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紙の本
「中・上級者向け」シェイクスピア読み本
2011/03/19 11:50
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
『深読みシェイクスピア』を読んだ。
図書館にリクエストして取り寄せてもらった。
松岡和子さんのシェイクスピア個人全訳はちくま文庫から出ているが、この本は新潮選書である。
ちくま文庫から増補版が出た『快読シェイクスピア』もおもしろい本だったが、この本は戯曲の言葉に深くこだわって読みこんでいった本だった、と思う。
小森収という方が松岡和子さんにインタビューするという形でこの本は進んでいく。
取り上げられている戯曲は多くはないが、それだけ深い「読み」がなされている。
この本は中・上級者向けの「シェイクスピア読み本」かな、と思った。
まずこういった読み本を読むとしたら、新潮文庫から出ている阿刀田高さんのものもいいと思う。
ただ、興味がある人は、戯曲そのものにチャレンジするべきだと思う。
シェイクスピアは古典だが、それほど読みにくいわけではない。訳としては、ちくま文庫の松岡訳か白水社Uブックスの小田島訳がいいのではないだろうか?
いったん読み始めると、その言葉の力というものに、惹かれる人も多くいる、と思う。
そうやって戯曲本体とこういったある種の「解説書」を交互に読んでいくと、少しずつシェイクスピア文学に対する理解が深まっていく、と思う。
紙の本
とても興味深いシェイクスピア本。
2015/12/24 21:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
対談形式は最初少し構えたけど、この本の場合は当たりだった。対談といってもほとんどの部分は翻訳者なので、翻訳者の言葉として読み込むことができる。かといって、インタビュアーが必要じゃないかと言うとそんなことはなく、要所要所で冴えた質問をしている。いわば餅つきのつき手とこね手のような関係だと感じた。
翻訳者みんながそうではないだろうけれど、この人の場合、意外なほどに実際の舞台からインスピレーションを得て訳の糧にしているところがあるようだ。蒼井優がデズデモーナの「あなた」の使い方について質問して、実際読み直したらそこだけmy good lordとなっていたので、その部分の訳を「旦那様」に変えた、という経緯はとても興味深い。
そういう話が他にも多々あって、発見に満ちている本だった。一番おもしろかったのは、ケアードというイギリスの演出家に日本人によるシェイクスピア劇を演出してもらった時の話で、ケアードは松岡訳をもう一回英訳してそれを読んで駄目出しする、という方式をとったらしい。一回翻訳したものをもう一回戻すことによって、違いがはっきりわかる。実際解釈のちがいが露呈した部分があったとか。翻訳の奥深さを感じる話だ。
紙の本
「マクベス」のキーワードは”we”
2011/04/02 07:19
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:k-kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがに外題が、『深読み……』なので、日頃シェイクスピアなど読んだことのない輩――黒澤明の「蜘蛛の巣城」に触発されて「マクベス」の上演に出向いたわずかな体験しかない――にはちょっとハードルが高いと思ったのだが。
読み進めると、シェイクスピアの戯曲の奥深さが浮かび上がってくる。戯曲のひとつの台詞が、たしかな意味づけを持っていることを教えてくれる。
「マクベス」の翻訳で最大の発見は何でしたかと問われて、松岡さんは”we”と答えている。この単語をどう読むかによって、作品全体にたいする見方が変わると。
スコットランドの王ダンカンを迎えた将軍マクベスが、晩餐の席を退座し国王暗殺をためらって「例のことはもう止めにしよう」と妻に言う。続く二人のやりとりにはどちらにもweがある。
マクベスとレイディ・マクベスは一心同体のカップル。ダンカン王暗殺計画も夫婦の共同正犯で、マクベスが事を成就して王位に就くことを強く願っている。結びつきの強さが、このweの使い方に端的にあらわれているという。
「もし、しくじったら、俺たちは?」、「しくじる、私たちが?」と、weをはっきり訳したそうだ。
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