紙の本
理性と欲望
2018/05/12 23:47
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の前から消えた女性の後を追う男が”教団X”をめぐる大きな渦に巻き込まれていく。人間の善と悪、理性と欲望の対立を描き出す中村作品らしさが感じられる。人は何のために生きてるのか。誰からも相手にされない人生に意味はあるのか。考えさせられる命題があって面白かった。
「他人と比べても仕方がなくて、ただ自分の前に広がる人生を歩いていくだけ」という言葉に救われました。
紙の本
好き嫌いがわかれる
2017/08/02 17:27
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投稿者:ねこる - この投稿者のレビュー一覧を見る
確かに読みにくい部分もあり、教祖のお話は特に文字がページにびっしり。ギョッとする時も有りましたが、、、。
でもどちらかというとストーリー部分より、このお話部分が好きでした。ストーリーよりこっちがメインで書きたかったのかなあと、思いながら読んでいました。
残念なのは登場人物の描写がほぼないので、何をしもボンヤリしたイメージしかないような感じで、何か物足りない。
エンターテイメント性を求める小説ではないのだと途中から気づきましたが、私はとても楽しめました。
紙の本
愚かな指導者に率いられた人々は不幸である。 思想の誤りこそ全ての元凶。
2022/05/13 10:13
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
愚かな指導者に率いられた人々は不幸である。
思想の誤りこそ全ての元凶。
そんな読後感。
著者の歴史観、文明観、宗教感が縦横無尽に語られる。
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
オウム真理教を思わせる内容でしたが、国家の陰謀と宗教の考え方による洗脳の厳しさが良くかかれていると思いました。不磨雑な精神を書いているので少し読んでいて難しい場面がありました。
紙の本
感想が難しい
2017/07/25 22:12
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投稿者:ライディーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫になったので購入しました。
話がどうにも重たすぎる。
「教祖の奇妙な話」は面白かった。こういう発想もあるのかと。
まぁ、それが宗教なんだろうけど。
でも、性的な部分も含めて、基本的に発想が極端なのかなぁと感じました。
感想が何とも難しい。
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この手の暗い作品も、中村さんの作品も、嫌いではないのだけれど、なんだろう、性描写がわたしには合わなかったのか、最後まで読めませんでした。。それで★☆☆☆☆とは申し訳ないと思ったのですが…すみません。
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私とはあまり相性が良くなかった印象ですが、宗教と性と戦争と…内容盛りだくさんでした。何かを信じたいと思う感情の強さと怖さを感じました。ラストはいまいちスッキリしたのかしないのか…という感じでしたが話題になった作品ですし、文庫化して手に取りやすくなったので未読の方は読んでみてもいいかもですね。
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文庫になったら読もうと思っていたので即購入。
松尾のもとに集まるサークルと沢渡のいるセックス教団が描かれるが、どっちも宗教か?という印象。でも松尾の言うことは興味深く読ませていただいた。
テロの話が出て来たり、2人のリーダーの回顧録があったりで何の話なんだろ、この本って思ってたけど、最後はちゃんと心が揺さぶられた。不思議な本だった。
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悪と善、闇と光、弛緩と緊張、他者への愛と自己への愛、様々なものが重なり混ざり合って、物語の渦の中に飲み込まれていくよう。最後の「演説」の温かさが、胸の中にしっかり残った。
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好きなテーマです。説明的過ぎる気はしますが、引き込まれました。回顧と解説以外のボリュームがもう少しあると、更に良かったと思います。渾身の一作ですね。
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文庫を心待ちして読みましたが、う〜ん…今までの他の作品のほうが好きです。文則さん作品ランキングを付けるとしたらいちばん下かも。
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残念ながら、私には合わなかった。
群像劇的な描き方をされているが、それがあまり活きてきていないように感じた。
また、いくつかの意味ありげに書かれた(伏線のように見える)ことにも特に意味がなかったり、薄っぺらく気味の悪い雰囲気の性描写がくどかったりと、読むのに疲れてしまった。
頑張って読み切っても話としてすっきりとまとまった印象に乏しい。
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2017年7月8日読了。
595ページ
正直、どこが高評価なのか理解できない。
前半の教祖の話がなんの伏線にもなっていなく、読むのが苦痛で飛ばしたが、全体のストーリーを理解する上でなんの不都合もなかった。
今の日本を憂いたつもりのようだが、憂いているポイントは色々な本で出尽くされている内容で、それをテロでそれっぽく表現した単なるエロ小説。
再読なしで、文庫本も今なら売れるので早速売ってしまうことにする。
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『王国』に続き、文則作品三作目。この作品に限らず、読んだ作品全て“運命”とは何か?について書かれているようだ。なんて言えばいいかわからない——。とにかく圧倒される。凄い作品だ!村上龍作品にどこか似てる…。
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文庫本になったので購入。
今まで中村文則氏の作品は何作か読み、その仄暗さに惹かれている。
今作はその明と暗がハッキリ分かれていると感じた。
と同時に賛否もハッキリと別れるのではないか?とも。
個人的には、非常に面白く読めた。
最初に浴びせられる、衒学的と言っても過言ではない「宗教」「物理学」「宇宙論」etc…の知識を受け入れられるかどうか、が面白く読めるかどうかの分かれ道かも。
「教団X」と公安に呼ばれている謎の宗教団体にいる、様々な挫折や暴力を経験した人々のドス黒い闇は、現代社会を覗き見ているようだった。
と同時に、その闇によって、大きな光も浮き上がっていたと思う。登場人物の最後の演説に、特にその光は満ちていた。
様々な読み方ができる小説なので、どんな作品か一言で言い表すことはできないが、
著者の最後の一言「共に生きましょう」にメッセージは集約されていたと思う。