電子書籍
意外な事実が次々と
2022/05/15 08:21
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとりの教師が悪意に押し潰されていく様子に胸が痛いです。モンスターペアレンツの実態、さらには教育現場の対応の不味さについても考えさせられます。
紙の本
冤罪に巻き込まれるとはどういう事なのかを伝える本
2016/05/14 22:36
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
平成15年「生徒に日常的に”いじめ”を行って精神的に追い詰め、『死に方教えたろか』とまで恫喝してその生徒をPTSDになるまで追い詰めた酷い教師」との記事がマスコミに踊りました。そしてその生徒の保護者が教師に対して起こした裁判の中で、実はこれがその保護者による”でっちあげ”であり、その教師にとって完全な冤罪であることが判明します。
いわゆるモンスターペアレンツの恫喝に対して事実の確認をしないまま一方的に平身低頭する校長や教育委員会。自身の発言機会をほとんど得ることがないまま、なすすべなく教壇から追いやられる教師。そのプロセスを克明に追った本書を読むと、教師=悪という思い込みに頼って報道を垂れ流したマスコミが一市民をターゲットにした時の怖さ、一旦「悪徳教師」であるとレッテルを貼られてしまってから、冤罪を証明するまでのあまりに長く辛い日々を思うと、改めて冤罪が奪うものがいかに大きいかを思い知らされます。そして普通に社会生活を送っていても、誰にでも冤罪がふりかかる危険性があり、そのような時こそ曖昧に証言するのではなく毅然と対応することがいかに重要かということを本書は教えてくれる気がします。
教師本人、保護者、学校関係者の証言が分かりやすく整理され、事件の発端から最後の判決に至るまで一気に引き込まれ、読み進められます。
紙の本
マスメディアの罪
2021/11/06 18:56
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投稿者:さかれな - この投稿者のレビュー一覧を見る
モンスターペアレンツの怖さを痛感させる実話だった。
話にはよく聞くけれど、ここまで酷いのは初めて。
モンスターと化した親、対応の悪い教師、学校、教育委員会とあるが自分が思う最大の罪はマスメディアだと思う
間違った情報を垂れ流し、1人の善良な教師を抹殺したに等しい、読み終わり憤慨した。そこには教師本人のみならず家族、親類縁者、友人知人あらゆる人に悪影響を及ぼし
その人生を狂わしたと言えるだろう
また報道者としてのその後の無責任な対応にも憤りを感じる、視聴率が上がる、新聞や週刊誌の購読が増えればそれでいいのか。
報道のあり方は今も変わって無い様な気がする
報道関係者はこの事件をなんとも思って無いんだろうが
心ある者はこの件を教訓に是非考えてもらいたい
その後の教師、家族が健やかな日々を過ごされた事を心よら願いたい
紙の本
日本のメディアのダメな部分がさらけ出されている
2021/07/03 19:22
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
この事件については、全く知らなかった。この本で初めて知った。読み終えた後でも信じられない話だ。日本のメディアのダメな部分がさらけ出されている。取り返しがつかないのである。メディアに携わっている人たちはその影響力をもっと自覚するべきだ。また、この本では、日本の教育現場のことなかれ主義も、炙り出されている。優れたノンフィクションだ。
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一気読みした。
すごい本というかなり衝撃的な話。
川上へのインタビューによってわかったことは
裁判の過程をもって明らかにするというな、
時系列で読みたかったな。衝撃が大きそう。
マスコミのあり方みたいなものを
話の中心にしたかったんだと思うけど、
どうにも浅川夫妻のことが気になる。
でも、そこをこれ以上突っ込んでいくことは難しいんだろうな。
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ベッドに入り、読み始めたら一晩で一気に読み終えた。
途中で止められなくなった。
理由はいらない。
夢中で読み終えた。
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この本はノンフィクションとわかっているだけに非常に問題作だ。
今でいう「モンスターペアレント」により、極悪殺人教師に仕立て上げられる一介の教師。
そして部数をあげるために無責任な報道をするマスコミたち。
これを読むと、教員にはなりたくないなあ・・とつくづく思う。
事実は小説より奇なり・・と言うが、本当にそうだ。
一寸先は闇。その闇に飲み込まれてしまうのは、やはり不運でしかないのかな・・。
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教師側からの一方的考察で、
たの場面では曖昧だったようにも思える記憶が
冒頭家庭訪問では心情も含め鮮明なのが気になる。
ただ、教師による殺人的イジメではなく、軽度の体罰に対する
