サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

ブックオフ宅本便ポイント増量キャンペーン ~4/15

「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。

電子書籍化お知らせメール

商品が電子書籍化すると、メールでお知らせする機能です。
「メールを登録する」ボタンを押して登録完了です。
キャンセルをご希望の場合は、同じ場所から「メール登録を解除する」を押してください。

電子書籍化したら知らせてほしい

  • みんなの評価 5つ星のうち 4.4 754件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:小学生 中学生 一般
  • 発売日:1982/11/16
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波文庫
  • サイズ:15cm/339p
  • 利用対象:小学生 中学生 一般
  • ISBN:4-00-331581-2
文庫

紙の本

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

著者 吉野 源三郎 (著)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

税込 1,067 9pt

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

このセットに含まれる商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

あわせて読みたい本

この商品に興味のある人は、こんな商品にも興味があります。

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

著者/著名人のレビュー

1981年5月23日...

ジュンク堂

1981年5月23日は編集者であり戦前を代表するリベラルな哲学者だった
吉野源三郎の命日です。その代表的な著書がこの本です。

父を亡くした中学生のコペル君に、その叔父さんは生きていく上で
大事なことを語りかけます。
例えば、叔父さんはニュートンがりんごの落下を見て万有引力の法則を
思いつくというプロセスをひとつひとつ分解して、考えるとは
どういうことかをコペル君に語ります。

「…あたりまえのことというのが曲者なんだよ。わかり切ったことのように考え、
それで通っていることをどこまでも追っかけて考えてゆくと、
もうわかり切ったことだなんて、言ってられないようなことにぶつかるんだね…」

叔父さんの話を受け止めてコペル君は自分の頭で考え、成長していきます。
社会の中で生きるひとりの大人となるために。
1937年の初版から、今なお多くの人に読み継がれる名著。
こどもの頃に読んだ人も、大人になってからもう一度読み返すと
新しい発見があるに違いありません。

【折々のHON 2010年5月23日の1冊】

書店員レビュー

ジュンク堂書店那覇店

 この本は、父親を亡...

ジュンク堂書店那覇店さん

 この本は、父親を亡くした中学生の、精神的成長を書いた物語です。
 中学生と言う多感な時期に、学校のことや、友達のこと、世の中のことで考え、悩む主人公コルぺ君に、父親代わりである叔父さんが、人生どのように生きるべきかを伝えていきます。コルぺ君は、いろいろな経験をとおして、大人になっていきます。
 1928年に発行され、今も読み継がれる名著です。大人になった今読んで見ても、何か想うことがある一冊だと思います。
 

みんなのレビュー754件

みんなの評価4.4

評価内訳

紙の本

個人的にはつらい本であること

2008/05/20 22:12

35人中、27人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本には辛い思い出がある。

 高校時代の友人が 三年生の時に血液の病気で倒れた。かなりの日数を休みながらも なんとか卒業には漕ぎ着けた。卒業したものの 具合は一進一退で 自宅で養生しながら 大学受験を目指す日々が続いていた。

 そんな彼に 送った本が 本書である。

 彼は結局卒業した年の9月にこの世を去った。

 お葬式の際に 彼の母親と話をする機会があった。彼は最後は目を動かすと眼底出血をするので 本を読む際にも 本を動かして読んでいたという。そんな 最後の読書の一冊に本書があったという。

 目に負担をかけるようなものを贈ったことに自責の念が駆られたし また この本の題名の残酷さに気がついたのも その時だった。
 彼が最後に「生きたいけれど 辛いからもういいや」と母親に話したという。そんな彼の傍らに かような題名の本があったとしたら そんな皮肉は無いのではないか。

 それが25年経った今でも僕には辛いのだ。それ以来 この本を読む機会は無い。読む気がしない。面白い本だったのだが。

 いつか もう一度読む日は来ると思っている。彼と再会する日がいつか来たとしたら その時に この本の話になるかもしれないから。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

生き方に迷ったとき、きっと、大切なことを教えてくれます。

2005/04/17 14:28

16人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ブランドン - この投稿者のレビュー一覧を見る

もし子供ができて中学生になったら、薦めてあげたいなぁと思う本。
で、私も後でこっそり読もう♪みたいな。
物語形式で、主人公は中学生のコペル君。彼の成長にあわせて
叔父さんが語りかける文章です。
子育て関係の本でもそうですが、子供への語りかけには、
物の本質や考え方の真理が、「ハッ(゜Д゜)」とするくらい
簡単な説明であらわれます。
いわれるとそうなんだけど、そういわれるまで全然気づかない(笑)。
人間の弱さ、大切さ、過ちとは、悩みとは。
そんな普段の生活では、考えることをやめてしまう重めのテーマを、
叔父さんのやわらかい例え話の中に、スッと考えさせてくれる。
すごく読みやすいけど、けっして子供っぽくない。
哲学書です!
書かれた時代がちょっと古いので、
言葉遣いは、逆に新鮮なはず!
他の本の書評はこちらです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

