電子書籍
軍事的なことは不案内だけれど
2022/04/10 15:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく読みやすくて、わかりやすくて助かります。しかも、すごく興味深い内容ばかりで。残念なタイムリーになりましたが、こういう専門書があって幸運でした。
紙の本
丁寧な説明です
2022/05/12 20:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロシアのウクライナ侵攻後、ロシアの専門家として多くのTV番組に出演され
解りやすい説明と、誠実に違いないお人柄、頭の良さがにじみ出ている方の著書を初めて読みました。
濃い内容ですが、私には少し難しいようでした。
基礎知識のある方にはお勧めです。
紙の本
ロシアの軍事力
2021/06/13 09:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代ロシアの軍事力について、いろいろな角度から分析されていて、よかったです。日本との関係も、興味深かったです。
紙の本
今読むべき本のひとつ
2022/05/28 14:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぷー - この投稿者のレビュー一覧を見る
サントリー学芸賞を受賞しているイズムィコ先生の新書。このタイミングで読まねばいつ読むのだ、と思って購入したが、しばらく寝かせてしまった。
自らを半ば卑下するようにも聞こえる「軍事オタク」と称するその文章は、確かに膨大な情報量をとめどなくアウトプットするオタク的要素も含みながらも、その構成はクリアで明快、読んでいて気持ちいい。著者の語り口そのもののように思える。
ウクライナ侵攻が始まって、早くも3ヶ月が経過した。その背景を手っ取り早く知ることができる良書。
電子書籍
現在のウクライナ戦争下のロシアの軍事思考を知ることが出来る。
2022/05/09 12:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いけたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
どちらかと言うと、2022年5月9日においてはロシア軍の時代遅れさをとらえたものが多いが、この本を読めばその行動は納得出来る。
しかし、実際は概してそのようにならないことのオンパレードだ。
戦術核の使用をちらつかせながら恫喝する行動など、事前に決められた方針に則っており、追い詰められているという様には思えなくなった。
ただ、初期の軍事行動はまさにクリミア半島制圧通りの行動であった様に思われ、裏をかかれて失敗した様に思われる。
その失敗に鑑み、長期化はロシアの方針通りの行動だがいかにこれを挫折させるかが平和に至るプロセスなのだろうと思った。
電子書籍
ロシア
2021/06/21 16:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村 - この投稿者のレビュー一覧を見る
プーチンの戦略性には、日本人では、太刀打ち出来無いかも?
と思いました!
電子書籍
今こそ……
2022/03/16 02:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイムリーな内容で、現代のロシアのこと、プーチンの本性など詳細に書かれています。しかし、これが、ロシアの実体であり、プーチンがそうならば、日本はとてもとても……。北方領土なんてとんでもない……ってことに……
投稿元:
レビューを見る
「軍事」とでも言えば、火器や車輛、艦船、航空機というようなモノを好む好事家が関心を向ける分野とか、平和に反するとか、何か「ネガティブなイメージ?」なのかもしれない。が、「“国益”を叶える」ということの「数多在る“手段”の一つ」という観方も在り得るのが「軍事」だ。巨大な戦力を誇ったソ連軍の後裔たるロシア軍や、ロシア軍を動かすロシアの政府ということに関して、近年の動向等を詳しく説く本書は非常に興味深い。
比較的近年の問題意識ということになると見受けられるが、「“国益”を叶える」ということの「数多在る“手段”の一つ」ということで「ハイブリッド戦争」というような概念が説かれている。「ハイブリッド」?これは正規の軍隊、非正規の戦力、その他の情報技術や宣伝や心理戦というような何らかの方策や、「可能な限りの様々なモノの混淆=ハイブリッド」によって「“国益”を叶える」というのが「ハイブリッド戦争」の概念だ。
