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フィリップ・マーロウ〔新訳版〕 みんなのレビュー

  • ベンジャミン・ブラック(著), 小鷹信光(訳), レイモンド・チャンドラー(著), 村上春樹(訳)
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みんなのレビュー34件

みんなの評価4.3

評価内訳

34 件中 1 件~ 15 件を表示

ロング・グッドバイ

2015/11/19 23:18

チャンドラー研究の良書

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る

村上春樹訳『ロング・グッドバイ』は、翻訳小説の部分と訳者のあとがきの部分とを合わせて、レイモンド・チャンドラー研究の良書だと思う。
 翻訳小説だけで見れば、私にとっては、清水俊二訳の『長いお別れ』のほうが、親しみやすく、読みやすく、リズムが良くて、愛着が湧く。
 もっとも、一つ一つの単語については、私が親近感を持つ清水訳が、他の人にとっては違和感を持つ場合も多いと思う。
 たとえば、早朝五時に尋ねてきたテリー・レノックスにフィリップ・マーロウがコーヒーを淹れる時、清水訳では<コーヒーわかし>と書き、村上訳では<コーヒーメーカー>と書く。私もコーヒーメーカーという言葉を聞きなれてはいるが、それでもなお、<コーヒーわかし>のほうに、親しみやすさに加えて懐かしさを感じる。
 あるいはまた、マーロウが金持ち専用の興信所カーン機関に行った時、村上訳では、カーン大佐は元<憲兵>だったと書いてあるが、清水訳では<MP>だったと書いてある。日本にMPがいたのは私が生まれる前のことだが、親がMPという言葉を使うのを聞いたことがあり、その言葉に伴う雰囲気が印象に残っている。
 一方、マーロウがやくざのメネンデスに向かって、テリーがおまえに援助を求めなかったのは当然だ、なぜなら、清水訳では<パンパンから金を借りるようなもんだから>、村上訳では<娼婦から小遣いをもらうようなものだから>と言っている。これは村上訳のほうがよい。なぜなら、<パンパン>とは駐留米軍の相手をした日本女性を指した言葉で、マーロウが住んでいた街には存在しなかったものだから。
 日本に<MP>や<パンパン>がいたのは、『長いお別れ』とほぼ同じ時代だ。村上春樹は私より十歳近く上で私と同じ関西出身なので、おとなが<MP>や<パンパン>と言う時の関西弁のイントネーションや雰囲気を知っているはずだが、いわば、もはや戦後ではない、ので、『ロング・グッドバイ』では、<憲兵><娼婦>という、より普遍的な(?)言葉を使ったのだろう。
 しかし、一つ一つの訳語の選び方にとどまらず、文章全体の流れとして、私にとっては、清水訳のほうが、優しく美しくなめらかに感じるのである。
 私は村上春樹の小説が好きで、大いに期待して『ロング・グッドバイ』を読んだのだが、期待しすぎてしまったようだ。
 ただ、50ページに及ぶ<訳者あとがき 準古典小説としての『ロング・グッドバイ』>は、とてもよい。チャンドラー小説への思い入れ、彼の生涯、作品の時代背景など、懇切丁寧である。特に警察組織の解説はありがたかった。これを読んでからもう一回、マーロウものを読み直すと、登場人物についての混乱が収まった。スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』と『ロング・グッドバイ』との比較は圧巻である。また、赤狩りへの言及も重要だ。村上春樹はダシール・ハメットが密告を拒んで投獄されたことに触れている。それは、『ロング・グッドバイ』出版の2年前であり、マーロウが、友達のために留置場に入れられたと複数の人物から称賛されているのは、ハメットへのチャンドラーの思いがこめられているのかと、私は思った。
 猫を愛することは文章を書くことと並んでチャンドラーの「ネイチャー」だったと、村上は書いているが、猫への愛については、清水による『長いお別れ』のあとがきのほうが詳しい。清水も作品への愛や時代背景に触れ、映画化作品を紹介し、異例の長いあとがきとなったと述べているのがおもしろい。

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ロング・グッドバイ

2010/12/21 20:22

文句なしの名作であることは、間違いがないのです

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る

 村上春樹訳の「長いお別れ」
 
 私立探偵フィリップ・マーロウは、一人の男と出会う。男をめぐる謎と、その別れ。

 ハードボイルドというと、なぜかハンフリー・ボガードの顔が浮かぶのである。で、その印象とは全く違うマーロウ像に戸惑いつつ、結局のところひきこまれる。
 確かに、物語はハードボイルドなんだろうけど、卵っていうより、もっと無機質なものを感じた。
 というのは、ようするにマーロウを描いているようで、実際にはテリー・レックスという不器用で純粋な男を描いているからなのだろう。直接その像を見るのではなく、投影された影を見るように。
 影は、無機質なものだ。

