ヴァロワ朝 フランス王朝史2
著者 佐藤賢一
カペー、ヴァロワ、ブルボンと続くフランス王朝の歴史を描けるのは、この人しかいない!ヴァロワ朝の歴史を描く待望の第2弾。イングランドとの百年戦争、イタリアへの夢、皇帝との確...
ヴァロワ朝 フランス王朝史2
商品説明
カペー、ヴァロワ、ブルボンと続くフランス王朝の歴史を描けるのは、この人しかいない!ヴァロワ朝の歴史を描く待望の第2弾。イングランドとの百年戦争、イタリアへの夢、皇帝との確執、そして血みどろの宗教戦争……。相次ぐ戦争と金策の日々。歴代王の心労絶えない260年間は、後に続くブルボンの輝く絶対王政への長き助走期間だったか。(講談社現代新書)
目次
- はじめに 王朝が交替するということ
- ヴァロワ朝の始まり/フランス王家始まって以来の試練/幸運王
- 第一章 幸運王フィリップ六世(一三二八年~一三五〇年)
- 異議あり/父の遺産/百年戦争の始まり/他
- 第二章 良王ジャン二世(一三五〇年~一三六四年)
- 騎士王/もうひとりのライバル、ナバラ王/ポワティエの戦い/他
- 第三章 賢王シャルル五世(一三六四年~一三八〇年)
- 大時計塔/税金の父/デュ・ゲクラン/逆転の布石/再征服/王政の新スタイル/他
- 第四章 狂王シャルル六世(一三八〇年~一四二二年)
- 少年王と叔父たち/親政開始/発作/ブールゴーニュ派とオルレアン派/他
著者紹介
佐藤賢一
- 略歴
- 1968年山形県生まれ。東北大学大学院で西洋史学を専攻。99年「王妃の離婚」で直木賞受賞。ほかの著書に「象牙色の賢者」など。
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王統が変わるということ
2024/11/18 15:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
王統が変わりますカペー朝からヴァロア朝になった。百年戦争から宗教戦争のあいだの王朝。直系から王統が移れば、血縁者が争続を吹っ掛ける。大領主のようなカペー朝の王様のままではいられない。
佐藤賢一氏の小説の題材となった話があれこれと出てくる。長い歴史の中ではホンの一挿話に過ぎない。そう思うと、また氏の小説を読み返したくなってくる。
百年戦争に始まりユグノー戦争に終わったフランス王朝
2024/10/24 17:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:森の爺さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランス王朝の中で、ヴァロア朝というのは最初のカペー朝と後のブルボン朝との間で余り目立たない印象を受けるが、英仏百年戦争に始まりプロテスタントであるユグノーとカトリックとの宗教戦争の中で終焉を迎えている。
著者である佐藤氏は、百年戦争フランスを舞台とした小説「双頭の鷲」や新書の「英仏百年戦争」もあり、得意分野での新書によるフランス朝史を書く中で、ヴァロア朝も書かれている。 ヴァロア家はカペー朝の「美男王」フィリップ4世の弟であるヴァロア伯シャルル(戦上手でフィリップ4世を軍事面で支えていた)に始まり、フィリップ4世の息子であるルイ10世、シャルル4世、フィリップ5世が皆即位したものの王位継承者が無いまま亡くなってしまったことから、シャルルの息子であるフィリップ6世がヴァロア王朝の初代として即位したものである。
フィリップ4世の息子達には王子はいないが、王女はいたのだがフランスサリカ法典による男系の継承としてヴァロア家が王位継承するのだか、そこら辺がサリカ法典はそこまで厳格では無かったような説明で、フィリップ4世末期に発生した王家のスキャンダル(王子の妃たちの不倫行為)により、王位継承権に疑念が持たれたことも要因といわれている。
厳格に男系継承を定めたものでは無い証拠のように、イングランド王エドワード3世(母親はフィリップ4世の王女)が王位継承権を主張して百年戦争が始まり、百年戦争がようやく片付いたと思ったら欲を出した王たちはイタリア進出を目論みハプスブルグ家と張り合うが、フランソワ1世がパヴィアの戦いでフランソワ1世自身が捕虜となる大敗を喫した結果イタリアから手を引き、スペインとオーストリアのハプスブルグ家に囲まれる中、国内におけるカルヴァン派プロテスタントとカトリック過激派によるユグノー戦争の中、最後の国王であるアンリ3世が暗殺され後継者がいなかったことから、王位はブルボン家のナヴァル王アンリこと後のアンリ4世に引き継がれる。
百年戦争の結果ノルマンディー公ギョームがイングランド王ウィリアム1世となって以来のフランス封建領主がイングランド王を兼ねるという状況が解消され、英仏が完全に分離されたこと、英国撤退後は王族でありながらフランドル地方(現在のオランダ、ベルギー)も支配下に置いたブルゴーニュ公爵家と王家の対立となるが、突進公シャルルがナンシーの戦いで戦死した後は、ブルゴーニュ公領は公女マリーの婿である後のハプスブルグ家のマクシミリアン1世(後に神聖ローマ皇帝)に引き継がれて行く。
百年戦争の時代の王には「賢王」シャルル5世、「狂王」シャルル6世、「勝利王」シャルル7世とブルゴーニュ公シャルルを破滅させたルイ11世という王たちが揃っているが、その後はフランソワ1世以外に余り目立つ王はおらず、王朝末期ではむしろアンリ2世の王妃であるカトリーヌ・ド・メディシスがその権謀術数で目立っている。
また、シャルル7世は百年戦争でジャンヌ・ダルクを見殺しにした王として評判が悪く、著者の佐藤氏の小説でもそうなっているが、実際にはまあブルゴーニュ公に対して一応の交渉は行っているので、気の毒ではある。
王様達頑張る
2021/08/01 10:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ時代を扱った佐藤賢一の「双頭の鷲」「傭兵ピエール」を既に読んでいたせいか、その作品の通史的な時代背景をよく知ることができ大変に興味深く読むことができた。最近の歴史書は経済史視点や技術史視点なものが多いが、やはり人物史は物語として無条件に面白い。
戦争につぐ戦争・・・そして絶対王政へ
2021/04/16 22:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヴァロワ朝はイングランドとの百年戦争で幕を開け、イングランドを退け国内統一を成し遂げ、国内では他の王族、貴族の追随を許さず、国内が安定するかと思いきや・・・
イタリアを巡って、スペインと争い、宗教改革の波を受けての宗教戦争と、よくまあ争いの種が尽きないなと、ある意味感心してしまう。
そんな中、連続しないものの随所に現れる名君と呼ばれる王たちが、その後の絶対王政に向けた布石を打っていく。これが長期政権に繋がる絶妙さかとこちらも感心させられる。