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笑子は、イタリア語の翻訳をしている。
睦月は医者だ。
二人は結婚している。
アル中の妻にホモの夫、そして、夫の愛人、紺くんとの奇妙な生活に周りの友人や家族がオロオロするのだが、二人はお互いを必要としている。
小説は、笑子と睦月の語りが交互に入ってきて、二人の視線と思いが読者にはわかるようになっている。この構成も面白い。
好きという感情と、セックスすることは常にイコールではなく、人と生活する、ということは常に複雑で猥雑だ。その中に、いらだちもあるし、安定もあるし、安らぎもある。いろんなものを抱えて一緒に暮らしているくこと、を改めて考えさせてくれる。
「不安定で、いきあたりばったりで、いつすとんと破綻するかわからない生活、お互いの愛情だけで成り立っている生活」
他人を好きになって、一緒に暮らすこと、は気持ちの良いことなんだ。
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友人に勧められて読みました。
ホモというのは差別用語と聞いていたので、そこだけ違和感。
三角関係だけど、とても透明感があって魅力的な人物像で切なくなりました。映画化されたようなのでそれも見てみようかな。
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笑子の感情の浮き沈みが激し過ぎて、読んでて苦しくなりました。
本当に睦月の事が好きなんだなぁという印象でした。
確かに好きな人から、
「君も恋人を作った方がいい。」
とか言われたり、
昔の恋人をあてがわられたりしたりしたら、気が狂いそうになるよなぁと、睦月もなかなか残酷な事をするなぁと思いました。
笑子は紺が好きな睦月が好きだったのかな…。
独占したくなかったのかなぁ。
ラストも結局元鞘だけど、本当にそれで幸せなのかなと疑問が残りました。
色々な愛の形がある…ってことなのかな?
さらさらに読める文章だったので、あっと言う間に読み終えました。
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生きにくい二人(ホモとアルコール依存)がセックスレスの夫婦となるが,睦月のパートナーの紺も含めて笑子の3人に,不自然ではあるが愛と呼んでいい関係が築かれる.睦月のきれい好きなところがいいなぁ.二人の精子をシャッフルするという突飛な発想,驚きました.
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江國香織さんだなぁ。読んでて落ち着く。透明感があって水のように流れる文章。同性愛者の睦月と鬱病の笑子の結婚生活。変わらずにはいられないとわかっていながらも、いつまでもこのままでいたいと願う2人が切ない。きらきらひかる。
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すごく読みやすくて一気に読んでしまった。
他人から見れば少し不思議に思う関係だけど、
この3人にとってはこの関係のままが幸せなんだろうな。
あと何気ない日常の
ご飯を作って食べたり、お酒を飲んだりする描写があるのが好き。
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不思議なお話。だけどファンタジーのような浮遊感がある訳ではなくに地に着いている。結末もすっきりてしたものではないが、まぁこれでもいいかな、と思える感じ。睦月は笑子とストレートにも多分なれる。それを紺くんが邪魔してるのかな、ともとれるかんじ。笑子がそこまで紺くんを求めるのは、引け目を感じてるのかな、と感じた。自分ではだめだっていう、どうしようもないという諦めと紺に対する負けを感じていてるけど、それを自分は紺と睦月の関係を理解しているっていう立場をとることで誤魔化しているような感じがした。コーラのにおいがするって、、読みやすくて、御伽噺のようで。それでいてどこまでも現実に近い不思議なお話しでした。
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読んでいて少し苦しかった。
いろんな愛の形があるのかもしれないけど、私はラストに納得することができなかった。
しかし、文章は読みやすく一気に読めた。
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本当に魅力的な、正反対の2人。笑子には睦月しかいなかったし、逆もそう。お互いの足りなさを補っている。笑子、彼女は睦月の妻であるからこそ、彼女の魅力は引き出されているのだなと思った。
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JKおススメの本。
「この本みたいに、キラキラ光る感じが好きなんです。」と言われて読んでみる。
ちょっと苦手な江国さん。昔江国さんを読んだ時に、なんかしっくりこずにそれ以来読まずに来た。
冒頭から、???!!!と気になり始め、読むのがワクワク☆
さすが唯川さんが好きなJKがおススメした本。
P15
「あいつを結婚するなんて、水を抱くようなものだろう」
そんな表現する?!何この世界、、、
どうなっていくかが気になりスルスル読む。色々な人間の感情が垣間見れて揺れている様がまた自分の感情を揺さぶる。人を好きになること、自分と対話しながら他人と暮らすってパワーいるけど、でも笑子が生まれて初めて〝守りたい〟と思った空間や関係。何かに向かって前向きにパワーを使う事はできない印象の笑子が、こんなに行動できるのは、〝守りたいもの〟があったから。そう思える人や空間や環境で人ってより人生が豊かになるのだな、と思った。
Floridaオレンジの所が、地味に好き。