AI時代の経済の未来図を示した書です!
2018/09/23 11:36
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、AI時代における新しい経済・社会の展望図を示した書です。AIによって、ビジネス界は大きく変わろうとしています。特に、金融業界にもAIが導入されると、融資や保険審査などをAIが行うようになり、省力化が加速されることは間違いありません。それに加え、AIは社会や経済の基本ルールも変えてしまうと言われています。さて、一体どのような社会・経済となるでしょうか。本書ではその未来図を具体的に示してくれます。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
漠然とAIと金融の未来を考えることは出来ても、
詳しく話すように言われたら、対応出来ない人が多いのではないだろうか。
本書はAIの定義から、AIに求められているもの、
AIに期待できること、出来ないこと。
日本の現状、他国は?と言った具合に多面的にAIと金融の未来を考察している。入門書に最適な一冊。
AIによる世の中の変化を予測
2020/10/21 21:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、AI(人工知能)などの新しい情報技術が金融の世界をどのように変えるかについて、Q&A方式で平易に解説した入門書であり、関心のある事項のみを拾い読みすることもできる。金融関連の専門的な内容が本書の主要部分をなすが、金融機関に直接関係しない読者にとっても興味ある内容が含まれている。その一例は次のとおりである。◆AIはあらゆる分野において人間を超える能力を発揮しうるわけではなく、AIが担当できる分野は限定的であり、人間の仕事とAIが担当する仕事の振り分けを考える必要がある。◆資産運用にAIを用いても高い収益を継続的に得ることはできない。ただし、無駄な損失を被ることは少なくなる。◆従来の保険が抱えていた問題の一つは「モラルハザード」であるが、AIを活用した保険によりこの問題の改善が期待される。◆インターネットを通じて誰でも少額の代金を送金し、誰でも受け取れる仕組み(マイクロペイメント)により、個人が自分のホームページで店舗の開設が可能となる。いまは代金を受け取ることが簡単にできないため、プラットホームに依存せざるを得ない。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
入門書ということですが、馴染みのない専門用語もあり、私には難しかったです。
AIにより金融の世界に凄い変化が起きつつあることはよく分かりました。ただし、AIは万能ではなく、仕事によって影響の程度は異なります。特に限定化された仕事は人間よりはるかに高速かつ正確にこなすとのこと。
資産運用分野では効果が低いですが、保険業界は大変化が起きるようです。銀行では基幹業務である融資審査での能力発揮が期待され、金融機関業務の省力化も進み、大量失業の問題も。社会全体ではキャッシュレス化が進み、仮想通貨の可能性も高まることを予想。
ところで、AIによる環境変化に対して、銀行業界の危機感は乏しいのではないかと、元金融機関に勤めていた人間として危惧します。長引くマイナス金利の影響で、融資業務を柱とした従来の銀行ビジネスモデルは壊滅寸前です。またIT技術を駆使したフィンテックにより、今後異業種からの参入も見込まれ、ますます苦境を迎えることが確実です。学生からも見放され、日銀や金融庁に個々の銀行を守る意識はもはやありません。しかし、護送船団方式で守られていた時代が長かったためか、銀行経営陣は、ゆでガエル状態になっていないか懸念します。
AI導入による金融
2018/09/22 21:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凄まじき戦士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
AIが導入されていくことで金融がどのように変化していくかを記した書籍で、Q&Aの形式で解説がなされていました。
AIの導入における変化を知ることはできますが、そこから先の未来でそどうすればいいのかなど対応策については甘めな印象です。
あくまでAI導入による変化を綴っているだけなので深めの内容ではなかったように思います。読みやすさはまあまあってところです。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:caroten - この投稿者のレビュー一覧を見る
「人工知能革命」が経済のルールを根本から覆す!
