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紙の本
恩田陸さんのうまさを味わう作品だ。
2017/05/21 02:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭を引用する。
> たぶんこれは、一枚の写真についての物語なのだろう。
> むろん、ある男の死を巡る謎についての物語でもあるし、
> 山の話でもあるはずだ。そして、一組の男女の別離の話という
> 側面も持っている。
最初の印象。
一枚の写真とは、普通は何かの思い出を暗示する符号だし、
死を巡る謎とはミステリーを連想させる。
山の話とは自然への憧憬なのか、怖れなのか。
一組の男女の別離とはメロドラマだろう。
読後に思う。確かに、全部入っていた。
これだけ詰め込んでいるのに、物語は不思議と暑苦しくない。
実にうまく読ませてくれる。なぜかというと、これは一夜の
物語だからだ。
一組の男女による駆け引きと、回想と、推理。
それだけのことで、一冊の物語になっている。
心理描写を徹底的に煮詰めている。
少々都合のいい設定なども踏まえ、プロット重視の作品でもある。
レールをぴっちりと敷いておき、その上で心を次々と揺さぶっていく。
登場人物の動きが少ないので疲れる部分もあるが、
実験的ともいえるし、予定調和ともいえる。
ひょっとしたら、本格ミステリー好きの人は、どこかで見抜いてしまう
かもしれない。私はたいした知識もないため、
充分びっくりさせてもらった。
何よりも、心理の駆け引きが面白い。
立場がぐらぐらと揺れ動き、危うい気持ちを見せ続ける。
ラストは、深い感動というよりも、不安定さから解かれた安寧に浸る
といったところ。
煮詰まりきった登場人物に動きが出て、読んでいる方もほっと
息がつける。良くも悪くも、技巧に長けた作品だと思った。
面白く読めることは間違いないが、ネタバレに極端に弱い
作品なので、書評をいろいろ読んで判断するのはお薦めしない。
できれば、裏表紙の紹介文や、解説なんかも読まないほうがいい。
恩田さんを好きな人が、えいやっと買ってしまうのが一番ふさわしい
接し方のように思う。一発勝負みたいな部分がある作品である。
紙の本
男女の会話劇
2017/08/23 20:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はにわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台はマンションの一室、同棲していた男女が別れる前最後の夜に語り明かすお話です。これだけだとありふれた話のようだけれど、お互いがお互いに相手を人殺しではないかと疑い、腹の探り合いをするという不穏な始まりに心惹かれます。2人の会話が進んでいくにつれてどんどん話は展開していき、気がつけば一気読みしてしまいました。何かを集中して読みたい、時間があるから読書したいという方にオススメです。
ただ、次の展開がわかりやすいのでミステリ好きには物足りないかも。あと1度読めば満足してしまいました。
紙の本
男女それぞれの目線と会話劇
2019/07/12 14:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おこめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
薄いベールが少しずつはがれて明らかになる男と女の事情と過去の出来事。それぞれの目線で渡されるたすきと共に進んでいく物語。引き込まれてしまう。
電子書籍
女ってこわいと改めて思う
2019/05/13 22:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こなつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
男女がひたすら部屋の中で話しているだけなのに飽きない。自分が女だからかもしれないが、女の怖さ、たくましさ、冷酷さをひしひしと感じた。
紙の本
謎が次々に
2018/09/20 08:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
次々に現れる謎、少しずつ解かれていく。しかし同時にまた謎が増えていく。それが最後にすべて明らかになったとき、清々しい爽快感と共になんとも言えない寂しさがこみあげてくる。