 そして、とても情緒的で詩的な文章が、いやおうなしに切なくさせてくる。

 やっぱり、名作なんだなと実感した。

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さよなら、愛しい人

2011/10/05 21:15

クールな詩情を堪能する

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る


 マーロウは、出所したばかりの男が、殺人をおかすところに出くわしてしまう。
 警察に、過去を消したい女に、過去にしがみつく女、様々な思惑の混沌の中を、マーロウは答えを見つけるために奔走する。

 にしても、色々やられすぎですよ、マーロウ。
 結構、フルボッコにされてて、若いなぁ、青いなぁと思うのである。
 うん、「ロンググットバイ」に比べると、すごく若い感じなので、ヤバイところに自ら突っ込んでいってフルボッコになってる感じがする。

 と、チャンドラーは詩的だなと思う。
 殺人を犯した男、マロイがかつても恋人を思う描写も、女が自分を縛るものを振り切って逃げだそうとする心情も、いわばエゴであるそういうものが、とてつもなく美しいものに思える。
 まぁ、人間は所詮エゴの生き物なのだけど、それを許容する、昇華してしまえるところが、チャンドラーの魅力なのかもしれない。

 …最近のミステリーは健康志向の人物が多いからなんだろうけど、思わずマーロウに「飲み過ぎ、吸い過ぎ」ってつっこみいれたくなって困ったですよww


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大いなる眠り

2016/03/29 07:20

やれやれ

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽんぽこ仮面 - この投稿者のレビュー一覧を見る

村上春樹作品の原点がここにあると言っても過言ではないでしょう。活き活きとしたキャラクターが大いなる比喩の嵐のなかで活躍してくれて読み応え満点です。

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リトル・シスター

2023/09/22 15:49

饒舌

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

全部で7冊あるマウロウものの長編の5冊目の作品。マウロウは4冊目の「湖中の女」や6冊目の「ロング・グッドバイ」に比べても饒舌で、もしかしたらシリーズで最高に漫談が面白い作品かもしれない。いくつかは声に出して笑ってしまうし、いくつかは気が利いた表現で感心させられる。アメリカン・ジョークは日本人の私には笑うどころか意味が通じないものも多いが、マウロウの呟きはわりに理解できる。日本のお笑いにない表現で、新鮮にも感じる。村上春樹氏の翻訳がうまいせいかもしれない。読みながら、筋はどう展開してもよいから、時間のある限り読み続けたいと思う不思議な作品であった。

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大いなる眠り

2023/06/27 09:19

有名なので期待しすぎました

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る

このタイトルではありませんが、映画チャイナタウンのジャック・ニコルソンの探偵に似ていたような。原亮さんの探偵も良いですよ。

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抑制的なマーロウ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『水底の女』のフィリップ・マーロウは、他作品と比べてやや抑制的な男として描かれている。挑発的な発言やアクションが少なく、女性に対する眼差しも薄い。正確に数えたわけではないが、タバコに火を付ける場面も少ないかもしれない。
 マーロウといえど、エネルギーに満ちた時期とそうでない時期があったに違いない。

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さよなら、愛しい人

2022/12/04 22:49

固茹

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「君に好意をもっているんだよ」
「良い子だ。私の趣味ではないが」
「良い子は気に入らんのか?」、彼は新しい煙草に火をつけた。そして手を振って、その煙を顔の前から払った。
「私はもっと練れた、派手な女が好きだ。卵でいえば固茹で、たっぷりと罪が詰まったタイプが」
「そういう女には尻の毛までむしられるぜ」とランドールはどうでも良さそうに言った。(本書より)

 たっぷりと罪が詰まったタイプ、か。フィリップ・マーロウのセリフは実に格好いいの一言に尽きるよ。

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ロング・グッドバイ

2022/11/12 11:26

本物の生きる屍に会う

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公の私立探偵マーロウは周囲の人間をスケルトンのように見ていて、彼らの醜い骸骨姿に唾を吐きかけながら接している。しかし、あるときテリーとアイリーンという本物の生きる屍に出会い、強く惹かれていった。
 魂が抜けた空っぽな人間であるテリーとアイリーン。そこに見たものは何だったのか。あとがきで訳者の村上春樹は、マロウがテリーに見出したのはマロウ自身だと指摘しているが、それはマロウ自身が空であることを述べているに等しい。マロウはたまらなく孤独な人間だった。ラストの場面は、再開した友人との触れ合いをも拒んだ。その徹底した孤独ぶりは、胸に深い読後感を残した。

