紙の本
サイエンス・フィクションの中に隠されたテーマ。
2020/10/05 13:57
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
アキハバラは、いい意味でも悪い意味でも超個性的で注目される街。石田衣良氏の物語の多くは、東京の街を舞台にするところも魅力。
しかし、初版は2004年。未読だったと気づいて手に取ったのは2020年。もう陳腐化しちゃうような内容なんじゃない?アキハバラにITの話だぞ!...とつい思ってしまうが、そんなことは全然なし。
社会からドロップアウトした5人のおたく青年たちが弱小ベンチャー企業「アキハバラ@DEEP」をたちあげて創った、「AI=人口知能による検索エンジン」。それがいとも簡単にIT関連の大企業に強奪されてしまって、その争奪戦が柱となった近未来SFテイストのものがたり。
ちなみに、「AIによる検索エンジン」は、人間の思考形式・志向・興味を少しずつ理解して 成長し、検索エンジンを使う人間の個性に合わせてカスタマイズされてゆく...ところまではもう追いついている気がするが、<長く使ってゆけば、一緒に悩んだり考えたりしてくれる友人がサイトの向こうに出来たような気持ちにすらなるもの>ってところが、この作家らしい。
それを、「アキハバラ@DEEP」は不眠不休で開発し、しかし、これはみんなのものだからと、ネットの海へ無料で解き放つ。
まあ、これを強引なIT大企業がだまって見過ごすはずはなく、それを、かなり汚い手で盗み出し、「金」をふんだんに使って囲い込み、法的手段で我が物としようとする...さて。
この小説で描かれた「アキハバラ@DEEP」起業意図が、今の日本経済へアンチテーゼとなっていて、物語が描かれてもうずいぶんたつというのに、世の中は全然変わってないなぁとも思う。
しかし、とにかく心地よい読後感です。
紙の本
今時の青春物語。
2006/09/27 20:50
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヤフー!やグーグルに代表される、インタネットサーチエンジン。今までに無い、全く新しいサーチエンジン!を題材にした作品は、過去にいくつか読んだ。たとえば井上尚登の「キャピタルダンス」が、記憶に新しいのだが、キャピタルダンスがある種コンゲーム系の作品であったのに対し、本作は今時の青春物語、といった読感。
「A系」等と呼ばれる秋葉原の住人達。そんな住人の一人だった登場人物たち6人。それが、インタネット人生相談サイトの「ユイ」によって、邂逅を果たすことになる。吃音や癲癇、不潔恐怖症に色素欠乏症、引き篭もり。それぞれがそれぞれの弱さを持った、若者達。だけどそれぞれがまた、素晴らしい才能を持った、若者達。その6人が集まって、死んでしまったユイのAIを応用して作り上げたのが、全く新しいサーチエンジン「クルーク」だった。クルークは静かに、ブームを読んでいくが・・・。
ところがそのクルークが、巨大企業に力ずくで奪われてしまう。一度は挫折するが、意を決して命がけのクルーク奪回に向かう6人。そして・・・最後にクルークが見せる奇跡。
さすがの石田作品。他の誰が書いてもここまで読ませなかったろうと思う。けど・・・最後がちょっと、急いで纏めすぎな感が残ったので、★4つで。
紙の本
オタクの聖地から飛び出す
2020/10/03 20:10
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会の片隅で燻っていた若者たちの、ベンチャーバトルが痛快です。コンプレックスや欠点が、個性へと変わっていく瞬間を捉えていました。
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映画原作となった石田衣良さんのサイバーミステリ。というより、青春小説。
サーチエンジンに人の思考指向を持ち込むところや命名の由来など、いかにも石田さんらしい、
世の中と文学的思考の融合だなぁ、と思って読んでました。
敵役の孫正義、じゃない中込さんがナイスです(笑)
しかし、500頁を超える原作を映画化するとなると・・・映画ははずしそうですね。。。
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文庫になったので再読。秋葉原に勤めている身としては、半分リアルで半分フィクションというような情景描写だったりするのですが、それも込みで、自分には好みの話でした。アキラとボックス、ページが好き。駆け抜けるように読めてしまう、そんな話です。
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読むものがなくなって、友達に借りて読んだ。
早めに返さなきゃいけないからあんまりじっくり読めなくて、その分あんまり感情移入出来なかった。専門用語が多いからその分余計に。
しかも石田さんにの作品て、どこか淡々としてるんだよなぁ。盛り場がよくわからん。
内容は、アキバの「おたく」と言われる人たちがAI型サーチエンジンを開発し、それについて一悶着起こる話。話の着眼点についてはすごく面白そう。しかも結構心に染みる言葉も多かった。
現実に起こりそうな近未来の話と言う感じかしら。そういう意味では面白い本でしたね(偉そうw)。
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オタク青春群像エンターテイメント小説。AIサーチエンジン・クルークを巡る巨大企業とアキハバラ@DEEPというベンチャー企業の面々の対決。最期まで飽きさせません。
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あらすじは、
社会にうまく適合できない、病気を抱えたおたくたちが集まって、会社をつくり、画期的な検索エンジンを開発。
しかし当然その検索エンジンは、金儲けのネタとしたい人物に狙われて、盗まれてしまい、皆で力を併せてそれを奪還する・・・。
最近映画化&ドラマ化してるんで、読んでいるとついそのキャストで
登場人物を想像しちゃうんですが、
映画版のアキラ役の、山田優ちゃんは個人的に超ハマり役だったと思います。
こんなに何でもうまく行くわけないじゃん!
