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紙の本
不思議な余韻が残る、不快感のない純粋なホラー
2018/10/13 20:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
恥ずかしながら、この本を読むまで「営繕」という言葉を知りませんでした…。また「かるかや」という聞き慣れない言葉にもピンと来ず…もしも背表紙で書名を見ただけだったら、手に取らなかったかもしれません。
今回、手に取ろうと思ったのは、表紙の絵に惹かれたからでした。
「和」という世界を押し出した雰囲気に、田舎の祖母の家を思い出し、あらすじも読まずに思わず買ったのですが…購入後に著者を見ると、小野不由美さん!
初めて読んだホラー小説の作家が小野不由美さんだったので、期待してページを開きました。
やっぱり面白い! ホラーだけど、「どうなるんだ?」「このままだと危ないんじゃないか?」と思わせ、グイグイと惹き込ませる恐怖感を読み手に与えながらも、不快感がなくてドタバタしていない。
読後感も良く、ホラーを読んだはずなのに、やさしい童話を読み終えたような暖かさも感じさせてくれます。
この本の主役ともいえる営繕屋さんが、自分のことをほぼ打ち明けずに謎のままで終わるのですが、家に起きた怪異の謎は紐解かれるのに、そこの部分が伏せられたままというところが奥行きを持たせる感じでとてもいいと思いました。
サイコホラーやパニックホラー、怨霊との激しい命のやりとり、残酷さやどす黒さを求める人には物足りないかもしれませんが、「怖い話は好きだけど、残酷なものは読みたくない」という人や、日本古来の不思議な余韻を残すホラーが好みという人には十分にオススメできる1冊です。
紙の本
古い家屋と怪異譚
2018/07/22 16:38
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
古い家屋にまつわる怪異譚。
気がつくと襖が少し開いている話、屋根裏に誰かいる話、黒い和服の女が訪ねてくると不幸が起きる話、自分だけに見える痩せた爺さんの話、古井戸から現れる異形の者、ガレージにいる子供の話の6篇。最後は改修工事で解決するパターンですが、期待どおり、否、期待以上に面白い作品群でした。とにかく日本の古い家屋と怪異譚はよく似合うことを、あらためて認識しました。解説で宮部みゆきさんが絶賛しているのも、決してお世辞ではないということが、読めば分かります。じわっとくる怪談が好きな方にはお勧めです。
ところで、私の亡父はお化けに全く興味のない人でした。ところが母の死後、妙なことが実家に起きたようです。父が就寝中の深夜、台所からペタペタと足音が近づき、寝室と台所を仕切っている襖の手前でピタッと止まる。襖の向こうに人の気配がするので、意を決して襖を開けても誰もいないということが頻繁に起きるとの話でした。私が帰省した時には、同じ現象は起きないので父は残念がっていました。もしかしたら心理学的に説明できることかもしれません。しかし私は、亡母が来ていたと考えた方が夢があると思ったのでした。
紙の本
怪異との共存
2018/08/19 01:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
「営繕の人が怪異を解決する話」のようなあらすじ書きを見ていたため、キャラクター小説に近いものかと思っていました。が、そういう感じではなかったです。
メインは、日常の中で怪異に遭遇してしまい、逃げることもできず、自分ではどうしようもなくなってしまっている人々のお話。最後の最後に、営繕の人が現れて、「倒す」とか「お祓いする」とかではなく、少し工夫して”解決”していくというものでした。
きっと、昔はこういう風にして人は怪異と共存していたのでしょうが、忘れてしまっていました。
短編で読みやすく、怪異の話自体はかなり怖かったですが、心温まる終わり方の話も多く、好きでした。
紙の本
ゆっくり押し寄せてくる怖さ
2019/09/29 13:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねこまるた - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方にある旧城下町を舞台にした建物にまつわる怪談集です。全体に、ひたひたと水がゆっく押し寄せてくるような怖さがあります。一人で夜に読むのはおすすめしません。
ハッキリとした形では無い怖い物という日本独特のホラーを堪能できます。
紙の本
少し心が温まるホラーミステリー
2022/07/04 10:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐ろしくもあり、哀しくもあり、そして心が少し温まる物語であり、ホラーだ。海近くの城下町の地方都市を想像して、古い街並みを臣描きながら読む。建物を新築・修繕する職であるが、その営繕屋が古い家屋に籠る邪気を消し去るのではなく、居着かないように、上手に家屋に手を加え施す。借家にしろ持ち家にしろ、家とは本来、そこに住み生活する人を守るからこそ、営繕屋は「家」が持つ役割を果たすよう守ろうとしている。人々に忍び寄る邪気を払うのではなく、なかったように遠ざける姿勢は、新鮮な気がする。
紙の本
本領発揮
2019/02/27 17:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
怪異を物語る言葉が、これほど怖い人もいないんじゃないんでしょうか?
おまけに、この短編集ときたら、怪異とともに・・・無理~~~怖いです