過剰な反応だったのではないかと思う。
しかし本当に注意しなけらばならないのは
刹那的、過剰に人目を引いて、または自らの功名を狙ったり
虚栄を満足させて、周りの人間には公平な判断をさせない
正義の名の下につるし上げる
報道関連の人間の精神や姿勢ではないのか。
この本のなかで訴えているのは、モンスター親ではなく
対象には責任を求めるくせに、自ら最後まで責任を負うことのない
報道の姿勢と、それを求める・疑問に思わない民衆の危うさとも
思える
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マスコミの報道をなんでも鵜呑みにしてはいけないということがメインなんだと思うが、子供を聖域視しすぎないことが必要であるいい例だと思った。子供は保身のためにうそをつく。その最たる対象は親なのに、親は子供が自分に重大な嘘をつくとおもいたがらない。それがかわいい嘘でなければ尚更その傾向はあると思う。
もちろん内容によっては「親が信じなければ誰が信じるのか」という場面もあるだろう。けれど子供にとって親は一番「怒られたくない存在」であり、だからこそ保身の嘘が一番出てきやすいのだということも忘れてはいけないのだ。
またこの事件のケースではいわゆるガキ大将の立場にいる少年が、親には従順であるということも重要な点だと思う。親に誘導されるがままに嘘の証言を続けて教師の悪事を虚言し、裁判用のビデオに出演するなど、彼は親によってどんどんやってはいけないことを重ねてしまう。
こういう経験を重ねていくことで、彼の人生がどれだけゆがむのか。それはまさに虐待だと思う。
自分の子供がかわいいばかりに子供の嘘に振り回され、周囲に対して攻撃的な態度を取ってしまう親にはぜひ読んでほしい。子供は親の顔色を見て嘘をつく。それは周囲に迷惑をかけるためではなく、親を愛すればこそ、親からの怒りをまぬがれようとする子供の浅知恵だ。そこを見極めて正しい方向に持っていかなければ子供は小さなゆがみを積み重ねて、いつか取り返しのつかない成長をとげることもある。
子供を信じることと、子供の話を鵜呑みにすることは違うのだということを肝に銘じてほしい。これは子を持つ親だけでなく、周囲の大人にも同じことが言えると思う。
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教師のいじめか、教師へのいじめか。報道が過激になる時は、冷静なフリー記者の存在が欠かせないが、それに頼っていてはマスコミも末期だ。記者名が全員実名になっているのは筆者なりの警鐘だろう。
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これほど早く読み終わった本は久しぶりでした。とにかく先がどうなるのか知りたくて知りたくて。昨今よく耳にするモンスターペアレンツによって追い込まれた一人の教師が、その名誉を回復していく過程は並みの小説よりも興奮しました。この本の内容が事実とするならば、という条件つきではありますが。マスコミのあり方も含め、2度とこのようなことが起こらないことを願うばかりです。抜群におもしろいのですが、教師を目指す方は読まないほうが賢明な一冊です(笑)
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2003年、全国初となる「教師によるいじめ」と認定された事件が
福岡市の市立小学校で起こった。
アメリカ人を曾祖父に持つという男児児童に、「血が穢れている」
「死に方を知らないのか」と暴言を放ち、ことあるごとに体罰を加え、
被害男児が重度のPTSDを発症した。
事件が発覚するとマスコミはこの教師の悪行をあげつらい、児童に
自殺を示唆したことで「殺人教師」呼ばわりまでする。だが、事件の
真相は被害者児童の両親の言い分とは大きな食い違いを見せる。
糾弾された教師は、差別的感情から虐待とも言える行動をしたのかを
追ったノンフィクションである。のだが…。
本書に書かれていることの全てが「本当」であると仮定すると、被害
児童の両親は昨今話題のモンスター・ペアレントだ。それも「超弩級」
のである。
新学期早々の家庭訪問で男児児童の係累にアメリカ人がいるとの話題が
出た。それも母親からの発言である。その母自身もアメリカ生活が長く、
通訳や翻訳の仕事をしている。
ここから話がこじれていく。「血が混ざっている」との教師の発言が、
いつしか「血が穢れている」に変わり、家庭訪問終了後から人種的差別の
延長とも思えるような男児児童への教師の虐待が始まる。
両親からの抗議を受けた学校は教師の体罰を認め、市教育委員会は該当
教師に停職6カ月の処分を決める。
教師批判のマスコミの大攻勢のなか、福岡市と教師を被告とした民事
訴訟が起こされるのだが公判では被害児童及び両親の申し立ての矛盾が
露わになる。
確かに公判記録や、重度のPTSDを発症し閉鎖病棟に入院処置を取らざる
を得なくなった男児児童の医療記録には首を傾げたくなる点が多々ある。
だが、本書を鵜呑みにしていいものだろうか。著者は教師側一辺倒の
視点でしか事件を検証していない。男児児童の行動に以前から問題が
あったとか、両親も保護者の間ではいい噂がないとか、男児の兄が同じ
小学校に在学中にも問題があった等、被害者側へのバッシングを繰り広
げているが具体的な裏付け証言がないのは何故か?