というツッコミはあえてなしで。
十分楽しめる作品だと思います。
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とーまたんのために読んでます(ばか
ドラマとはまた違う面白さがあるので、ドラマみたから話知ってるわーっていうかたでも楽しめるとおもわれます!
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アニメ、ゲーム、コンピュータ、電子、etc...
世界のオタクが集まる街秋葉原。街ひとつ丸ごとがアンダーグラウンドと呼んでも
差し支えないこの場所の、さらに最下層で、世界を覆す若者が...世界を変えようとするオタクと、それをいいように使おうとする大人の、壮絶なる戦い。
中身は大変おもしろかった。
秋葉原に詳しい人は、なおさら楽しめるだろう。その代わり、事実を淡々と綴っていくような石田 衣良っぽさはあまり感じられない。伏線に関しても、比較的容易に推察できる。 しかし、そのおかげで逆に読みやすい作品に仕上がっている。前半のストーリー展開に対して、ラストの内容が薄い気がしないでもないが。
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ドロップアウトしたおたく人間が、助け合いながら、画期的なAIサーチエンジンを開発した。これを巨大な利益に結び付けようとするIT業界の成り上がりのドン(ライブドアのホリエモンのイメージがピッタリなんですが。。。)に、根こそぎ盗み取られてしまう。
しかし、おたく人間たちが人生相談サイトで師と仰いだ、今は亡き主催者の知識を詰め込んだAIエージェント(マイクロソフトOffice製品のヘルプで飛び出してくるイルカのイメージがぴったり)に勇気づけられて、盗まれたものを取り返すべく、電脳テロで立ち向かうというお話。
いや、面白い!
AIは少々現実離れしているような気もしましたが、こういうのは、5年後、10年後に読んでも「面白い!」と唸らせることができるかどうか?未知数ですねぇ。
2006/9/24
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第2のIWGPかも☆コンピューターに関しての記述が少し難しかったけど、文句なしにおもしろくてわくわくした。
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一応IT系企業で働いていることもあり、いろいろと理解できてしまう部分、同感してしまう部分もある一方で、読者の一人としては、語り手が知能を持ったコンピュータプログラムという設定にあまり馴染みがもてませんでした。ぶっ飛んではいるのですが、IWGP的なぶっ飛び具合とはちょっと違い、まずまずといったところです。
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25日初見。
映画には映画の良さが。小説には小説の良さがあった。映画は無駄なところを省いて、小説は細かいところまでゆっくりと進められる。悪いところは、切り落としすぎてたり、無駄な物まで含んでしまうこと。どっちもどっちだね。
原作の感想です:長い。これは一番重要なところに入るまでは回想とかで良かったんじゃない? クルークに語らせたのは良かったと思う。でも何でクルークがページ達の一挙一投把握出来てるのか謎。ダルマが陰薄いのはわかるけど、でも、ページ、ページは・・・・・・。突入はページにやらせようよ。何でイズムだよ。侵入班と陽動班が要るのはわかる。わかるが(悶
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負け組の若者たちの秋葉原を舞台にした一世一代の大勝負!目まぐるしく進む展開に息つくヒマもなく読破しちゃいました。映画&ドラマ化までしちゃうしビックリだわ〜