国盗り物語 みんなのレビュー
- 司馬遼太郎
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2017/05/21 00:32
面白かった
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読書灯 - この投稿者のレビュー一覧を見る
司馬遼太郎の作品でこの本のこの第一巻が一番好きだ。
まるでライトノベルのような詩的な書き出しだが、熱気が伝わってくる。
巻を追うにつれて淡々とした歴史小説のような文体に落ち着いてしまうけれども、私はこの巻の熱さがやっぱり忘れられない。
国盗り物語 改版 2 斎藤道三 後編
2020/06/24 17:25
斎藤道三はいい蝮だったのか
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新潮文庫版で4冊となっている長編歴史小説の2巻め、「斎藤道三 後篇」である。
最初に断っておくと、新潮文庫版で1、2巻が「斎藤道三」で3、4巻が「織田信長」となっているが、この2巻めで斎藤道三が姿を消す訳ではない。
この巻でようやく幼いうつけ者信長が登場し、道三の娘である帰蝶の婚礼が整う前夜あたりまでが描かれているから、このあともまだ道三は描かれることになる。
司馬遼太郎さんはこの長い物語を雑誌に連載するに際して、道三のことを「妙な人物をかく」と記した。続けて、「奇人ではない。どこにでもいる。われわれの性根の内部にもいる」と書いた。
この巻では、自分の主人であった国守土岐頼芸を美濃の国から追いやる「蝮」の道三の姿を描いているが、そういう悪のような部分も「われわれ」の内部にあると司馬さんは見ていたのかもしれない。
さらにいえば、この歴史小説の合間に「斎藤道三という苛烈な「悪人屋」を書こうとしたのは、自分へのけいべつから出発しているらしい」と、自身の内情まで吐露している。
斎藤道三には悪だけではない、人間としての魅力が濃厚にある。
斎藤道三という人物が面白いのは、彼ひとりではなく、彼の「国盗り」がふたりの「弟子」によって引き継がれていく点にもある。
ふたりの「弟子」。すなわち娘婿の織田信長と、道三の妻の甥の明智光秀である。
この二人がその未来においてどう交わるか歴史の事実として知っている読者にとって、わくわくしないはずはない。
いずれにいても、この巻ではまだ道三は生きている。
国盗り物語 改版 4 織田信長 後編
2020/07/24 08:37
光秀は「麒麟」か
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新潮文庫版で4冊となっている長編歴史小説もいよいよ最後の巻、「織田信長 後編」である。
そしていよいよこの巻のクライマックスで「本能寺の変」が描かれている。
そこからすれば、「織田信長編」というより「明智光秀編」といった方がいいかもしれない。自らの主家であった信長に何故光秀は謀反を起こしたのか。
おそらくそれは光秀しかわからない、あるいは光秀自身にも解けない謎であったかもしれない。
この長編小説にはたびたび信長に対する光秀の妬みのようなものが書かれている。
妬み、というのは、自分の方が生まれもいいし能力もある、という愚かな考えから出ている。
あるいは、濃姫と結婚したかもしれない自分を想像したこともあったやもしれない。
どんな組織でも、光秀のような考えをもつ人物は現れる。ただ光秀の場合、そんな考えを持つほどに能力も高かったのも事実だ。
ただ残念なことに、光秀は信長のことが嫌いであった。
好き嫌いの問題はどうしようもない。
精神が病んでいくように見える光秀だが、信長の仕打ちも目に余る。
現代ではパワハラであるには違いないが、戦国時代、ましてや下克上といわれている時代に信長のような強烈な個性がなければ天下などとれるはずもない。
道三、信長、光秀、三人の武将の長い物語はここで完結したが、一体誰が本当の「国盗り」だったのだろう。
秀吉なのか家康なのか。
あるいは光秀の謀反に組みしなかった、光秀の友細川藤孝だったのだろうか。
国盗り物語 改版 3 織田信長 前編
2020/07/23 15:18
信長は「麒麟」か
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新潮文庫版で4冊となっている長編歴史小説の3巻め、この巻より「織田信長」編となり、これは「前編」である。
これまでの復習がてら書いておくと、この長編小説は美濃を制し「蝮」と怖れられて斎藤道三と彼の娘帰蝶(濃姫と呼ばれることも)が嫁いで婿となった織田信長、そして道三の妻小見の方の甥であった明智光秀、この三人の武将の生き様を描いている。
この巻の冒頭は、「おかしな若者だった」という一文で始まる。
これ、すなわち信長のことである。
信長のことは多くの人が知っている。若き頃、うつけ者と謗られて話は有名だ。
そんな若者に自分の娘を嫁がせた道三だが、その噂しか知らない。
道三と信長が相まみえることになった聖徳寺の会見。この一瞬で道三は信長の未来を予測したともいえる言葉を発する。
そんな道三だが、不義の子であった息子に討たれてなくなる。
亡くなる直前に京に残した本妻への伝達を頼んだ男、ここに明智光秀が登場する。