スコア・レンディング、ロボアドバイザー、テレマティクス保険……
いま、各所で話題となっている「AI」(人工知能)。
これを「金融」に応用しようとする試みが急速に進展している。
これらを詳しく解説しています。
投稿元:
レビューを見る
読み途中。
所謂ビッグデータを活用できるAIレディな企業はまだ少なく、それはデータが整備されていないという観点もあるがそもそも個人のデータを同意を取っていない形で使用することに課題がある。
信用力スコアリングにビッグデータを活用している中国では、個人が評価を損なわない様にきちんとした振る舞いを取る様になったという。AIが社会の風紀委員として機能するとは面白い。
AI自体が人間の仕事を蝕む時代はまだ暫く来ないのではないか。まずはRPAに職を取られない様に頭を使って事業を人と推し進める力が必要なのだと思う。
デジタルティスラプター達といかに協働して速いスピード感で事を成し遂げられるかが今後の鍵だと思う。
投稿元:
レビューを見る
主にフィンテックについての話。
ページ数は多いけど、さらさら読めて、出張で乗った新幹線の中だけでほとんど読み終えた。
それにしても、日銀が2017年秋に発表した金融機関の収益性の低下について、「オーバーバンキング(銀行の数が多すぎる)」と結論づけたのはどうなんだ。それも理由の一つかもしれないけど、日銀が導入したマイナス金利政策の影響も大きいだろと(多すぎるのはもとからだし)。
なお、その解決策として大手銀行は人員削減を行っていくらしい。三大メガバンクはどこも何千人の削減と試算しているけど、それぞれの目標年度が異なっているのに合計するのはちょっと違うような気がした。
この本を読んで、「ネオバンク」や「チャレンジャーバンク」という言葉を初めて知った。新しい金融サービス事業の形態だそう。ただ正直、「チャレンジャーバンク」のほうは今までのネットバックと何が違うのか分からなかった。具体例がほしかったところ(調べてみると、欧州で流行ってるみたいだけど)。
それにしても、おサイフケータイやICカード乗車券は普及しているというのに、なぜ日本はこんなにもキャッシュレス化が進展してないんだろう。最近、QRコード決算が話題で自分もLINE Payをよく使うけど、ユーザーからしてみるとICカードでピッとやる方が楽っちゃ楽なんだよね(還元サービスが多いから使ってるけど)。
ただ、ビットコインは決算用には向いていないのだろうなとは思った。価格が高騰しすぎて、送金コストが銀行振り込みより高くなっているらしい。だいたい、電力エネルギーのムダだし、環境に全く持って優しいシステムと思えない。そこで、最近はSatoshiPayやIOTAといった、送金コストがゼロの仮想通貨もでてきたらしい。そういうのがもっと普及して、通貨として利用できるようになったらいいんだけどね(投機利用ではなく)。
通貨として利用するためには、安定性も必要だろうけど、MUFGコインというのが、取引所の売買をつうじてほぼ1円になる水準を維持するようにしてあるようで、通貨利用によさそうだなと思った(どうでもいいけど、調べてみたら「coin」なんていう特徴もなく紛らわしい名前に変わったらしい)。なお、ほぼ1円ではなく、1円と固定とすると電子マネー扱いになり、そうなると100万円超の送金が制限されてしまうらしい。知らなかった。
第9章では中国のAIについて。「BAT」という中国版GAFAみたいなのがあるらしい。Bがバイドゥで、Aがアリババ、Tがテンセントだそう。GAFAにあてはめると、検索が主力のバイドゥがGoogleに、eコマースが主力のアリババがAmazonに、SNSが主力のテンセントがFacebookにあてはまるという感じらしい。Appleにあてはまる企業が載ってないけど、しいていうなら、ファーウェイ何だろうなと思う。
投稿元:
レビューを見る
入門 AIと金融の未来 野口悠紀雄
フィンテックによってドラスティックに変わるであろう金融業界の姿を解説。
銀行におけるAIの活用の可能性に関しては、融資の審査への適用が考えられる。人間の信用力をAIのスコアリングによってはかり、どの程度の融資が可能であるのかという許容額を算出するというものである。そのスコアリングに利用されるデータは、本当にすべてのデータであり、インターネットを活用する限りにおいて、その人の信用力は常に図られ続ける。アリババグループの芝麻信用の話が出ていたが、その人の基本的なうプロフィールから、アリババグループが配信するシェアリングエコノミーの利用データまで、数多のデータからその人間の信用力を計測する。そうして算出されたデータに基づいて融資額が決まり、その結果無担保でお金を借りることが出来る。かつ、その仕組みがある故に、利用者は信用力が高くなるように行動することで
人間の質を向上させるというのである。人間の質とはなんなのかということも考えられられるが、おそらく今後の銀行業務に置ける融資審査は、少額であればAIに代行させ、巨額の融資につき、人間の判断で実行されるというモデルになるのではないか。銀行員が熱意をもって、数字に表れない企業の成長可能性に賭ける時代は終わるのだろうか。