社会科学的認識に支えられた倫理・モラルを

2002/12/12 15:18

12人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Helena - この投稿者のレビュー一覧を見る

 満州事変と同じ年に刊行されたこの本は、もはや「古典」。70年以上前に書かれたにもかかわらず、古くささを全く感じさせない。読むのは何度目かだが、やはり、名著だと思う。
 
 『日本少国民』の最後の配本であった本書は、シリーズの中の位置づけとしては、「倫理」がテーマだったらしい。
 もちろん内容は、倫理やモラルというものを正面から扱っている。が、その質が、社会科学的認識に支えられた倫理・モラルであるという点に、私は魅力を感じる。
 
 巻末の丸山真男の「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」でも、この点に触れられている。そして、「戦後「修身」が「社会科」に統合されたことの、本当の意味が見事にこの『少国民文庫』の一冊のなかに先取りされているからです」[325頁]と述べられている。
 
 すでに、高校においては「社会科」が解体され、ちょっと古いけれど、『国民の道徳』が非常に売れたというここ数年の動き。もう一度、戦後、「修身」が「社会科」に統合されたことの意味を問い直してほしい。そして、改めて、社会科学的な認識に基づいた倫理・モラル・道徳観を確立していくことを考えていかなくてはならないと思う。

 『君たちはどう生きるか』は、まさに今、もう一度読み返されなければならない「古典」だ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

自分で考える力

2017/11/03 17:58

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

良書が埋もれてしまうということが多々ありこの作品もその一つ。愚作が氾濫する中、何かに取り上げられなければ忘れてしまうのは残念だ。哲学的なことがわかりやすく日常の出来事から心に染み入るように感じられるこの本は名作だ。発表された時代は背景も感じられる一方、いくら時代が進んでも普遍的な道徳心というものがあるものだ。若いうちに出会っておきたい逸品である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

「普遍的」とはこういうことか

2011/11/04 08:23

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る

まだ読んでいなかったことが珍しいくらいの名著は、1930年代に書かれたものとは思えないほど、刺激的でした。多感な時期(中学から高校)を迎え、社会との接触が多くなりはじめる時期に遭遇する「事件」それに伴う「悩み」、 おじさんから「深い」アドバイスを得て、それを糧に成長する姿...
もちろん今の自分は、おじさん=アドバイスをする側の年齢(あ、それを優に超えているわ...)、立場であり、本来の本書は「若者」に向けてのメッセージであろうとは思う。その点からいえば、年長者として、『おじさん』のように、深みのある、相手に考えさせるような、或いは、数年後、成人した後になって意味がわかってくるような、そんなアドバイスができているのか?という(強い)疑念が生じる。単純な「その場」のアドバイスはできていても、「未来のため」の話はできているのだろうか。確かに職場という場面においては「その場」のケースが多いのだけれども、家庭(親から子へ)と同様に、「未来」という点も必要であろうと思う。イメージとして「職人」のフィールドに近いのかもしれないけれども、必要なことだよね。
あまりにもこの本を読むのが遅くなりすぎたので、そういう「大人」になりきれているのか、という(本書の直接的なメッセージとは異なる)ところに視点が行きつつあったが、途中から、主人公たる「少年」の立場に移転していった。すなわち、おじさんのアドバイスを「聞く」側にアタマが寄ってきてしまった。過ちとそれに縛られる苦悩、いろいろな(自らとは異なる)環境にある友人とのつながり、生命の尊さと力強さ、人間とは生きるとは何かという概念、少年時代に初めて触れる社会の中で戸惑いながら、左右に揺れながらも、周りの人の支えを感じながら、目はまっすぐに前を見据える。そんな姿勢は、考えてみれば、少年時代特有のものではない。大人になっても、もっと大人になっても、そんなことに当たってしまうことは多々あるのだ。その時に感じることも、本書に出てくる少年と同じ、周りの人たちの支えだったり、挫折から得られる力強さだったり、するわけで。
本書の少年のごとく、おじさんからメッセージを素直に受け入れていこうと思った。「成長」のシロは、確かに少ないけれど、まだ「終わり」ではない、はず。だから「少年」のように、前を向いて進んで行こう、って思う。早く読めばよかったと思いつつも、今読んだからよかった、とも思う。名著って、普遍的だ。

【ことば】君は、毎日の生活に必要な品物ということから考えると...なに一つ生産していない。しかし、自分では気づかないうちに、ほかの点で、ある大きなものを、日々生み出しているのだ...誰でも、一生のうちに必ずこの答えを見つけなくてはならない...


