電子書籍
アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」
著者 中川 裕,イラスト:野田サトル
大人気漫画「ゴールデンカムイ」のアイヌ語監修者による、唯一の公式解説本が誕生! 野田サトル先生によるオリジナル描き下ろし漫画も収録!! 2018年に手塚治虫文化賞でマンガ...
アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」
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アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」 (集英社新書)
商品説明
大人気漫画「ゴールデンカムイ」のアイヌ語監修者による、唯一の公式解説本が誕生! 野田サトル先生によるオリジナル描き下ろし漫画も収録!! 2018年に手塚治虫文化賞でマンガ大賞を受賞し、アニメ化も果たした累計発行部数900万部超の大ヒット冒険活劇漫画「ゴールデンカムイ」。同作をきっかけにして、初めてアイヌ文化に興味を抱いたという方も少なくないのではないか。本書はそんな大人気作品のアイヌ語監修者が、漫画の名場面をふんだんに引用しながら解説を行った、画期的入門書である。「アシ(リ)パたちの名前はどのように決まったのか」「話題の“オソマ”と“チタタプ ”にまつわる裏話とは?」「“ヒンナ”の正確な意味と、本当の使い方」など、原作ファンならば漫画が100倍面白くなること必至の知識が満載となっている。もちろん、それだけではなく「アイヌの先祖はどこから来たか?」「アイヌ語から解き明かす北海道の地名」「徹底解説! アイヌ文学」など、原作を知らない方でも楽しめる内容が盛り沢山。アイヌ文化について知りたいならば、まず最初に読むべき最高の入門書だと言えるだろう。
目次
- 序章 アイヌ文化に人々を惹きつける「ゴールデンカムイ」の魅力/第一章 カムイとアイヌ/第二章 アイヌの先祖はどこから来たか?/第三章 言葉は力/コラム1 小樽から見た「ゴールデンカムイ」(寄稿:石川直章・小樽市総合博物館館長)/第四章 物語は知恵と歴史の宝箱/第五章 信仰と伝説の世界/野田サトル先生描き下ろし オリジナル漫画/第六章 「ゴールデンカムイ」のグルメワールド/コラム2 黄金の民・アイヌ(寄稿:瀬川拓郎・札幌大学教授)/第七章 「ゴールデンカムイ」名シーンの背景/第八章 アシリパたちの言葉 アイヌ語とは/終章 アイヌ語監修というのは何をやっているのか?/付録 「ゴールデンカムイ」をより楽しむためのブックガイド
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紙の本
「ゴールデンカムイ」が世に表わしたアイヌ文化紹介は、ただの漫画で済ませるもの以上に大きかったとおもう
2019/03/19 03:55
19人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
漫画「ゴールデンカムイ」はアイヌ文化を広く理解する上で大いに貢献した。その監修をしているアイヌ語研究家の中川裕による本書は、ゴールデンカムイのサブテキストであり、アイヌ文化をさらに深く理解するためのものである。
アイヌ民族と日本民族は、江戸時代に入る前までは、交易を行うなどほぼ対等な立場であったものが、江戸時代に松前藩が確立して以降は、アイヌにとっての不利益交易、砂金目的の移民が北海道に押し寄せたことにより、徐々にアイヌの生活は苦しくなり、有名なシャクシャイン戦争などが起きる。しかし、「アイヌ内部のことはアイヌにまかせる」という方針によって、アイヌ文化は保たれていた。それが明治維新以降、北海道開拓の名の日本人の「侵略」が進み、アイヌの同化政策が進められる。明治時代に定められ、1997年まで生きていた「旧土人保護法」は、アイヌの土地の没収、収入源であり文化であった漁業・狩猟の禁止、アイヌ固有の習慣風習の禁止、日本語使用の義務、日本風氏名への改名による戸籍への編入定めたため、昭和には、アイヌ文化は観光地の見世物となり、差別の対象となり、アイヌ語を話す人もいなくなり、平成にはアイヌ文化は消えようとしていました。
アイヌ民族から、はじめって国会議員となった萱野茂によって旧土人保護法は廃止され、いま、アイヌ民族の復権、アイヌ文化の継承、アイヌ語の復活を目指してアイヌ自らが声を上げる運動が起こっている。
こうした歴史の流れのなかで、「ゴールデンカムイ」が世に表わしたアイヌ文化紹介は、ただの漫画で済ませるもの以上に大きかったとおもう。
アイヌ民族は文字を持たない。アイヌ語を禁止されれば文化は絶滅してしまう。
アイヌは狩猟の民である。土地を奪われ、狩猟が禁止されれば、生きるすべを失う。
アイヌの狩猟の考え方の基本は、本書でも紹介されている、「人間とカムイ=環境はお互いがお互いを必要とするパートナー」であり「環境からの恩恵を当たり前のものと思わず、その恩恵を感謝して受け取ることによって、環境を悪化させないように配慮することができるようになる」と「カムイ」を解説している。
食べ残しは、カムイに「そんなことをするならあそこの家には土産を持っていくものか」と飢饉や飢餓につながる恐れをもたせ、必要以上に採らない事につながっている。「カムイ」に対する感謝がアイヌ民族の文化だ。イオマンテ(熊送り)も儀式の詳細が解説されている。食べ残しを禁止する法律を作らなければならないと言っている日本人にこそ、知るべき考え方だろう。
トゥレンペという憑神についての考え方も「無意識」と同意。アイヌはすべてのものに魂が宿ると考えている。
ゴールデンカムイでも度々アイヌ料理の話が出てくるが、本書ではそのレシピも詳述されていて興味深い。
本書の表紙は盛装して祖先供養をの場で祖先の霊にお酒を捧げるアシリパ
アシリパの本書の表記は本当はリの字が小さい。私のワードで小さいリの字が変換しない。ゴールデンカムイに紹介されるアイヌ語表記はブ・ツ・ク・ム・シ・ラ・リ・ル・レ・ロ・ハ・ヒ・フ・へ・ホが小文字になっている。どんな発音か不思議だったが、本書で「北海道新聞社の道新アイヌ語小文字発音講座の動画で聞ける」とまさに読者の疑問に手取り足取り教えてくれる。
紙の本
おもしろかった!