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大いなる眠り

2022/08/31 21:57

チャンドラーの知識ゼロで読み進めた私は

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

レイモンド・チャンドラーの知識ゼロで本書を読み進めた私は、主人公マーロウを追ううちに、その人物像がかつて見た映画の探偵と重なった。当時大学生の娘がレポートを課されていた授業の題材で、私も横からちらちら観ていた映画だった。その探偵は、たばこを常にスパスパと吸っていて呼吸の8割は喫煙している感じで、紫煙を文字通り纏っていた。
 本書読後、その映画を早速探そうと、「映画」「探偵」「たばこ」の言葉でネットで検索した。記憶と重なるのがすぐに出てきた。映画のタイトルは『ロンググッバイ』。この映画の探偵もマーロウと呼ばれていたから、私が本を読んで想像した人物と同じだった。映画のマーロウは想像のマーロウよりやや軽い印象を受けたが、よく再現されていた(俳優さんはエリオット・グールドという人だったのですね)。
 有能、毒舌、独自の正義感、女にもて友情や尊敬を抱く男は一握りだ。松田優作とルパン三世を足して割ったような人物像だが、年代を考えると、彼らのモデルがマロウなのだろう。 
 本書の筋となった事件は少々入り組んだ部分がある。できるだけ丁寧に読んだ方がいい。読み飛ばしや斜め読みはおすすめしない。かと思えば、作者の書き忘れもある。あとがきに訳者の村上春樹氏が紹介したエピソードが面白い(映画化にあたったハワード・ホークスが、原作者チャンドラーに電報を打って「○○の犯人は、いったい誰なのですか?」と尋ねた逸話はあまりにも有名だが「私は知らない」というのが著者の返した電文だった)。読者がいくら丁寧に読んでも報われない部分があるということだ。
 でも、マーロウに惹かれて、読み進めるアクセルをいつのまにか深く踏んでいる感じを味わえる。面白い作品に出会った。

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さよなら、愛しい人

2022/03/08 19:20

ああ、好き

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初のムース・マロイの事件からどんどん離れていっているようで・・・。
このもって行き方かと納得。
遠回りにも危険が付きまといすぎて、マーロウ氏にはハラハラさせられっぱなし。
でもそこも好き。

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さよなら、愛しい人

2021/12/07 06:36

いい訳です

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽんぽこ仮面 - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前のも悪くはなかったけどさすが村上さんの訳は引っかかるところがなく物語の世界に没入できます。邦題もこっちのほうがいいです。胸が熱くなる一冊です。

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大いなる眠り

2021/11/22 19:23

マーロウ氏の

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る

マーロウ氏の初登場というわけで、かなりワクワクしながら読みました。
最初からクールでタフだったんですね!
こんなに頭が回ると、知らなくていいことまで知ってしまいそうで、生きづらい?

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2021/11/20 19:14

やっぱり

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る

やっぱり、マーロウ氏はとても素敵ですね。
タフでクールだけど、とてもやさしいんですもの。
大切な人と幸せになってもらいたいなぁ。

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ロング・グッドバイ

2021/10/01 10:46

名作間違いなし

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投稿者:apple2 - この投稿者のレビュー一覧を見る

とても大好きな本で、名作間違いなしです。
時々読み返したくなります。
もともと『長いお別れ』が好きだったので、春樹さん訳が出版された時点で即購入しました。

どちらが好きと比べるのも非常におこがましいのですが、5.5:4.5位の割合でこちらが好みです。
ハードボイルドを堪能するのなら、だんぜん『長いお別れ』のほう。
古さの表現は時代背景がイメージしやすいので気にならないのですが、概略して変えているのでは…。
と思われるところもあります。

反面、こちらは丁寧でわかりやすく、直訳に近いのでは…。
という予想です。英語が分からないので、あくまで個人的予想にすぎませんが。
そのぶん、ハードが若干ソフトに感じられる部分があります。

先に『長いお別れ』を読んでいたからこそ、よりハードさを感じられるのだと思います。
と思うと、やっぱり両方読んでいてよかった!
願いが叶って、翻訳のコンニャクを手に入れたら、是非原作で読んでみたい本の1冊。

最近は気軽に読めるライトミステリを読むことが多いのですが、オマージュとしてもよく使われている作品です。

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