この「ハイブリッド戦争」の概念というモノは、或いは「近年の“軍事”の要素も絡めたロシアの動向」を形容する手段として登場し、説かれて来た一面が在る。そういうような事柄について、近年の“事件”も題材にし、加えて“理論家”とされる軍の高官等が説いている事柄にも眼を向けて解説しているのが本書である。
「ハイブリッド戦争」の概念だが、如何に「平和!!」な国に住んでいるのであっても多分、「憶えておくべき…」なのかもしれない。所謂“サイバー戦”や“情報戦”というのが「ハイブリッド戦争」なるモノの大きな要素となるが、それを効果的に動かすためには、「精鋭部隊による実力行使」も在り得るのだ。実際、長くソ連軍は基幹的な将校や下士官は職業軍人が担って、兵員は徴兵で賄うような具合で大規模部隊を擁するような傾向を帯びていたが、近年は志願兵の職業軍人で賄うより小規模な部隊を各地に配して迅速に展開し、着実に目的を果たすことを目指す傾向になっているようだ。
「軍事」というのは「好事家が関心を向ける分野」ということに留めておいて構わない訳でもない筈だ。本書は「巨大の“ソ連軍”の後裔の今日?」という角度で「今日の“軍事”?」を考える切っ掛けを与えてくれる。広く御薦めしたい一冊だ。
投稿元:
レビューを見る
ロシアが「弱い」ということが意外だった。サイバー空間含めた非軍事手段を含めたハイブリッドな戦略が意識されつつも、軍事手段の重要性は落ちていないという。現下のウクライナ情勢、それから北朝鮮を見るにつけ、自らが非合理的だと相手に思わせる戦略がもっとも合理的ということが現実に即して理解できる。
投稿元:
レビューを見る
メモ
経済、科学技術、軍事でもはや米国と並ぶ超大国ではなくなったロシアが2014のウクライナ、2015のシリアなど攻勢をしかけ、成果を収めたのは何故なのか? そこには古典的な軍事力の指標「ミリタリーバランス」では測りきれない要素が働いているのではないか? それを様々な角度から検証した。出版が2021年5月。そこまでの時点でのロシアの「領土」への考え方が示される。
2014のウクライナ介入では、劣勢にみえたロシアの軍事力が見直された。特殊部隊、民兵の動員、人々の認識を操作する情報戦、電磁波領域やサイバー空間での「戦闘」、これらでクリミアを瞬く間に併合した。
ロシアが暴力の行使=軍事的闘争に訴えずに政治的目標を達成するという思想は1990年代に浮上し、2010年代は西側との「永続戦争」という文脈で大きな地位を占めるようになった。
だが、実際の軍事戦略においては依然として軍事的手段は後退したとはいえない。・・ドンパチである。
<「状況」を作りだすための軍事力>
○2014のクリミアやドンバスにおいて軍事力が作りだした「状況」はウクライナを紛争国家化することだった
○ウクライナを征服して完全に「勢力圏」に組み込むのではなく、同国が西側の一部となってしまわないように(NATOやEUに加盟できないように)しておけばよかった。
○「勝たないように戦う」ことがウクライナにおけるロシア軍の任務だといえる。
ロシアの軍事演習からみると、ロシアの想定している様々な戦争の形態は、最終的には大国との軍事紛争である。イスラム過激派や非合法武装勢力の背後にはそれらを「手先」として操る大国が存在し、最終的には核兵器の使用にもつながりかねない、というのが現在のロシアの戦争観である。
しかし正面戦力ではロシアは劣勢なのである。まずは「損害限定」戦略。これでも劣勢を補えないと「エスカレーション抑止」に訴える。限定的な核攻撃や「警告射撃」で戦闘停止を強要したり、第三者の参戦を思いとどまらせる。
●まとめると、ロシアの軍事戦略はクラウゼヴィッツ的な戦争をそのコアとしつつ、非クラウゼヴィッツ的なそれにも備えた「ハイブリッドな戦争」戦略である。
・クラウゼヴィッツ:プロイセンの軍事学者(1780-1831)「戦争とは他を以ってする政治の延長である」「戦争の本質は単なる『強制力』ではなく、物理的な破戒をもたらす『暴力』である」
・国に直属した軍隊が一番強い。上の命令が下まで届くし、それを守る。民兵や軍事会社はそれぞれ個人の思惑や思想があるので、まとまらない。
・ドローン兵器など新しい兵器が出てきて戦い方は変化するが、さらにそれを阻害する兵器や方法が考え出される。
・・テレビでは分かりやすい解説の小泉氏。兵器や軍事、ちょっと難しかった。
2021.5.10第1刷 2022.3.30第5刷 購入
投稿元:
レビューを見る
