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紙の本
この展開でよかった
2021/06/08 21:42
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
都市銀行を辞め、タクシー運転手になった主人公、そしてタイトルが「あの日にドライブ」だから、てっきり過去にタイムスリップしてという展開になるものと思っていた、学生時代に下宿していたアパートで居眠りしていたあたりが、そういう雰囲気になっていたように思えた、でも主人公は「もしあの時に戻れたら」と何度も妄想するのだが、結局、過去へは帰ららなかった。あの女性と結婚していたら、でも、彼女が現在住んでいる家で唇の端だけを吊り上げた怖い笑顔を見てしまった。あの子供向けの本を出版していた牧歌的な出版社に就職していたら、でも、今、その会社はロリコン本で糊口を稼いでいた。もし、あの時、というのは私も考えないではないのだが、今の妻、娘、との暮らしが一番幸せだったんだと信じている、この小説の主人公の男のように
紙の本
偶然
2017/05/06 21:24
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
自らの不遇を嘆き、もしあのとき別の選択をしていたらというタラレバに思いを馳せる主人公牧村伸郎。しかしそんな空想も、現実を目にするとそれほど良いものではなかったのかもしれないと、そして隣の芝生は青いというように、羨ましいと思っていた人々もそれぞれ苦労を抱えていることを知ると、今の自分を達観して肯定できるようになっていく。
話の展開や最後のオチはもちろん、伸郎の心情によって世界はいろいろな形に映るその表現方法はなかなか面白い。また偶然と必然、たまたまという運をタクシードライバーとギャンブルというまさに一見偶然に左右されていそうで、完全にはそうではないものを題材に選んでいるところも感嘆の念を禁じ得ない。
紙の本
荻原作品の中でも大好きな作品です。
2016/01/28 08:58
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、いろいろと人生について考えさせられる小説です。内容は、主人公があることがきっかけで上司に反発し、リストラされます。彼はエリート意識が高く、なかなか次の職が見つからないのですが、ようやくあるタクシー会社に運転手として雇われます。もともとエリート意識の塊であった主人公は、タクシー運転手という仕事を卑下して、あまりやる気もでません。しかし、ある時、社会の動向や人々の動き、そして暦などを調べることで、どこに客がいそうか推測できるようになります。こうして、タクシー運転手という仕事にも興味をもっていくわけですが。。。。人生は、「ああすればよかった」「こうすればよかった」と悔やむ傾向がありますが、何事にも前向きな姿勢が人生を切り開いていくのではないかと思います。
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おもしろい
2022/09/06 09:44
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投稿者:nomono - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの時、違う判断をしていれば、また違う人生だったであろう。後悔しても仕方ないけど、前を向くにはどう気持ちを切り替えればいいのか。読み終わって、ちょっと元気になれる気がします。
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やっぱり荻原さんは、笑いのツボ心得てる。
2016/12/12 10:58
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投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
牧村伸郎は、エリート銀行員からタクシードライバーへ転職。つなぎの為の職場と割り切ってはいるが、毎日営業成績のノルマを超えられず希望する転職もうまくいかずに働いている。一言で銀行を辞めてしまい、もしあの時こうすれば、こう言ってれば、とさまざまな妄想が伸郎の心を満たしてゆく。もし、人生をやり直すとすれば、どこから始めるだろう。こんな人生だったかも、あんな人生だったかも・・・。
随所にクスッと笑いの言葉がちりばめてあり、軽く読める仕上がりになっている。誰でも、もしあの時違った選択をしていれば、と思う。その時その時の判断が間違いだったとは決して思わないように、一所懸命生きていこう、と思う。
電子書籍
元銀行マンのタクシー
2022/12/27 13:54
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイムスリップではなく昔のことを回想しながらのお仕事小説といった感じ。最後に銀行マン時代のパワハラ支店長をやり込めるとこが痛快。
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過去の記憶からの解放
2021/01/25 17:44
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投稿者:優乃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
少なからず過去の事を思い直す一瞬はあると思います。
ただそれだけに囚われて生きていくか、それは思い出として拘らず前向きに進めるか、その差は結構大きいような気がします。
誰にとっても結局は今を生きることが何よりも大事なはず。
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らしい作品
2019/12/11 16:09
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
荻原さんらしい索引ですね。
途中途中、ちょっとした笑いを入れつつ、
主人公の人生を振り返って、前向きにつなげていくと。
紙の本
過去の自分とか別の人生とか、そんなものは今の自分じゃない
2015/11/24 16:12
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投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり大雑把にまとめると、主人公の牧村はうまくいっていた銀行員時代が忘れられず、しかしいよいよ新たな銀行への転職にありつけそうにないと気づき始めると、もう一つの人生という妄想に浸り、その末にやっと現実に生きることの魅力を発見する、という物語である。
物語早々に牧村の状況が説明されているので、このあと牧村の環境はどのように変わっていくのだろうかとワクワクしながら読み進めるものの、銀行員時代への執着、別の人生への妄想が長く続いて息切れしそうになる。
牧村が現実逃避から目覚めるのは物語も後半。現実逃避もそこそこにし、現実を見つめ直して今に魅力を見出す様子がもっと丁寧に描かれていたら、もっと楽しめたと思う。
そんな現実逃避と目覚めのバランスに不満はあるものの、銀行を辞めて楽観から切迫へと変化していく牧村の心理描写は絶妙で、焦りと不安の入り交じった気持ちが込み上げてくる。
しかし、その焦りと不安は、過去の自分に戻りたいけど戻れないという気持ちが創りあげていることが次第に分かってくる。過去の自分は今の自分じゃない。現実に生きていることを開き直って受け止めれば、なんと爽快なことか。
物語は、ユーモラスな調子で描かれており、気分的に重くなりすぎないのも良かった。たびたび描かれる娘とのコミカルな掛け合いはいつ読んでもホッとさせられる。
実際は、この物語のように現実を見つめたからと言って人生を再発見するとは限らないが、最後に語られる牧村の思いがとても印象に残った。
「通り過ぎた道に、もう一度戻るのは、ちっとも楽しい事じゃない」