事件当時、教師弾劾の報道を繰り広げた記者はその名前をはっきと表記
しているのに、事件に疑問を投げかけた記者については「ある記者」と
匿名にしているのは何故か?
著者がいうように教師に何も問題がなく、男児児童の両親の申し立ての
全てが虚偽だとするならば、何故、PTAは動かなかったのか?新学期早々、
担任が交代する大事件である。
他の保護者が教師救済の為に、教育委員会に申し立てを行って当然の
事件ではないか。
ノンフィクションにしてはバランス感覚に欠けていると言わざるを
得ない。書籍購入サイトで高評価を得ているのが不思議だ。
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2011.12.21-2011.12.24
マスコミや教育関係者の御座なりな対応により、内気な無実の教師が児童を虐待する「殺人教師」として週刊誌に取り上げられ、停職6ヶ月といふ厳しい罰を受けるに至る過程を追つたドキュメント。
虐待を申し立てたクレーマーの両親が起こした民事訴訟で、事実無根であることが明らかになつて行く。
報道や教育といつた社会の基盤となる仕事に携はる人達には、自らの責任をもう一度しつかりと自覚して欲しいと思はされる。
この事件について言へば、クレーマーの家庭にこそ問題の発端があると感じられるのだが、その部分の解析がないのは、少し残念。
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「殺人教師」と報じられた福岡県のある小学校の教師の問題を取り上げているノンフィクション。
自分の子どもを差別し、さらには自殺を強要したためにPTSDになったと主張する両親。学校という立場から保護者のいいなりになってしまう管理職。児童虐待という悲惨な状況から正義感に燃えるマスコミ。
これらの要素が重なって、一教師の言い分がかき消されてしまった。
本書を読みながら気分が悪くなった。何が正しい情報なのかをしっかり見極めていかなければならない。という意味では、本書もすべてを信じることは出来ないということ。
すこし気になったことは、父親のこと。本書ではあまり触れられていない。狂気じみた母親の肩を持ち、助長させている。母親のウソに気付かなかったのだろうか。そんなわけはない。留学先で出会って結婚?なんのことだ?と思うはずだ。もう引っ込みがつかなくなってしまったのか、はたまた本当のことなのか・・・。
ぜひとも、父親視点での言い分を聞いてみたい。
いやー、怖かった怖かった。
年越しまでに楽しい気分になれる本を読もう。
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2012年一冊目は私にしては珍しいドキュメンタリー。
本屋で立ち読みして、どうしても続きが気になって購入してしまった。
内容はドキュメンタリーなので、取材によってわかったことが、被告の視点から描かれているのだけれど、何がいいってものすごく読みやすい。
こういう本は書き手によってはひどく読みづらい時があるけど、この人の文章は柔らかく入ってきやすかった。
こどもと関わる仕事をしてきて、一度だけクレームが私に来たとき(保護者の勘違いだったけれど)、上司が保護者に迎合して、全く守ってくれなかった経験が私にはあるので、釈然としない気持ちで読了。
事実だから仕方ないんだけど、冤罪はきちんと(すぐに!)晴らせる世の中にならないかなあ…。
裁判に時間がかかりすぎるのも人生の有限な時間の中ではもったいないよね。