この世に生を受けた人間として、どのような価値を生み出していくのか。何を誰にどんなふうに。もう生み出されているのかもしれないし、これからなのかもしれない。この答えを見つけるまでは、前に進んでいかなくてはならない、ね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

甥のコペル君におじさんが哲学的内容を教示するというものです

2018/08/01 14:26

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る

これは2017年に漫画版がベストセラーになった。内容は、甥のコペル君(このあだ名もこの本の内容を大きく暗示している)におじさんが哲学的内容を教示するというものです。コペル君は中学一年生なので、それくらいの年齢でもわかるように書かれている。ただしコペル君はかなり聡明な中学生ですが。この本は戦前に書かれたらしいが、その時期にこのような素晴らしい本が出版されていたことは驚きだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

時代を超えて問われる問題

2018/05/27 11:11

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヒトコ - この投稿者のレビュー一覧を見る

書店平積みを横目で見て、タイトルのストレートさで手に取る気になれなかったが、「別冊100分 de 名著」池上さんの解説で興味を持って読んでみた。
アドラー関連本や、「本当の大人になるための心理学」と一脈通じる所がある。80年前の児童書だが、今大人にも読まれる理由が解る。

父親を早くに喪った主人公の旧制中学生コペル君と、その成長を見守る若いのに見識が高い叔父さんとの交流という形式で、コペル君の周りで起こる出来事とそれに対する思いや悩みが語られる。コペル君、そして読者の君たちは、どうしたいと判断して、どう生きるのか、と問いかけられる。
中高生のお子さんのいる方、親子で読んでみるのもいいかも。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

中学生以上の子たちへ

2016/12/13 01:08

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サエラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

私はこの本を高校に入学する前に読んだ。友達の高校が入学前の参考図書として紹介していた物で、その繋がりで気になり、読み出した物だった。
これは少年とその友達、父親との何気ない日常の中で見つけるかけがえのないものが描かれている。普段の生活と照らし合わせて読んでほしい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

名作

2022/07/31 22:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひーたん - この投稿者のレビュー一覧を見る

表現の自由が制限されていた時代に出版された一冊。
80年前に作られた物語の形をとった人生訓だが、令和の時代でも充分伝わる名作。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

途中ですが

2020/12/23 18:23

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:MR1110 - この投稿者のレビュー一覧を見る

息子の為に購入しましたが、全く響かなかったので自分で読むことに。元々気になっていた本書。まだ半分くらいしか読めていませんが、大人でも大変ためになると思いました。既に人生折り返しているくらいの年齢ですが、、日々大切に生きていかなくてはと思わされる一冊です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

吉野源三郎氏の児童文学という形をとった教養教育の古典です!

2020/04/29 10:24

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、昭和を代表する進歩的知識人であり、児童文学者としても知られる吉野源三郎氏による書で、児童文学という形をとった教養教育の古典としても知られる書です。同書の内容は次のようです。旧制中学2年(15歳)の主人公であるコペル君こと本田潤一は、学業優秀でスポーツも卒なくこなし、いたずらが過ぎるために級長にこそなれないがある程度の人望はあります。父親は亡くなるまで銀行の重役で、家には女中とばあやがいました。同級生には実業家や大学教授、医者の息子が多く、クラスの話題はスキー場や映画館、銀座や避暑地にも及ぶものでした。コペル君は友人たちと学校生活を送る中で、さまざまな出来事を経験し、観察していきます。そして、各章のあとに続いて、その日の話を聞いた叔父さんがコペル君に書いたノートという体裁で、「ものの見方」や社会の「構造」、「関係性」といったテーマが語られていきます。ぜひ、この一冊を読んでみてください。なかなか示唆に富んだ内容です!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

