はだしのゲン みんなのレビュー
- 著者:中沢 啓治
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
はだしのゲン 第1巻 青麦ゲン登場の巻
2022/10/28 18:00
原爆が落とされるまで
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
『はだしのゲン』第一巻は、主人公・中岡元の家族の戦中から広島に原爆が落とされるまでのことが描かれています。
「戦争反対」を公言し、目を付けられていた元の父親の発言は、現代から見れば至極まっとうだが、当時は世間から「非国民だ」と白い目で見られ、ひどい目に遭います。息子(元の兄のひとり)が「非国民」でないことを証明しようと、海軍へ志願することになるのが切ないです。
世間というものが、いかに全体主義に染まっていったか。そこから抜け出すことがどれほど(そんなにも)困難だったのか。軍という組織がいかに理不尽なものだったか・・・そうした実情が伝わってきます。
そして、8月6日を迎えます。原爆は、まっとうな人もいじわるな人も関係なく、命を奪います。
2017/02/19 17:33
今もやっぱり名作
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mai - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の頃に読んだきりで、すごい話だったという記憶しかありませんでした。大人になり改めて読んでも、やっぱりすごいという印象です。圧倒されます。戦争経験者が少なくなった今、若い人に伝えていくには漫画が一番取っつきやすいと思うので、たくさんの子供たちに読んでほしいです。
はだしのゲン 第9巻
2022/11/04 17:52
前を向くとは何か考えさせる
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
平和都市建設法ができ、平和都市として広島の復興が進む中、ゲンの住まいも立ち退きになってしまう。必死で抵抗するゲンたちだが・・・。復興するとは被爆の痕跡を消すことなのだろうか、前を向くとはどういうことなのだろうか、と考えさせられる。
夏江もついに亡くなる。原爆被害は続いている。
朝鮮戦争でトルーマンが核使用を示唆するといった時代状況もうつしながら、当時の広島の空気、人々の本音が描かれていて、興味深い。
はだしのゲン 第7巻
2022/11/04 17:37
一発の原爆がいつまでも苦しめる・・・
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
7巻で描かれているのは、朝鮮戦争前夜。じいさんの原爆の本は出版にこぎ着けたが、じいさんもゲンのお母さんも、原爆症で亡くなってしまう。一発の原爆がたくさんの人を長く苦しめる非人道性が描かれている。
敗戦で平和が訪れたはずが、朝鮮戦争が迫り、占領下で再び言論統制が強まっていく理不尽さも、ゲンたちの目を通してよく分かる。
2022/11/01 15:58
占領期に突入
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本が敗戦し、占領軍がやって来ます。原爆を投下した憎きアメリカ。
物資がない中で懸命に生きるゲンの姿を描きます。
全てを奪われ、痛みも悲しみも憎しみの消えない人々が多くいる中で、原爆に遭っていない人たちとの間には溝も…。そして原爆から2年後の1947年には、お祭りのような平和祭が開かれます。「復興」という言葉とともに、無理矢理前を向かされる人たち。
どこか、福島のその後と重なり、胸が痛くなります。
はだしのゲン 第3巻
2022/10/28 18:12
この巻で8月15日
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
被爆直後の惨状から何とか命をつなぐゲンと母親と赤ちゃん(友子)を待っていたのは、さらに過酷な生活。原爆は、その瞬間だけでなく、そこからさらに生き残った人たちを苦しめていくのだと痛感させられる。
肉体的な痛みを及ぼしただけでなく、大破壊の後に、人間の汚さまで噴出させられるようだ。
「だけどかあさんは日本人のいやらしさをつくづく思い知ったよ」「よわいものをみるとようしゃなくいためつけるいやらしさを…ね」
なんて漏らすお母さんの言葉に胸が詰まる。
この巻の後半で8月15日。最後に少し希望も見えるが、ここからも茨の道が続くのだろう。原爆がもたらしたものの大きさを考えさせる。
はだしのゲン 第2巻
2022/10/26 16:27
被爆当日から直後のヒロシマ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
第2巻では、広島に原爆が投下されたその日から、しばらく後(おそらく8月中)までの惨状が、ゲンの目を通して描かれている。