ロシア政府・ロシア軍が自国をどう認識しているか、それによりどういう戦い方をするべきと考えているか、とてもよくわかった。
軍備・兵力的に劣勢の状況で、非軍事手段に注力しつつ、主力をどこにしているか、重要人物の発言から丁寧に読み解いている。
組織や兵器の話は、筆者が相当好きな分野だと思われ、充実している。が、私はついていけず振り落とされた。
組織や兵器の説明について図や表が少なく、「これなんだっけ」とか「これとこれの関連はどうだっけ」と思うことが結構あり、理解が難しい。好きな人はすらすら頭に入ってくるのかもしれないが、素人の私には辛い。
投稿元:
レビューを見る
現代ロシアの防衛戦略、軍事力の解説書。そしてロシア政治の考え方、ロシアの思惑等が良くわかる本。ウクライナ侵攻以前の著作であるが、ウクライナ侵攻に至ってしまう思考も分かる気がした。
どうしてロシアが他国に侵攻するのか理解できないという人は、本書を読んでロシアの価値観、考え方に触れることがお薦めである。
投稿元:
レビューを見る
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、報道番組でよく見るようになった小泉悠さんの著作ということで読んでみました。
軍事関連書は初めて読むので、最後まで読み切れるか心配だったけど、無事、読了。
(兵器の細かい部分は今ひとつ分からなかったけど。)
旧ソ連時代の冷戦が終わり、ソ連が崩壊して西側諸国と距離感が近づいたと思っていたけど、私の考えは甘かったです。(自身の無知を反省。)
ロシアの想定している敵国が透けて見えて、今のウクライナ情勢を読み解くのにとても良い本でした。
投稿元:
レビューを見る
戦争とは人間同士の意思のせめぎ合い(マクマスター)
サントペテルブルグから150kmにNATOのエストニア国境
バルト海、黒海もNATO加盟国が半数以上
ロシア軍
ドローン2000機
電磁波妨害兵器
サイバー攻撃 兵士の私物スマホへ偽情報 真冬に電力会社へのマルウェア
行政機関やインフラの占領下、政治的に独立や併合が成立
NATO 360度同盟
領域防衛部隊WOT(ポーランド)
サイバー空間作戦指令センター(指令本部内)
欧州ハイブリッド脅威研究拠点(フィンランド)
ハイブリッド戦争
支持を人民から得る。紛争地域化し、勝たないように戦う。
プーチンの恐れるもの
原油価格停滞による経済停滞、西側経済制裁、新型コロナウイルス
シリア紛争への介入「限定行動戦略」
ローテク無誘導弾による空爆が主
GLONASSによる長距離巡航ミサイルや偵察衛星も
旧式爆弾+照準装置のみ最新鋭=ロシア式には精密攻撃
民間の犠牲の残虐性をメディア抑制で覆い隠す
航空宇宙軍指揮による現地統制+特殊作戦部隊+民間軍事会社
アルメニア・アゼルバイジャンの ナゴルノ・カラバフ紛争
ロシアが、脱出を図るアルメニアを支援せず、アゼルバイジャンも勢力圏としたい
トルコが味方に付くことを アゼルバイジャンが読む
停戦と同時にロシア軍が平和維持軍を派遣
NATOとの「第6世代」大規模戦争
PGMによる「非接触戦争」には技術的に不利、
大規模師団を解体、地上部隊の機動性で迎え撃つ +核兵器
インフラに依存する航空機や艦艇はPGMの標的になる
広大な戦域に分散隠蔽され動き回りながらNATOの中枢を打撃しうる長距離PGM
地域紛争や非合法武力勢力の背後に大国
中露
一枚岩の軍事同盟にはならない「協商」へ
ロシアの全面は欧州と中東、中国は台湾から南シナ海 関心領域は重ならない
対衛星攻撃
ロシアの宇宙劣勢
対衛星攻撃用ミよりも 通信妨害、偽電波 レーザー兵器 衛星スパイ衛星
光学式宇宙状況監視SSA タジキスタン
大気園内極超音速兵器
非核弾頭の破壊力の弱さを運動エネルギーでカバーするエスカレーション抑止
従来より低高度で飛行軌道を変化し迎撃されにくい
弱いロシアの大規模戦争戦略
物理空間からサイバー空間まで、核兵器からレーザー兵器まで、
あらゆる手段で敗北を回避しながら戦う
西側との対立=永続戦争
日本が西側にいる限り、安全保障、領土の歩み寄りは期待できない
権威主義的な中国とは同じ価値を認めあえる友好国
「西側の一員」としての立場を固め直す戦略
投稿元:
レビューを見る
上の子(新高2)から借りて読んでみた。イズムィコ先生についてはTwitter上でのおもしろ全裸中年男性としては知ってて、いちおうウクライナ情勢等もあり、とは言うもののこの本自体はウクライナ侵攻以前の刊行。
全面戦争というものが減ってゲリラ戦なりサイバー戦争なりが増えてるってのは何となくイメージあったけど、まとめて文章で読むとおもしろい。