吉野源三郎と遥かなるバーミアン

2001/09/19 19:20

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:クォーク - この投稿者のレビュー一覧を見る

 まず、一読して思ったことは、この本はタイトルで多少のそんをしているのではないかということだ。
 内容は、岩波文庫のカバーの説明にもあるように、「著者がコペル君の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。それは人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージ」が内容の本なのだ。
 それだけだったら小生は購入しなかっただろう。もしかしたら小生はカバーにある、丸山真男の「回想」が付載という謳い文句に誘われたのではと、ふと思ったりした。
 ところが、実際に読んでみると、そんな杓子定規な説明など吹き飛んでしまったのである。第一章の「へんな経験」と題された一文からして、とても美しい叙述が続く。主人公であるコペル君が叔父さんに連れられて銀座のデパートの屋上に立っているシーンが印象的なのだ。
 霧雨の降る昼間、デパートの屋上から雨に濡れる街の情景がキラキラするように描かれると同時に、著者の多角的に情景を眺める視線が効いていて、ちょっと見過ごすことの出来ない著作だと思わざるを得なかった。吉野源三郎氏の文章は柔らかく温かで、タイトルの杓子定規ぶりとは大違いなのである。
 最後の第九章がまた小生には印象的に銘記される文章になってしまった。その章は「水仙の芽とガンダーラの仏像」と題されている。お彼岸の頃ということで話題がお彼岸から自然に仏像がいつ、誰が作ったのかという話になる。叔父さんの答えはギリシャ人が作り出したのだ、というものである。
「仏像がはじめて出来たのも、国からいえばインドさ。だが、インドで作られても、作ったのはインド人じゃなくて、ギリシャ人なんだよ」と叔父さんは続ける。
 つまり、仏教は言うまでもなく仏陀が始められ、アショカ王が広めた教えである。それがやがてヒンズー教に圧倒されていく。が、後年イギリス人の進出で仏教が隆盛していた形跡がガンダーラの地で発見されるのである。仏教彫刻として一番古いものが発見されたのだった。ところが、彫刻の技術としてはギリシャ人なのだが、表情などはインド人のものなのだ。
 叔父さんの結論として、二千年くらいの昔、ギリシャ人たちがやってきた。ギリシャの文化を伝えると同時にインドの文明にも浸っていった。こうした人々によってはじめて仏像というものが世に生まれたというのである。
 つまり元々インド人には仏陀の姿を像に刻む習慣はなかったのである。
 ところでバーミアンというのは今、話題のアフガニスタンにあって、ガンダーラの直近の町といっていいだろう(昨年だったかタリバンによる偶像破壊という大義のもとに、石仏破壊されたことでもバーミアンは有名になった)。
 また、少なくともギリシャ人勢力がかの地に根付くまでは仏陀の姿を示す像は刻まれなかった。しかし、中国や遠く日本に仏教が新しい教えとして伝わる時には、様々な仏教文化と共に、仏様のキラキラしい像が当初は国家鎮護の宗教ではあったが大きな役割を果たしたのに違いない。
 そうした遠い島国へ仏教が伝わる際に、ギリシャ人の影響(アレクサンダー大王の遠征などの影響)が果たした役割が大きいことに、何か遥かな思いが過ぎる。
 日本に伝わる仏教に偶像崇拝的要素がなければ、つまり仏陀など仏様の姿を像に刻むという要素がなければ、今日の隆盛に繋がったかどうか。その前に日本に伝わることさえなかったのかもしれない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

君たちはどう生きるか

2017/12/29 17:31

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る

コペル君に、真の意味で立派な人に育ってほしいと願う叔父さんの思いがよく伝わる本であり、その思いを通して人はどう生きるべきかを考えさせられる本である。この本が書かれた時代はずいぶんと前のことである。しかし、その時代に問題となっていたことが回り回って2017年の今、現実味を帯びた問題になっている気がする。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

悩める思春期の人生の参考書

2013/01/13 18:38

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:結子*uco* - この投稿者のレビュー一覧を見る

とても良い本。

中学2年生くらいから読めば人生でつまずいて、誰にも言えないような、誰でも経験するような出来事の意味…みたいな
人生の参考書になると思います。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

話題となった道徳書

2021/12/12 07:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る

戦前に少年向け道徳書として刊行。盧溝橋事件が勃発し、軍国主義へと向かっていった時代。著者のアバターであろう叔父が旧制中学1年(12歳)のコペル君に生き方を説く体裁。自己の良心に従うことを説き、経済状況等による貴賤なしとする内容は現代でも変わらぬ価値観だし、特に上級生の横暴を傍観し悔やむコペル君に、母親が自身の経験を踏まえて語るくだりは圧巻。だが時流に流されず自己を貫き通すは言うが易きでもある。そんな著者が、戦後は所謂・進歩的文化人として現実を見失うのは皮肉。だが、それとても著作の価値を損ねるものでは無い。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。