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197件
八咫烏シリーズ
著者 阿部智里
松本清張賞を最年少で受賞、そのスケール感と異世界を綿密に組み上げる想像力で選考委員を驚かせた期待のデビュー作は、壮大な時代設定に支えられた時代ファンタジー!
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。峻嶮な岩山に贅を尽くして建てられた館、馬ならぬ大烏に曳かれて車は空を飛び、四季折々の花鳥風月よりなお美しい衣裳をまとう。そんな美しく華やかな宮廷生活の水面下で若宮の来訪を妨害し、后選びの行方を不穏なものにしようと企んでいるのは果たして四人の姫君のうち誰なのか? 若宮に選ばれるのはいったい誰なのか? あふれだすイマジネーションと意外な結末――驚嘆必至の大型新人登場!
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2015/09/30 09:03
驚きの結末
13人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく驚きの結末。
「こう来るかぁ~。」と結末を読みながら、どんどん物語に引き込まれて行きました。全てを読みきった後の充実感が、実に気持ち良かったです。ただ、姫達の立場から話が進むこの話だけでは、金烏側の動きが分からないのでぜひ『烏は主を選ばない』を合わせて読んでほしいです。きっとより深くこの世界観を楽しめるはず。
追憶の烏
2021/11/04 13:18
おぞましき再登場
10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
山内が滅びるとしたら、山神との関わりなどではなく内側から崩れて行くのかもしれない。
そう思わせる新刊。
非命に倒れた奈月彦、孤独のうちにこわれた藤波も哀れだが、今回最も気の毒だったのは長束彦。
父親は無責任、母親は実の弟に執着。理解者だった奈月彦を失い、血縁に見捨てられた挙句、父親の愚かさの結果生まれた弟を目の当たりにする羽目になったのだから。
父親たる捺美彦は撤去的に無責任であることであらゆるものに復讐しているのかもしれない。その結果など気にしてもいないのだろう。
初代主人公とも言えるあせび復活。
こんなに復活して欲しくない主人公など前代未聞では?
最もおぞましい形での復活が恐ろしい。
この状況をお膳立てした策士気取りの青嗣はそのうち後悔することになるのでは?
高みに彼女を据えてただで済むはずがないのだから。
山内崩壊の危機を知っていて、陰謀と権力闘争を繰り広げる貴族たち。
その中で少しでも血の流れない道を選んだ雪哉。
それゆえ大切な人との決別。
亡くしてしまった友人。
結果、ずっと恐れていた一番なりたくない自分になった雪哉。
彼に光はあるのか。
紫苑の花の別名は鬼の醜草。
その花の名を持つ姫宮は心に鬼を住まわせて現れたのか?
......この先、どうなる?
烏は主を選ばない
2020/02/13 23:49
1巻より断然面白い!
11人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うれい - この投稿者のレビュー一覧を見る
獣の奏者、精霊の守り人、十二国記を初めて読んだときのような高揚感。言うなれば本読みの武者震い。1巻では若宮何やってるんだよと正直消化不良のまま終わったが、その時私は気づいていなかった。1巻と2巻は題名こそ変わっているが上下巻、しかも物語の位置付けとしては十二国記で言う魔性の子、私はまだこの世界の入り口に足を踏み入れたに過ぎないのだ。1巻を読んだときのような怖気を今回も感じたのは、あせびも敦房も“静かな狂気”を無意識に身の内に宿しているからか。内通者の存在もわかり、またやられたーー!!と叫んでしまった。