2019/03/16 23:11
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも漫画で楽しんでいる『ゴールデン・カムイ』。その物語のどの部分がフィクションで、どんな風につくられているか。まるで作業場を垣間見れるようで楽しかった。アイヌについて知りたかった部分もわかりやすく、入門編としても最適。漫画への興味と知識欲をどちらも満たしてくれる1冊。オススメです。
電子書籍
アイヌ文化をより詳しく学べる
2022/02/11 22:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:路傍の石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴールデンカムイでアイヌ文化に興味を持った方には最適の書。漫画で登場した食べ物や道具の解説を読んだ上で読み返してみるとより理解が深まる。大多数にとってどちらかというと馴染みの薄いアイヌ文化を身近に感じられる。
紙の本
ヒンナヒンナ
2022/07/05 22:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ペンギンまま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴールデンカムイに出会わなかったら、アイヌのことを良く知らないままだったし、良く知ろうとも思わなかったかも…
そう考えるとこちらの本はとても入りやすく、アイヌのことを教えてくれます。
ゴールデンカムイ展にも行ったので、そちらで得た知識と合わせて、より楽しくなりました。
食事の時にいつもヒンナヒンナと言ってるので、つい「美味しい」という意味かと思いごんでましたが、漫画の作中にもあるように「感謝」の意味ですよ、とか優しく教えてくれてます。
しっかり分厚い本なので、全部読めてませんが、読みたい所から先に読んでも楽しめるので、ぜひ!
紙の本
アイヌ入門書かつゴールデンカムイ深掘り本
2022/01/14 20:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アイヌ知識の入門書としても漫画の副読本としてもとっても読みやすいです。
ゴールデンカムイの中でアイヌ文化や習俗として説明されていないことに関してもきちんと解説されているので理解が深まります。
漫画のなかでは基本的にアシ(リ)パさんがアイヌ文化の手引きをしてくれますが、漫画内の人物に説明させるカタチだと違和感が出てしまう、俯瞰的な日本とアイヌの関わりの歴史なども解説があります。
また、アイヌの「良い男」の3条件の箇所など、もしかしてアシ(リ)パさんは初対面から恋愛対象としても杉元への好感度が高かったのかも…などと考察が深まったりして興味深いです。
ゴールデンカムイについて調べたい人にはうってつけの良書です。
紙の本
読み解きでもっと面白くなりました
2021/10/17 22:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カイエ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴールデンカムイって、ほんとうに丁寧につくられてるんだなと思いました。アイヌ文化に、ますます興味がわきます。コミックの気になってたシーンの解説してくれるのも嬉しい。読んで良かったです!
紙の本
「始皇帝 中華統一の思想」とほぼ同時期に出てどちらも名作
2020/04/26 17:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴールデンカムイは北海道を発った所までアニメと漫画で読んだ
さて。この本はしかし縄文時代から……というかアイヌの起源から話が始まる
ゴールデンカムイとの絡み方も絶妙で、また著者が大学教授なのもあって専門的な話でも非常にわかりやすく書いてくれている
ゴールデンカムイ好きな人のみならずアイヌ文化に多少なりとも興味がある人には必読の一冊
紙の本
「ゴールデンカムイ」を通してアイヌ文化を知る!
2019/10/14 14:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野間丸男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アイヌという言葉を知っていても、どんな文化や生活かの資料は少ない。
「ゴールデンカムイ」という漫画がある。
日露戦争後の北海道ということで、当然(?)アイヌの人々も出てくる。
アイヌ文化にも地域差があって、言葉の違い・生活パターンの違いがある。
漫画の中のセリフの翻訳の難しさと共に、アイヌ文化の特異性が明らかになってくる。
漫画を先に読むか、この本を読んで漫画を読むか。
電子書籍
わかりやすい
2022/12/11 07:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴールデンカムイは、よんでいますけど、ここまで詳しく、初心者にもわかりやすいアイヌの入門書は、初めてです。シャクシャイン戦争も知らなかったですし。そして、明治維新以降、北海道開拓は、本土での呼び名で、アイヌを侵略……なるほど……
電子書籍
アイヌ文化への入門書!
2022/02/26 12:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まんね - この投稿者のレビュー一覧を見る
語り口が易しいので初心者もどんどん読み進められる。『ゴールデンカムイ』の描写に対する解説も必見だが、本作を読んでいない人も十分楽しめる内容だと思う。