光秀から道三の死を伝え聞いた本妻は光秀の顔を見て「男とは難儀なもの」とつぶやく。
光秀もまた「天下とやらがほしいのであろう」と。
若い頃道三はこの本妻に「天下をとって戻ってくる」と夢を語っていた。
その夢は光秀にはまだまだ遠く、その後流浪の生活が続く。
光秀が願ったのは将軍足利義昭を擁護し、再び正統な足利幕府を起こすこと。
しかし、光秀の苦労もことごとく潰え、ついには信長を頼ることになる。
読む者を飽きさせないのは歴史の面白さでもあるが、司馬遼太郎の筆の冴えでもあるのは確かだ。
いよいよ光秀が何故信長を討つことになったか、その謎が解かれる。
国盗り物語 改版 1 斎藤道三 前編
2020/06/23 16:36
「麒麟がくる」再開までに読んでおきたい
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新潮文庫版で4冊となっている長編歴史小説を読むにあたって、まず書誌的な話から書こう。
戦国時代の美濃の武将斎藤道三とその娘婿である織田信長の物語を司馬遼太郎さんが書いたのは、1963年(昭和38年)8月から1966年(昭和41年)6月までで、雑誌「サンデー毎日」に連載された。
ちょうど司馬さんは40歳で、前年には『竜馬がゆく』や『燃えよ剣』の連載も始めていたから、まさに油ののった執筆時期だったのだろう。
連載が終了した1966年には『竜馬がゆく』の完結と合わせ、第14回菊池寛賞も受賞している。
斎藤道三といえば、戦国時代、あるいは下克上の象徴ともいえる武将である。
もとの名は松波庄九郎。
巷間いわれるように京都の油屋の女主人と懇ろとなり、やがて天下をねらう大きな野望を持つようになって、名前も出世のつど変わっていく。
人から「蝮の道三」と恐れられるほどの人物だったから、権謀術数に長けた悪人であったにちがいない。
それでいて、司馬さんが描く道三(司馬さんはこの物語では終始庄九郎と表記したが)は唾棄するほどの悪人ではない。
むしろ、痛快な男として、読者は感情を添えることになる。
例えば、こんな一節。
「庄九郎の人生には目的がある。目的があってこその人生だと思っている。生きる意味とは、その目的にむかった進むことだ。」
こんな男の生き方に昭和40年代の男たちは鵜方どんなに勇気づけられたことだろう。
第一巻となるこの巻では道三がいかにして油屋の主人に納まり、その後美濃にはいって国主土岐頼芸の女までも奪い去る姿が描かれる。
国盗り物語 改版 3 織田信長 前編
2020/05/25 05:32
天下人
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
道三亡き後の後継者ともいえる織田信長を描く。破天荒ともいえる革命児の物語だ。明智光秀との対比も面白い。
2021/07/14 10:40
生き生きとした出だし
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉村昭ほどではないが比較的淡々とした記述が目立つ司馬遼太郎の中期以降の作品において、珍しくこの作品は生き生きとした出だしで読者を引きつける。ただし中盤以降はいつもの落ち着いた調子に戻るが。斎藤道三だけではなく織田信長も準主役の地位を占め、従来からのしきたりにとらわれない武将として描き出されている。
国盗り物語 改版 1 斎藤道三 前編
2020/05/27 05:37
天下人
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
斎藤道三を成り上がりの典型とし織田信長と明智光秀をその弟子としてとらえた作品。古い時代のものだから道三は一人説となっている。
国盗り物語 改版 4 織田信長 後編
2020/05/26 05:35
本能寺
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
道三の弟子対決で幕を閉じる物語。信長の最後が光秀の最後でもあり物語の終焉を迎える。天下統一への夢の行方は悲劇への助走でもあった。
国盗り物語 改版 2 斎藤道三 後編
2020/05/24 05:33
道三
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
所謂二人道三説が主流になる前の古い時代の小説だから一人説なのは仕方がない。信長との対面や道三の最後など読みどころは沢山ある。
国盗り物語 改版 1 斎藤道三 前編
2017/07/09 19:05
好みが分かれそう
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投稿者:nocturne2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
斉藤道三の回だが、正直言うと、私の好みではなかった。道三の強烈な個性の描き方が、めまいを起こさせる感じで、ストーリーがかすんでしまった。好みが大きく分かれるのではないかと思う。本当は僧侶から商人を経て、身の一帯の実力者にのし上がった才覚がある人だと思っていたのだが、その知性や胆力の部分がもっと見たかった。
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