転迷―隠蔽捜査4―(新潮文庫)
著者 今野敏
大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が...
転迷―隠蔽捜査4―(新潮文庫)
商品説明
大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。次々と襲いかかる難題と試練――闘う警察官僚(キャリア)竜崎は持ち前の頭脳と決断力を武器に、敢然と立ち向かう。
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唐変木ぶりにも慣れてきて
2018/05/21 21:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
『転迷』は、今野敏の隠蔽捜査シリーズの4。
竜崎署長の竜崎署長の唐変木ぶりにも慣れてきて、途中、ちょっと退屈な感じもしたのですが、さいごになると、きちんと面白い。
周囲との軋轢があっても自分の原理原則は曲げず、公務員としての職責を全うする様は、見ていて爽快です。
活躍の場を得た竜崎のシリーズ第4作
2014/07/11 23:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
多作の作家、今野敏の隠蔽捜査シリーズ第4弾である。このストーリーの一部はテレビ化された際にすでに広く知れ渡ってしまった。できれば、文庫化を先にして欲しかった。もちろん、書籍とテレビとでは表現方法や情報量に差があるのだが、文庫の方が当然情報量が多いので、二番煎じを飲まされた感は強い。
テレビを見ていると、麻取捜査官の横柄な態度や、捜査畑のコンプレックスがよく表現されていたと思う。捜査本流の警察に対する態度もあまりに大仰で、こんなことはありえないと思わせるものがある。書籍でも電話のやりとりの際の口のきき方など、尊大でやはり実際は有り得ないだろう。
こういう箇所を除けば、今回も人間関係を始めとして面白く出来ている。たとえば、今回の被害者は外務省の役人である。被害者に関する情報を得られればかなり捜査の進展に有益である。こう考えたのは伊丹刑事部長である。伊丹は外務省にコネはない。あるのは過去に協力して仕事を行った竜崎である。
伊丹は躊躇せずに竜崎にそのコネを使って情報を引き出せという。こういう話はよくある。コネを持っていることがどれほど有用かである。警察もそうかも知れないが、外務省の日常的な活動はわれわれ国民がほとんど目にすることはない。その唯一の露出点は霞ヶ関にある外務省の本局である。
実際は多種多様な工作を行っている場合もあるが、自分は外交官に向かないと公然と言い切る外交官もいる。表に出ない分、小説家としては如何様に書いてもそれがもっともらしければ、真実性が深まるものである。如何に面白く、奥深く描くかが小説家の腕であろう。本書のように一般の外交官が相手方と接触を持とうと工作を行うことが通常行われているか否かは分からない。
大森署の竜崎を助ける副署長、課長の存在も面白く、竜崎のリーダーシップがうまく描けているのではないか。今野のシリーズものはなかなか続かないのだが、本シリーズはもう5作目が出ている。まだまだネタ切れには早い。もう少し続けて欲しい。
公安と外務省と厚労省の攻防がなかなか
2018/12/05 08:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『転迷(隠蔽捜査4)』では、外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生。さらに覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくると、大森署長竜崎伸也の周りは騒がしくなり、さらにプライベートでは娘の彼氏がカザフスタンで起きた航空事故に巻き込まれたかもしれないーという4つのパズルピースが提供され、それらが密接に絡み合っていく展開です。割と早いうちに大筋の見当はついてしまうので推理小説としてはだめかもしれませんが、公安と外務省と厚労省の攻防、竜崎のオーソドックスではない解決・対処法による活躍などが見どころです。父親としても、だんだんいい親父になっているのではないかという印象があります。
事件がおっかけてくる!?
2017/01/31 23:21
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投稿者:maki - この投稿者のレビュー一覧を見る
竜崎さんを事件が追っかけてくる!?
バラバラに彼を追い詰めた事件が一つに収束していく(させていく?)お手並みはお見事!
本庁復帰も近いのかしらね~。
伊丹さん、いい加減さを発揮してきた!?(笑)
さすが竜崎
2016/12/03 09:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライディーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
相も変わらず竜崎節が炸裂で面白いです。
マトリを物ともせず畳み掛ける姿は圧巻です。それも本人は合理性と原則論を伝えてるだけと言うのがいい。
変人、唐変木と言われようが、原則論を推し通す姿は羨ましい限りです。