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図南の翼 みんなのレビュー

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みんなのレビュー259件

みんなの評価4.7

評価内訳

  • 星 5 (176件)
  • 星 4 (57件)
  • 星 3 (13件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
256 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「誰もならないのならば、私が王になる」

2011/10/15 10:56

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 十二国記は、中華ファンタジーといいますか、黄海を中心に12の国があって、その王をめぐる物語、と
簡単に言えばそうなります。
しかし、十二国記の独特な点は、誰が王になるかです。世襲制でも、選挙制でもないのです。
世界の中心、黄海の蓬山には神と仙人たちがおり、麒麟と呼ばれる一種の仙人がいます。
麒麟は、人間の姿をしていても、その役目は「王となる人を選び、そして国政を担う」ということです。
様々な国の王や麒麟が出てくる中で、この『図南の翼』は、番外編という形になります。

 舞台は恭の国。先王が崩御して27年経っても、「王が選ばれない」
国は治安が乱れ、妖魔という怪物が人々を襲い、国は衰退の一途をたどる。

 王が選ばれないならば、王の志願者が一年に一回、春分の日に黄海の門が開き、蓬山へ登り
王に選ばれようと集まる。しかし、誰が王になるのかは、麒麟次第なのです。
そんな中、恭の豪商の娘、殊晶は、12歳ながら家出して黄海へと向かうのです。

「誰もならないのならば、私が王になる」

 その殊晶が、朱氏と呼ばれる黄海で妖獣を狩る身分は低いけれど、黄海を熟知している頑丘と
いう男を雇い、護衛となり、また利広という青年も一緒になり、3人での黄海の旅が始まります。

 殊晶のような12歳の女の子が王になるなど・・・・誰も相手にしません。
小学生がいきなり総理大臣に、みたいなものですから。
しかし、殊晶はめげない。あきらめない。逃げない。強気です。
生意気な口はきくけれど、殊晶はわがままではない、という微妙な描き方。
この物語の特徴は、殊晶という女の子の「心意気」を子供という枠を超えて描き出すことです。
そして、ひいては人を、そして国を統べるということは、どういうことなのか・・・という様々な難しいことを、
殊晶が黄海の旅を通じて、知り、悩み、怒り、悔しがりながら、または、我慢し、身につけていくか。

 妖魔が跳梁跋扈する黄海に入ると身分の差など関係なく、経験豊かな者が頼りになるのですが、
お互い助け合えばいい、などという殊晶のストレートな正義感からの甘い考えは打ち砕かれます。
大人たちにはそれぞれの葛藤や立場の違いがあって、そうそう殊晶の理想は通用しないのです。
 
 他の物語が、「自分の役割がよくわからなくて戸惑う」といったことが多い中で、異例のヒロインが 殊晶です。
ただの自分勝手なわがままではない、何故、王になろうなんて思えるんだ、にはたかが12歳の 女の子が・・・という声には、「義務だからよっ」と叫ぶ。
誰も、王になんかならなくていい、ただ、自分の立場を守り、保身に走り、身分の格差、貧富の差が
激しくなっても自分だけよければいい・・・と自分の親ですら「尊敬はできない」と言い切る殊晶。

 震災の後、政治不信、不安、国の在り方がひときわ問われている中、この物語の殊晶の
「王になるのは、義務だからよっ」という言葉が、鋭く響きます。
首相が悪い、辞めろ、そうして次の首相、大臣などがまた不満なら、では誰がなればいいのか、そうなると
誰がなっても同じなんじゃないか、というあきらめの気持を吹き飛ばすヒロインが殊晶です。
そこを12歳の女の子にしたことで、まだまだ世間知らずだけれども、だからこそ「王となる基本的な資質」とは何かを
ずっと問い続けている、政治というものへの姿勢を模索しています。

