ぼく みんなのレビュー

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『ぼくは しんだ　じぶんで しんだ　ひとりで しんだ』から始まる、谷川俊太郎氏が『自死』を想い、言葉を紡いだ絵本。

読んでる間、私の中で無音の中にいるような感じでした。それしか言えない。

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小学生でみずから死を選ぶというのは、どういうことなのだろう。この世に好きなものがあり、生きていることを味わっていて、まだ知らないことしたいこともたくさんあるのに、（そういうことを自分でもわかっていながら）それでも踏みとどまれず、何がその背中をおすのだろう、そんなことを改めてしずかに考えてしまう作品。
なにかの調査で子どもの自死の半分は理由や原因がわからないという統計もある。死神に魅入られた、あるいは魔が差したとしかいいようのない死もあるのだろう。そんな不可思議な死のひとつを見た気がした。

読み終えてしばらくして、この絵本の制作過程のドキュメンタリー（ＥＴＶ特集「ぼくは　しんだ　じぶんで　しんだ　谷川俊太郎と死の絵本」）を見た。その2年にわたる共同作業を見ることで、わたしが絵本からうけた印象は詩人のおもいと近いところにあったと感じられてうれしかった。テキストの限界に、絵だからこそ伝えられるものが寄り添って、それぞれの完成度を高めあって足し算以上のよい作品になったのも、詩人と画家と編集者が誠実に共同作業を重ねた賜物だと思う。

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自身も小学生の頃から、虐待とか貧困とかあったわけでもないのに死にたいと思っていたので、ぼくの心は少しわかる気がする。
作り手の一生懸命な気持ちをドキュメンタリーで見たのでとても言いづらいのですが、この本は、死にたいと思っている人に、すーっと一線を超えてしまうきっかけを与えてしまうような気がします。
心が元気な人には良いのかもしれませんが…

現に、大人になった今でも、私自身、本を読んでその危うさを感じました。

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Eテレの番組を見て、どうしても欲しくなり購入。

詩の一言一言で、色々な感情が渦巻く。
ぼくとして。親として。

いたくもこわくもない死。涙が出る。
けれど、ぼくは生き続けるのだとも思う。

何度も読み返して、言葉を噛みしめている。

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うちゅうがすき
あおぞらがきれいで
ともだちがすき
おにぎりおいしくて
むぎちゃはつめたくて

本当はそれだけでいいのに

いまいる場所が窮屈になったり
生きている時間が　残っている時間が
果てしなく長く感じたり

自死が悪いことだと思わない

すきなことをすきーって
それだけをかき集めていくの
難しいときがあるから苦しくなるけど

理想はどこまでいっても理想だから
それに自分が押しつぶされないように
まわりが押しつぶさないように

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製作過程のドキュメンタリーをテレビで見て感動し、2年にわたり共同作業を続けながら生まれた、90歳を迎える谷川俊太郎氏の作品…手元に置きたいと予約をしてお迎えした絵本です。
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「自死」を想い言葉をつむいだ絵本、1人の命が生きて、死ぬことを見つめながら、自分自身はどう生きたいか〜そんなことを問われているようです。
「死」を意識するということは、「生」…生きることを確認したい〜そんな気持ちなのではないでしょうか？ふとそんな気持ちになりました。
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自分にしかわからない孤独や絶望、そんな気持ちを人に打ち明けることはとても難しく、なかなかできることではありません。
この「ぼく」もそうだったのかもしれません……。
そして、実は自分の中にもあるのかもしれない、その感情！
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テーマがテーマだから、言葉、つまりテキストも無口でありたいし、絵も無口な絵が良いと思ってたんですよね。そういうのに合田さんが、すごくいい線いってたみたいな〜といったコメントを寄せている谷川俊太郎氏。普段は、作画に関してはあまり意見を言わないそうです。でも今回かなりのリクエストを入れたとか……。
絵を描かれたイラストレーターである合田里見さんも、その度に悩み自問自答し……苦しんだそうです。
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確かに重い内容ではあるけれど、常に隣り合わせにある課題かもしれません。中学生くらいの「自死」のニュースは時々耳にしますし、その度に心がザワザワして人ごとではなくなります。
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この答えのない問題を「生」と「死」を見つめることで、もう一度見つめ直し、自分と向き合うことが必要なのかもしれません。
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子育てにも答えはありませんね、ただ目の前の子供達と真摯に向き合い、丁寧に寄り添うしかないのではないでしょうか！
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常に子供達の心の声を聞くことのできる大きな受け皿でいたい……そんなことを思いました。

そして子供達が大人になっていく為に必要な絵本だなあ〜と感じました。
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#ぼく
https://amzn.to/37fj2yX
#谷川俊太郎
#合田里見
#岩崎書店

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うちゅうは　おおきすぎる
じかんは　おわらない
なにも　わからず
ぼくは　しんだ

そぎ落とされてそぎ落とされてできあがった「詩」と「絵」。行間が大きくて深くて漂ってしまう。

欲を言えば、見開きで一行にとどめて、もっといろんな絵を見たかった。漂ってみたかった。

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「ぼくはしんだ」
センセーショナルな言葉で始まる。
小学生男の子の自死。
想像するだけで苦しい。
絵の美しさでより一層の苦しさが増す。

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長く生きてこられた谷川さんが
儚くさびしく美しいタッチの
合田さんと　自死をテーマに絵本をつくった
もちろん生きていてほしいという
メッセージをこめているのだけど
今つらい子が手にとった時
自死を選ぶこと　そんなにつらくないかなー
って　よぎってしまわないよう
「それでも　わたしは　あなたに
　　生きていて欲しかった」
みたいな　お母さんやわんこが
いまどうしてるかとか
あるといいなと思った