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盲人独笑 | 7−31 | |
---|---|---|
清貧譚 | 33−52 | |
新釈諸国噺 |
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紙の本
太宰を読んで笑おう
2001/06/22 05:29
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
太宰はおもしろい、と言うとファンには顰蹙を買うかもしれませんが、この本でもわかる通りそれはれっきとした事実。日本の昔話のパロディ集ですが、いつにも増してユーモアが前面に出ているため、読んでいて思わず吹き出してしまったり。太宰が苦手な人にこそ一読をおすすめします。
紙の本
惚れたが悪いか
2019/04/17 17:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
70年ぶりに完全原稿387枚が発見されて話題になっている、太宰治の中期の中編小説である。
387枚もあって中編小説かと思われるむきもあろうが、これは200字原稿の枚数のこと。
刊行されたのは昭和20年10月、終戦後間もなくである。
翌21年2月には再版も発行されたというから、終戦後の混乱期であっても人は文学を求めていたのだろう。
太宰はこの原稿を持ちながら空襲の戦火を逃げたといわれている。
タイトルのとおり、ここには昔ながらの昔話が4編収められている。
「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」。
誰もが知っている昔話だが、そこは太宰、防空壕の中で子供に読んで聞かせる景ではあるが、「その胸中には、またおのずから別個の物語がうんじょうせられている」趣向になっている。
中でも評判高いのが「カチカチ山」。
お話でおじいさんおばあさんを助けるウサギは少女、一方の悪い狸はその兎を恋する中年の醜男。
そんな風に見立てられると、もう子供に読んできかす昔話ではなくなるが、読者は拍手喝采。
そして、決めたセリフが、「惚れたが悪いか」。
こんな小説を戦火に逃げまどいながらも書いていたというのだから、太宰はさすが、並みの道化ものではない。
そして、「浦島さん」に至っては、書いてかいて書きまくった作品で、書かずにおれない心情がほとばしっているような出来である。
太宰治ほど平和の時間を望んだ作家はいなかったかもしれない。
そんな風にも思える作品だ。
紙の本
太宰版昔話
2023/05/30 20:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの作品も太宰らしさが含まれているようで人間くさくておもしろい。「人間失格」などの重い感じが苦手な人にはこちらをオススメしたくなるほど明るい作品が多く、日本一の桃太郎をあえて描かなかった太宰の言い訳が笑えます。
紙の本
ストン。
2021/06/20 01:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひとみん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の昔話ってなかなか救いがないものだなぁって思うよね。でも、何が救いかなんてその人の立場によって違うか。お伽草子の章では太宰がそのお話に対してどう思うかを述べ、スッと本編に入っていく。その様が落語の様だなと思えた。私はその感じがとても好き。
何より、太宰の本人がリラックスできるなぁと思える訪問先は歓迎する側としては歓迎したくない客人である。逆に行きづらいなぁと思う訪問先は、歓迎する側は喜んで歓迎する。という文章が忘れられない。
とても素敵な本だったけど、人間失格を読んでしまうとどうにも他が霞んでしまう。それは仕方ないのかな。
紙の本
太宰治って面白い。
2020/11/30 14:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
防空壕の中で、娘に昔話を読み聞かせ…つつ、勝手に物語を妄想拡大する…話。 登場する昔話は、「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」なのだが、妄想の中でどんどん変わって、パロディ化。ぷぷっと吹き出しながら読んだりします。太宰治って、ユーモアあふれる面白いひとなんだなぁと思える一冊。