 この十二国記は、設定が大変細かくされていて、色々な言葉や決まりがでてくる、まず 最初の構想が
素晴らしい世界を持っています。
この旅の物語は、その中でも 特にダイナミックで、スリリングで、深いものを持つもので、番外編だけでなく
さらにその後の恭の国の物語も期待しています。

 

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紙の本

この話にでてくる男たちの魅力は、シリーズ中でもトップクラス。驕慢な少女の言動に迷わされずに読めば、楽しめること間違いなし

2006/07/12 22:01

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

《先王が亡くなって二十年、国は乱れ妖魔が跳梁する恭国。首都 連檣の豪商の娘 珠晶は自ら王になることで人々を救うため、蓬山に昇山をしようと向かう》
連檣の豪商の家に生まれ、何不自由なく暮らす12歳の少女 珠晶は、頻繁に妖魔が人を襲うような恭国の現状に我慢ができません。郷に一つある庠学から、郡の上庠へ進学して官吏になり、国に尽くそうと思ってきた彼女ですが、推挙の直前に学長の博老師は妖魔に襲われ、官吏への道は閉ざされてしまいます。少女は周囲の大人たちに、王が選ばれる儀式である昇山を勧めますが、誰ひとり取り合おうとしません。
業を煮やした少女は、自ら王になろうと家を出るのです。彼女の思いに気付かぬ父親に見切りをつけ、家の金を持ち出しての一人旅。途上で出会う騎獣を連れた青年、漸く得ることが出来た宿を横から奪おうとする頑丘。年に四回、黄海への四つ門が開く安闔日には蓬山に着こうと、従者となった頑丘と少女の旅は続きます。
令乾門の前に集まる人々。王に選ばれんとするもの、黄海で騎獣を捕らえようとする狩人。襲いかかる妖魔たち。あくまで自分の流儀を押し通そうとする少女と、自分を守ることこそが王への道であると説く頑丘との不和などを交えながら、人として採るべき道とはなにか、王とはなにか、そこへ至る道はどうあるべきか、を読者に問いかけて生きます。
驕慢な少女を昇山に駆り立てるものは何でしょうか。迫り来る危機を前に露にされる人間の本質といった、十二国記シリーズで繰り返し問われたものが、今回もテーマとなっています。読んでいて珠晶のあまりの驕慢さに不快感を覚えたり、結末には他の選択もあってもよかったのではとも思います。でも、登場する男たちの魅力は、シリーズ中でもトップクラスではないでしょうか。
このシリーズの軸は、陽子が王である慶国の物語ですから、今回は外伝となります。ここにきて、今までも朧に見えていた人脈が見えてきたようです。小野は十二国全てを描くのか、2001年に起きたアメリカでのテロ事件などは今後どのように作品に影を落としていくのか、先が見えない物語だけに楽しみなところです。何度も書きますが、やはり山田章博のイラストが美しいホワイトハート版がベストでしょう。

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紙の本

珠晶十二歳の決断

2002/06/19 15:08

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

恭国の王となるべく、蓬山を目指す少女のお話です。珍しく、1冊で完結しており、時代も古いときの物語なので、十二国記を敬遠していた方にもおすすめ。これより先に、発売順でも、時代順でも前に当たる、『東の海神西の滄海』を読んでいると、ちょっとしたところで、更に本作を楽しめると思います。

供王は、十二国記シリーズの『風の万里黎明の空』の上巻に出ていました。それを読んだところだと、あまりよい印象がありませんでした。その供王が登極するまでのお話が本書だと知って、実はちょっとガッカリしていたわたしです。あの供王の話じゃなあ…なんて思っていたのですが、読んでみたらこれが大間違い! 小さいからと侮れず、言うことは小賢しいけれど、確かに一理ある。間違いを犯すけれど、それに自分で気がつくことが出来、過ちを認め反省できる心がある。彼女の回りの大人たちより、よっぽど珠晶のほうが賢く、やさしく、毅然としている。王気がどう言うものかわからないけれど、そんなわたしでも珠晶にはなにかがあることが感じられた。自分が麒麟なら、確かに珠晶を選ぶと思われた。珠晶のすごいところは、自分の境遇に満足しないところだと思う。自分が豊かなら、他者のことまで考えないのが子供だと思う。大人でさえ、そう言う人がほとんど。それを、珠晶は考え、おかしいと感じ、それを正すことを考え、実行する行動力。本当に、すごい。読んで、自分が恥ずかしくなってしまった。

