電子書籍
オロロ畑でつかまえて
著者 荻原 浩
【第10回小説すばる新人賞受賞作】人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上が...
オロロ畑でつかまえて
オロロ畑でつかまえて (集英社文庫)
商品説明
【第10回小説すばる新人賞受賞作】人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった! ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる――。ユーモア小説の傑作。
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紙の本
ウッシー現る。
2011/11/24 18:47
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
オロロ畑でつかまえて 荻原浩 集英社文庫
「村興し(むらおこし、寒村を繁栄させる)」を素材にした東北の物語です。場所は奥羽山脈にある牛穴村です。青年会の8人と東京の広告代理店社員たちが村興しにチャレンジします。
物語は、千貫みこし(3750kg、実際のみこしはもっと軽い)の担ぎ手の数が足りないということから始まります。村人米田慎一37歳はじめ3人が村興しの助っ人を求めて東京を回る姿は「七人の侍」黒澤明監督です。北海道屈斜路湖と鹿児島県池田湖に行ったことがあります。彼らは、クッシーとイッシーのごとく、ウッシー(本当はウシアナザウルスにしたかった。)で牛穴村を売り出そうとします。わたしはやがて本物のウッシーが現れることを予測しましたが、それを上回る展開になったので感心しました。
ゴンベ鳥、クモタケ、オロロ豆、ナダッコ、ヤマヘポコなど日本昔話に登場するような項目は、ラストへの伏線として用意されています。女性ニュースキャスターの恋とか、フィリピン人妻とか、たまぎり(シャーマン、死者が女性にのりうつる)など、作品を書いた当時の世相も背景に置いてあります。丁寧に構築された物語です。方言の記述も好ましい。
160ページにある「日本人の社交辞令」では、過去を振り返り、何度かわたしもだまされた気分になって心が傷ついたことを思い出しました。その問題点は物語の最後に解決されます。作者は純粋なもの、素朴な心を追求しています。
紙の本
ユーモア小説の傑作
2017/11/16 16:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説のジャンルに「ユーモア小説」というのがあって、「明るい笑いを主眼とした小説」とあるが、これがなかなか見つからない。
どうも人は笑うことより泣く方が好きなようだ。あるいは喜劇より悲劇の方が創造しやすいのだろうか。
それとも笑いは軽さに通じ、格がさがるとでもいうのだろうか。
『海の見える理髪店』で第155回直木賞を受賞した荻原浩さんはその受賞作でいえば心の機微をしっとりと描く作家と思えるが、それより先立つことおよそ20年前、1997年に第10回小説すばる新人賞を受賞したこの小説こそ、ユーモア小説の傑作なのだ。
当時まだ広告会社のコピーライターであったという自身の経験があったのだろうが、小さな広告会社ユニバーサル広告社が受注した人口わずか300人の過疎村牛穴村の村おこしが巻き起こす騒動が実に愉快なのだ。
小説を読んで何度も笑い転げたという経験は少なく(東海林さだおさんのエッセイ並みに笑い転げた)、これがユーモア小説かと最後は襟を正した次第だ。
しかし、このようなユーモア小説に新人賞を与えた小説すばるもすごいが、へたをすれば下品な文章に落ちてしまいかねない小説をデビュー作にしてしまう荻原浩さんもまたすごいというしかない。
こういう系統の小説を大事にしてもらえれば、荻原浩ワールドも充実するはずだ。
電子書籍
情弱物語
2016/11/19 21:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
村おこしをしたい青年達、不況に喘ぐ弱小広告社、両者がタッグを組んだらどうなるか。行き当たりばったりの企画がなんと奇跡を起こした。子供だましのしかけがヒットするなんてこの世はやっぱ騙し合い。一応知恵は使っているけれど、綱渡りもいいところ。なのに騙される人がいるってことは、みんな頭使ってないのね。簡単に情報に流され、翻弄される世間をうまく切り取っている。「見識者」たちのコメントも、からくりを知ってる読者には笑止千万。そんなところを陰湿にならず面白おかしく仕立ててる荻原さん。ますます気に入った!次は小鳩組だ〜。
紙の本
広告会社の社員になった気に
2016/03/16 16:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユニバーサル広告会社に勤める杉山と社長の石井、村崎、アルバイトの猪熊。何度かの危機を乗り越えやっと存続しているユニバーサル。そこに牛穴村からの村おこしの依頼が。奥羽山脈の大牛山山麓にはりついた寒村。主な産物は、カンピョウ、人参、オロロ豆、ヘラチョンペ。千貫みこしが担げない、から始まった村おこしは龍神沼のウシアナザウルスことウッシーの出現で一躍注目されることに。ニュースキャスターの涼子と悟の絡みもアクセントに。
杉山と娘の早苗が、このシリーズに何とも言えない味をだすことに。2作目、3作目も楽しみにしていただいて結構だと思う。
電子書籍
癒されます
2022/01/26 21:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
廃村寸前の村を立て直すドタバタほのぼのコメディ。著者らしいあたたかい雰囲気が全編に感じ取れ、元気をもらえる一冊。
紙の本
ユーモアたっぷり
2021/03/17 21:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユーモアに溢れていて面白い。
作者が広告代理店ご出身とのことで、これは割とリアルなのか?こんなお仕事なんだ、と楽しみながら読んだ。
広告会社の面々も憎めないキャラで、軽い気持ちで楽しく読める。
紙の本
原型が
2019/12/11 17:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
荻原さん作品の限界が垣間見えます。
ちょいクセのある人達に囲まれた職場と、
ちょっとおかしみのある娘(息子)のいる家族。
普通におsもしろいです。
紙の本
ドタバタ劇
2016/05/24 13:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:shinsaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
素直に楽しめた作品です。コミカルでもあり、メッセージ性もあります。これからの季節、自然の中でゆったりと読書を楽しむ。そんなシュエーションにぴったりです。
紙の本
村おこしをテーマにした痛快小説
2016/01/28 08:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、筆者荻原氏の初期のものですが、筆者の持ち味がよく出た笑いあり、感動あり、そして人情ありの痛快小説です。過疎化で疲弊した牛穴村の若者たちが村おこしに立ち上がります。この村人たちの方言による会話が何とも僻地を思わせます。そして、その村おこしのために一役買って出たのは、倒産寸前の広告会社でした。一体、この村おこし作戦はどうなっていくのでしょう。
紙の本
ちょっとがっかり
2019/06/18 22:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
『オロロ畑でつかまえて』は、荻原浩のユーモア小説。
荻原浩だから、と思って選んだんだけど、言ってしまえば、ただのユーモア小説でした。
題名からしてサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』になんらかの関連があるのかな、オマージュだったりするのかな、と期待したのですが、別に何もなかった。
ちょっとがっかり。
電子書籍
ちょっと物足りない
2016/08/28 05:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハードボイルドエッグは面白かったし、今年賞をとられたようなので、昔のを読んでみようと思い購入。しかし、ちょっと単純すぎて物足りなかったです。今の作品が面白ければいいですよね。
紙の本
まあ笑える楽しい作品です
2016/06/10 18:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユーモア小説と言うジャンルがあるのかないのか
知らないですが、まあ笑える楽しい作品です。
ちょっと斜に見ると地方(東京以外)というか
田舎といわれる地域を笑い者している悪趣味な
作品とも、今頃のマスコミに代表される世間に
対するアイロニーともとれますね。
芝居や映画でも感動させたり泣かせたりするよりも
笑わせることの方が難しいとはよく言われますが
それを信じるなら頑張っている作品でした。