ぼく東綺譚

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私の大好きな作家、永井荷風氏の作品です。とても美しい文章で、なんともいえな情緒のある世界が描かれています。とても洒落ています。

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　幾度か挑戦し、そして幾度も途中挫折した小説だったが、此のたびは意地になって読み何とか読了した。
　何故此の小説を自分が読むことができなかったのか、その理由はわかった。それは、冗長といってもよい風景描写のせいであろう。が、この風景描写こそがこの小説の粋であり、この小説を楽しむ上で必須のものともいえるかもしれない。
　
　結局、風景描写を理解することはできても、最後まで楽しむことはできなかった。が、荷風のすごさはようようわかることができたような気がする。そして、太宰治が女生徒の中で言っていた悲しみに、ほんの少し触れれたような気がする。
　曖昧な語句で感想を言っているということは、結局よく僕はわかっていないということの証明であろうが、なんといおうが傑作であるのは間違いあるまい。他の作品をよみたいとは特別思わなかったが、エッセイに少し触れてみたいとは思った。機会があったなら再読してみよう。

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永井荷風の作品と彼自身の生き方が好きで色々読みました。
私にはこの作品、少し読みづらいく感じるのですが、荷風の生きていた場所と時代が、むわっと匂ってきそうになる文面で、面白いです。

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当時の風俗を読み取れる小説であると同時に、
普遍的な「時代の流れ」に対する感覚を読むことができる小説。

江戸後期～大正までの、劇的な時代の変化に対する主人公の台詞や考察は、現代にも通じるところが多々ある。

大正時代の文化に憧れを持つ方だけでなく、現代のパラダイムシフトを喜びつつも、時に目まぐるしさや息苦しさを感じる方にこの本をおすすめしたい。

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今から７４年前、スカイツリーのお膝元が舞台のお話。

定期的だが、約束もなくふらっとやってくる客。やがてその客はさよならもいわずに来なくなる。来なくなる理由がある。去るものは追わず。

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何度読んでも味わえる本というのがあると思う。僕にとって、この本はそんな本の一つだ。ストーリーではなく、情景の空気感、湿度、そして日本語の美しさをゆっくりと楽しむ、心が折れそうな時こそ、こんな時間が必要だ。

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この時代の風俗、とりわけ私娼窟について全然知らないので、お雪のいるところはどういうところなのかなかなか把握することができなかった。
作後贅言を読んで、ああこの時代にも「現代の人々批判」をする人はいたのだなあと少しおかしかった。時代が変われば人も変わるだろう。前時代の人間と全く同じ人間が現代に生きるなど気持ち悪い。それでも「最近の若者は～」と愚痴る人間は減らないのだろうな。

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今日は終戦記念日。維新を挟んだ江戸と東京はちょっと違うだろうし、震災の前後でもまた違うだろう。荷風のみた東京も、空襲を経て60年の発展の後に僕の知る東京とは全然違うんだろう。でも、東京には東京の風情があるような気がして、梅田やなんばに対しては感じない愛着を持っているのです。もっとも、大阪市内を歩いた回数なんて数えるほどなのだけれど。僕が浪人時代住んでいた千葉県市川市が、晩年の永井荷風が住んでいたところだそうで、それで親しみを持っているのです。ちなみに市川は、他にも多くの文豪や芸術家が愛した土地です。この物語の舞台は、僕に馴染みのある総武線の駅名で言えば、錦糸町のもっと北の隅田川と荒川に囲まれたあたりなんだそうです。歩いたことないですね。東京を知ったような言い方ですが、予備校のあった御茶ノ水附近しか実は知らないのです。本編よりも、最後の文明批評っぽいやつの方が面白かったりします。人間を描いてるようで、結局は人間を含んだ風景を描いてる感じな気がします。・「彼氏」、「彼女」、「愛の巣」なんて言葉はけっこう昔からあったんですね。・「サイセリヤ」っていうバーが名前だけでてきます。全然時代が違うので全く関係ないんですが、ファミレスの「サイゼリヤ」は市川市が発祥です。解説：竹盛天雄

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一期一会の夜歩きは幻のようにヒラヒラと揺れ、
上質な練り絹の如く甘い感情に酔わせた。
そしてさようなら、また――いつかお会いしましょう。

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静かな文章だけど、世間から見放された玉ノ井という場所に美しさを見出した荷風の興奮が漂っている、気がする。

横道を行けってことだなー