この作品の魅力は、他にもある。ひょうひょうとした利工の正体は? 麒麟かと思ったけど、髪は金じゃないし、血も厭わないところをみると、麒麟ではありえない。でも、なにか気になるその正体…。また、現れた犬狼真君。その名前を聞いたときは本当に驚いた。嬉しい驚きだった。今までの作品では、麒麟が主人公か、王が主人公でも、麒麟が迎えに来ていたので、王になるべく昇山する人たちの様子はわからなかった。その道中の危険も。それを知ることが出来るという点でも、この本には魅力がある。本当に面白かった。

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紙の本

一番好き

2016/05/20 23:55

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る

十二国記シリーズの中でも私は一番好きな巻。
12歳の少女珠晶が主人公。
年齢は関係ないんだなー。
珠晶かっこいい。

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紙の本

ビルドゥングス・ロマンの王道中の王道

2004/11/14 18:35

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

僕は相当の読書好きだが、これはその体験の中でも珠玉の傑作だと思っています。何度読み返しているか分からないくらい好きです。

後の恭国供王となる12歳の小生意気なお嬢さま珠晶が「萌え」にクリティカルヒットしていること(笑)、騎獣妖魔の生態系や浮民などの差別など十二国記の世界観の描写が細かいことは、SF好きで『闇の左手』など世界観を丸ごと創造する系統が好きな僕にはたまらなかった。なによりもなにがそれほど自分をひきつけるのかは、明確です。これは自らを選良として自覚するビルドゥングス・ロマン(成長物語)だからです。
しかもホワイトハート文庫のライトノベルとして書き下ろされたこの作品は、年齢が高くない層を対象にしていたために、主人公の性格や立場が大人しい高校生の少女や世間知らずの良家の女の子といった間口の広い設定をしている。「そこ」から、あれほどの心理的な葛藤や選良たる為政者の苦悩まで自然にエンターテイメントとして引き上げるのは、お見事!としかいいようがない。下手な啓蒙書や文学よりも、よほど心に与える影響は大きいと思う。王を選ぶ能力を持つ麒麟に会う為に黄海へ行くことを、昇山という。国が存在しない妖魔が住む人外魔境の黄海を旅したものだけが、麒麟と会うことができる。だけど、12年の長きに渡って王が空位の恭国では、王がでないあきらめに満ちていた。王が空位の国では、自然災害と妖魔が蔓延り国が傾く仕組みになっている。そこで、12歳の大金持ちの少女が、自分が王になると昇山という大の大人でも忌避する過酷なたびに一人で家出して挑戦する。ここで大金持ちのお嬢さんである珠晶の持つ倫理観は、現代に最も重要な倫理だと思う。彼女らしいいいかたで「他人が不幸だと、自分が贅沢するのが寝覚めが悪い」といっている。でもこれは重要な倫理だと思いませんか。現代は、「他人はどうでもいい、自分さえよければ」が蔓延している社会です。また文句を言っているだけじゃダメで、どんな言い訳も排して、行動を起こさなければならないという姿勢もかっこいい。子供なりに、大商社の豪商の父が、そのくせたとえ無理でも王に立とうと努力しない姿勢を尊敬できないというセリフも胸に刺さります。その後、黄海での昇山の過程は、「人を支配するとは?」「少数を生かす為に大多数を殺せるのか?」「信頼とは?」などなど、12歳の女の子には過酷過ぎる「試し」が連続します。そしてその全てに彼女なりの答えを出したときに、彼女は王として登極します。ただの世間知らずの女の子が、世界の残虐さと理不尽さを知り、それを引き受ける覚悟を持つに至る成長物語は、物凄く胸をドキドキさせます。考えてみれば、他の作品も構造はそっくりなんですよね。「月の影影の海」「風の万里黎明の空」でおとなしくて人に異論が言えない高校生の少女陽子が、武断の王として慶に君臨するまでを描いた作品も同様で、「ここではないどこかへ逃げてしまいたい」という異世界ファンタジーの原理を利用して、逃げてきた異世界で「王になる=統治する立場に立つ」という最も厳しい心理的葛藤にさらされるというアイロニカルな設定になっています。普通の少年少女マンガで異世界ファンタジーは、「ここではないところ」で、自分の居場所がすぐ手に入り好きな人ができて、という安易な構造になっています。同じファンタジーでも、小野不由美さんは、厳しい発想をする人だなと驚いた覚えがあります。
さすがにアニメの大ヒットや講談社文庫の発売により、ライトノベルというカテゴリーで縛ったり忌避する人は少なかろうとは思いますが、これは傑作です。僕は、B級作品という言葉は嫌いで、全てのジャンルを横断して、「いいもの」と「わるいもの」しかないと思っています。その意味で、この作品は、素晴らしい傑作です。