父と姉、弟の進次を炎の中に残して命からがら母と逃げたゲンが、この世の地獄を目の当たりにしながら、一歩を踏み出す巻といえよう。人間が人間として死にことさえ許されない原爆の非人道性に加え、生き残った人たちがさいなまれる罪悪感や悲しみ、差別、食べものを巡る醜い争いなど、人間の汚さが噴出するさまは読んでいて恐ろしくなる。しかし、これが現実なのだ。
戦争を始めたのも人間、原爆を落としたのも人間。人間の罪深さがまざまざと伝わる。
これからも読み継がれるべき漫画だと思う。
2021/08/22 16:20
一気読み
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
コロナ禍(下)の夏休み、10巻まで一気読み。これで第一部完結。第2部は未完におわったようですが、中沢さんの作家人生そののものが、第2部ということなのでしょう。
やはり読み継がれるべき作品であることを再認識。
はだしのゲン 第10巻
2022/11/04 18:02
時は流れても
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
10巻で描かれるのは1953年。ゲンは中学を卒業する。
ゲンや周りの人たちそれぞれのその後が描かれる。ゲンの初恋と死別、絵描きのおじさんと出会い、絵を学ぶ。看板屋に就職するが、順風満帆とはいかない。ムスビは薬漬けに・・・。
原爆さえなければ、という被爆者たちの訴えが、分かる気がする。
どこまでも追いかけてくる原爆の非人道性を、理屈ではなく、心に響かせてくれる作品。いつまでも読み継がれてほしい。
はだしのゲン 第8巻
2022/11/04 17:41
朝鮮戦争下のヒロシマ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
1950年、ゲンは中学一年生に。慕っていた先生がレッドパージで職を追われるなど、この時代の空気を描く。
朝鮮戦争で反戦運動が高まる一方で、先の戦争の反省もないまま特需でもうける輩もいる。みんなあんなつらい目に遭ったはずなのに、5年でこんなにも忘却や変身は進むのだ。
ゲンの兄二人はそれぞれ東京と大阪へ。13才のゲンは一人になる。自立の時だ。
はだしのゲン 第6巻
2022/11/04 17:27
さらに続く苦しみ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後3年を過ぎても続く広島の人たちの苦しみが描かれている。まだまだ被害者たちの心身の傷は深く、癒えない一方で、ちまたでは復興や忘却も進んでいく。再軍備の気配も。ゲンはアメリカへの憎しみを忘れていない。じいさんが原爆のことを書いた本をなんとか出版しようと奔走する。
あんな目に遭わされて、すぐに平和とか復興とか言われても、そこについていけない人たちはたくさんいただろうと、あらためて思った。
はだしのゲン 第5巻
2022/11/04 17:19
まだ戦争はおわっとらんぞ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台は昭和22~23年の広島。ゲンは、顔に大やけどを負った勝子や生き別れていた隆太と再会する。掘り出されるガイコツ、生きる糧を求め、ヤクザに鉄砲玉にされる原爆孤児たち。1947年12月の天皇広島訪問なども描かれている。
敗戦から2年以上たっても、生々しく残る傷跡。さらにゲンのお母さんは病床に伏す。
占領軍は、被爆者たちをモルモットのように扱い・・・
ゲンの「まだ戦争はおわっとらんぞ」「わすれるなわすれるな」との言葉に胸が詰まる。
2021/08/22 15:56
ゲンの自立と成長
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
だんだんとストーリーはゲンや兄、そして仲間たちの自立と成長にむかってすすんでいく。しかし、原爆と戦争のもたらした負の遺産は、彼らの可能性をうばっていく。にもかかわらず、前向きに進んでいくゲンたち。
私の父や母は、ゲンより少し下の世代で戦中生まれ。両親も戦後の貧しい時代のなかで成長してきたのだ。いまのうちに少しでも話を聞いておかねば。
2021/08/22 15:45
逆コースのはじまり
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもの頃に読んだはずだが、この巻あたりになるとさっぱりストーリーは覚えていない。レッドパージに、朝鮮戦争、カープの樽募金。時代が再び逆コースに突入する中、ヒバクシャの苦悩は続いてゆく。
2021/08/22 15:42
日本人の朝鮮人認識
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年、NHKが被爆75周年企画のTwitterで流した、「朝鮮人」のコメントが、論議を呼んだことは記憶に新しいが、はだしのゲンにも、重要な登場人物として朴さんが登場する。朴さんの存在は、ゲンのスト-リーに厚みを持たせているが、戦争が終わって76年。ゲンの出版から40数年。日本人の朝鮮人認識は、果たしてどれだけ前進したのか。。。