり心に残らなかったと思う。まさかこんなにも抉ってくるなんて、嬉しい誤算です。
これからチェックしていきたい作家さんです。
3.6話
2024/03/06 22:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的には、3番目と6番目がかなりのインパクトでした。読後感がいいとか、感動するとか、とは、少しちがうんですけど。どれも短いけど、ピリッとするスパイス付きのお話ばかりでした。一読ください
できることならかかわりたくない世界
2025/04/19 22:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miru - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの短編も、どうなるんだろうとドキドキして読みました。一番好きなのは4番目の『花うた』です。ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』を思い出しました。怒り、悲しみ、愛しさ、どうにもならないもどかしさが押し寄せてきて泣きました。
でも、もう私は一穂ミチさんの本は読まないと思います。本当に恐かったので、読んでから数カ月もたたないのに、記憶からほとんどが消えていて驚きました。
人の悪意.ダメなところを描く
2024/11/14 08:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
7篇の短編からなるがすべて描き方 語り口が違う。多彩な語りができる能力を持った作者だなと感じる。7篇の中で「魔王の帰還」のみが明るく 前向きな話である。それ以外は、人の悪意.ダメなところを執拗に描いている。描き方は悪くはないのだが、どうにも主題が合わなくって読みにくかった。あとがきに辻村深月の評が載っていたが、辻村深月の作風と似たところがあるのかな。