こういう本をいつか自分も書いてみたいなぁと思いつつ読了
2023/10/26 00:21
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがにこの紙幅で「人類史」を描くというのは無理があると思うが、著者の(特に若い人に向けたと思しき)直向さと真摯な語り口に促され、一気に読了。全体の流れというよりは、個別の考察部分で得たところの多い一書でした。
「西暦二〇二二年という年は、明治維新から百五十四年になる年でした。明治維新は、日本の歴史の中でも最も大きな転換期であったと言えるでしょう。それから百五十四年目が二〇二二年になります。この百五十四年間の日本の歴史はまさに激動の時代でしたが、この百五十四年のちょうど折り返し点はというと、七十七年になります。明治維新から七十七年後というと、一九四五年です。この年に第二次世界大戦が終わり、日本は降伏したのでした。明治維新から七十七年で日本は戦争に負け、そこから七十七年で二〇二二年になるわけです」(241~2頁、243頁の表も非常に示唆的)。
J・S・ミルは「教養を学ぶことによって、「期待を決して裏切ることのない、利害を超越した報酬」が得られるのだ、といいます。その「報酬」の中身とは、[皆さんが人生を生きていく中で、心惹かれ、もっと知りたいと思うこと(インタレスト)が、より深く、よりバラエティー豊かなものとなること](the deeper and more varied interest you will feel in life)だと言います。「それは、人生を十倍も価値あるものにし、しかも生涯を終えるまで持ち続けることのできる価値です。単に個人的な関心事は年を経るに従ってその価値は減少していきますが、この価値は減少することがないばかりか、増大してやまないものです」とも言いました。若き日に学んだ教養は一生続く報酬であり財産なのです」(302頁)。
それにしても、評者にとっての大きな謎(というか不思議)は、106頁にある第二段階から第三段階への進展がいかにして起こったのかという点。具体的には、神話からソクラテスに至るその人類としての覚醒(?)がどのようなプロセスで生み出されたのかという点でした。自らの今後の探究課題のひとつにしたいと思っています。充実の読書体験をありがとうございました。
知の巨人の肩に乗り
2024/02/03 08:12
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
教養とは何かということを、ずっと考えている。人類という生物が誕生してから、人は何を考えてきたのか、何を伝えようとしてきたのか。霊長類のチンパンジー、ボノボは言葉を覚えることが可能なのだが、知への探求はないようだ。人が、知の巨人たちの肩に乗って観てきたものを、大まかに追い求める本書だった。
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
話し始めたのは女か男かに始まり、自己の限界を意識するようになった頃に精神的基礎が築かれた時代を経て今に至る。人類史そのものとしても有用だと思う。”諸宗教の神は唯一神の別の名前にすぎない”という言説は説得力あり。
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【人生を豊かにするための「教養入門」決定版】700万年前に誕生した人類は、何を考え、何を信じてきたのか。古今東西の名著に触れつつ、人類の壮大な?知の歴史?を俯瞰する。
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自分をメタに、つまり今在る周囲からではなく、世界から人間の1人として見つめると、自分の"病み"もどうでもよくなるし、客観的なものになり、なすべきことが見えてくる(気がします
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短大の教養科目の書籍化で、専門バカにならぬように横断的な知を身に着けることを目的とする内容。その重要性については同意するが、ざっと読んだところでは、女性天皇と女系天皇を混同していたり、心身二元論の説明が間違っているように思えた。専門家がチェックしたらもっと間違いがあるのかもしれない。この辺が「知的ゼネラリスト」の弱点ではあるのだろうが。
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タイトルから「教養」について語っている本かと思ったが、「人類史」の方を語っている分量の方が多かった。教養としての人類史というところ。歴史についてこのぐらいのことは知っておけよ、という意味での教養か。
特に新しい知見を得たりはしなかったし、厳密な意味で正しいかというと微妙な書き方の部分も多かったが、歴史を大掴みにするにはちょうど良く、大学の一般教養で教える内容としては十分なのではないかと思った。
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知の探求とは何か?それは何の役に立つのか?
それを読者に考えてもらおうと、材料を提供してくれる書なのかと思いながら読み進めた。
知の欲求に囚われたような巨人がいる。
身近な人として、立花隆、司馬遼太郎、井筒俊彦、松本清張が紹介されているが、古くはBC500年、あるいはBC800年からBC200年頃、中国、インド、ペルシア、パレスチナ、ギリシアにおいて、時を同じくして偉大な思想家による現代にも通じる思想が生まれた。これを枢軸時代と名付けている。
人類の進化を動物と比較しながら、いかにヒトとは特別な存在なのかを表し、そのヒトは宗教・哲学・芸術、そして科学を生み出してきたと話しを進める。
しかしだ、文明の発展は地球を破壊し、勝ち組と言われている新自由主義は、人間性や公平性に挑戦していると展開し、暗い気持ちにさせられる。
ただ我々は、教養を身につけることで矛盾を解決できる、と述べていると理解した。
J.Sミルは、教養を学ぶことによって、「期待を決して裏切ることのない利害を超越した報酬」が得られる、と言う。その「報酬」の中身とは、我々が人生を生きていく中で、心惹かれ、もっと知りたいと思うことが、より深く、よりバラエティー豊かなものとなることだと言う。
そしてそれは、人生を十倍も価値あるものにし、しかも生涯を終えるまで持ち続けることのできる価値である。
単に個人的な関心事は年を経るに従ってその価値は減少していくが、この価値は減少することがないばかりか、増大してやまないもだ、とも言う。
今世紀の教養として
一人ひとりの人生にとって、家族や友人たちなど現実の存在が生きがいになってくれることは言うまでもない。そうした個人の一回かぎりの体験や思い出を普遍化し、時や空間を超えて離れた人々とも共通の思い出として表現化されたものが文学であり、歴史であり、芸術であり、宗教なのだろう。これを味わうことによって個人の体験やその思いが多くの人にも共有され、追体験される。これは人間にそれだけのイマジネーションがあるからだ。私たち一人ひとりの人生にとって、そうしたものはどうしても必要なものなのだ。
とある。共感できた。
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大きくは歴史の観点で過去の偉人や知識人らの思考をさらっと辿る本。それぞれ名が知れた著名人ではあるものの、どういう社会的文脈の中で何に影響を受けてどんな言葉を残したかが知れるため、今後読んでみたい本の目星をつけるのにとてもよかった。
J.Sミルの“the deeper and more varied interest you will feel in life” は真理をついた言葉だなと感じた。
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人類史というか、古今東西の知の巨人達の思考を通して、人類の歴史をざっくりとまとめた感じの一冊。
内容の良し悪しではなくて、ちょっとタイトルと中身が噛み合ってない様な気がした。
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古代日本史の研究者による、短期大学における一般教養授業の講義をまとめたもの。
ほどよくわかりやすく、最初の一冊としていいと思う。
教養を前面に押し出したものではないが、本書に興味を抱いた方に、よりとっつきやすい書籍として『冒険の書』などが合うかもしれない。