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少女が立ち上がる

2023/01/01 19:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

国の荒廃を憂えて立ち上がったのは十二歳の少女。気が強くて賢くて生意気、でも若さゆえの世間知らずもあるけど、昇山の間にさまざまなことを学んでいきます。
少女の覚悟や気心が気持ちいい。

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紙の本

「泣く子には逆らえない、って顔に書いてあるわ」

2019/05/16 10:48

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きん☆ぎん☆すなご - この投稿者のレビュー一覧を見る

今度は、昇山のお話。珠晶は、アニメでちょっとだけ登場する、気の強い少女。何も知らない子供が昇山するってことで、大人があれこれ教えてくれるって設定です。子供だけに珠晶が柔軟に考えを変化させていくところが面白いところです。大人ではこうはいかない。

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供王登極の話

2017/09/30 18:15

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投稿者:黄龍 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「恭国を統べるのは、あたししかいない」荒廃した国土に苛立った珠晶の王を目指す過酷な旅と、その成長が描かれます。ちょっと生意気なところもあるけど。「風の万里」にちょっと出てきた珠晶が主役。祥瓊に冷たく対応した理由も今回で納得します。供麒との対面でひったくのは所はちょっとびっくりした。

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紙の本

そんなこと、本当はみんなわかってるんだよねきっと

2001/11/08 23:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:藍桐 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いいことと悪いこと、どう行動することが正義なのか、そんなことはきっと誰にでもわかりきっていること。でも、その正義を貫いたからといって、いいことだけをしたからといって全ての人々が幸せになるわけではないのはどうしてだろう? そういう簡単な疑問に気付かせてくれるのがこの話でした。
 主人公は十二歳の少女。少女だからこそ見えるものがある、感じることがある。そしてそこから見えてくる国の理想、ありかた、大人達の間違いがある。
 十二歳の少女が王になる、そのことが無理なく物語りにとけ込んでいてビックリです。十二歳だからこそ、少女だからこそ感じることや考え方、それらが王になるには必用だった。そして王になるまでの旅が必要だった。その旅の中でタダちょっと聡明な十二歳だった少女が、世間を学んで王となる資質を磨かれていくあたりもとても楽しく読むことができました。
 普段、何気なく見過ごしていることや、本当はとてもあたり前なのにできずにいること、そんなことをに気付かせてくれる一冊です。

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2012/02/12 19:38

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2010/01/17 10:50

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2004/10/11 16:50

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2004/11/02 16:19

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2005/01/17 03:59

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2005/02/04 23:15

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