やはり、この本での関心ごとは保険業界の変容である。保険業界の変革は2点ある。一つはテレマティクス保険、もう一つはP2P保険である。テレマティクス保険とは、今まで、自動車保険の等級制度のように、1年に1度のスパンで反映していた契約者のリスク実体に対応した保険料体系を、より細分化して、その時々によって保険料を算出するというものである。恐ろしいのは、人間の体にかかわる第一分野、第三分野である。その人の生活習慣等をリアルタイムで観察し、保険料に反映させる。東京海上日動では、あるく保険という保険商品を開発し、契約者に歩行回数によって、保険料に反映させる商品を世の中に出しているが、アリババグループの衆安保険は、契約者の血糖値データをリアルタイムで計測して保険料を算出するという。保険もアンダーライティングといって、その者のリスク実体をいわば審査する機能があるが、その様なアンダーライティングを常に行うという発想は、やはり銀行行の審査をスコアリングする発想と似ている。ライフログと呼ばれるその人間のリスクデータ、生体データ、さらにはDNAまで保険会社が把握するようになれば、それは一つの民間企業では管理していけない領域のデータとなるのではないか。かといって、政府も管理できるのかは不明であるが、その様な個人の詳細なデータを民間企業が持つ時代が来るのかもしれない。そういった意味では、保険会社は情報銀行構想とかなり親和性が高いとも思うが、そこはやはり法規制の問題が色濃くあり、なかなか埋まらない溝があると思う。
もう一つのP2P保険は、PEER TO PEERの保険ということで、フレンドシュアランスという会社が行っている、友達同士で一定額をプールして、損害金に耐えるというものである。キャタロス(巨額の損失)に関しては保険会社が担保するということで、それ以外の分はP2Pで賄うという発想は、非常にしっくりくる。というのも、人間は保険に入ることで安心してリスクに鈍感な行動をとることや、モラルリスクという不正請求をする可能性がある。社会思想におけるフリーライダーの理屈である。フリーライダーは乗り物が大きければ大きいほど表れやすいが、上記のようなP2Pでは表れにくい。実際に顔の見える友人同士でリスクをシェアするという観点では、人間がリスクを避ける傾向にあると考えられるからだ。保険という仕組みは、非常に良い仕組みであるが、悪用されるリスクもある。人がより良く生きる為の保険の仕組みであることは、保険会社も社会にとっても良いことである。
投稿元:
レビューを見る
★3.4(3.50)2018年10月発行。これを読んで思ったのは、中国の今のキャッシュレス化。最近日本も多くの会社が乱立し始めたが、使える所は限られている。これだけ日本が遅れていると、来年の東京オリンピックでは、多くの外国人が困惑するのでは・・・。それにしても、日本のAI人材の育成が欧米、中国に10年以上遅れていたとは。この本で、AIの基本的なところはわかるが、あまりにも初歩的な内容。これが読まれるといのが今の日本なんだろうな。これから日本が諸外国に追いつけるのか、疑問だが、いや、何としても追いつかねば。
投稿元:
レビューを見る
AIが金融の世界をどう変えるか知りたい人におすすめ。
【概要】
●金融におけるAI活用の特殊な条件
●AIの基礎的な概念
●AIとの関係
金融業務、融資審査、株価予測、資産運用、保険
●中国AIの実力
●日本の金融の対応
【感想】
●第1章は、著者の他書とほぼ同じ内容であり、AIの基本的事項が書かれている。
●金融におけるAI活用の特殊な条件は、他の業種で考える際の参考になる。それぞれの業種でAIどう取り込んでいくか考えなければならない。
●一方で、日本独自で頑張るには限界がある。これをどう乗り越えるか海外の動向を見極めることも重要であると思った。
●また、AIの活用が遅れれば遅れるほど、日本の経済発展は低迷すると感じた。
投稿元:
レビューを見る
入門 AIと金融の未来 (PHPビジネス新書) 新書 – 2018/9/18
日本は人口減少社会であるので特化型AIを最大限活用するべきである
2018年10月2日記述
野口悠紀雄氏による著作。
2018年10月2日第1版第1刷発行
AIやビックデータを活用する社会、金融、保険は
どのような変化をもたらすのか方向性を解説している。
Q&A方式で書かれていて読みやすい。
自分の知りたい箇所からどんどん読むと良い。
印象に残った点を列挙してみたい。
しかし中国や北欧で進むキャッシュレス化や
GAFAのような新興企業とは無縁な日本が
ここから新しい流れを生み出せるのか、あまりイメージはわかない。
ただ今起きている変化を素直な心で受け取り少しずつ始めることだろう。
ウルトラCの解決策はどこにもない。
AIに対してむやみに警戒をする必要はない。
発達しているのはあくまで特化型AI(特定の仕事について、人間と同等にあるいはそれ以上に処理することができるコンピュータ)
映画でイメージされる汎用AI(人間を超えるAI)ではない。
日本は人口減少社会であるので特化型AIを最大限活用するべきである
保険もAIの活用で個々人に最適な保険を提供できるようになる
→テレマティクス保険 ビックデータの活用が大前提
中国のキャッシュレス化の勢いは凄まじい。
アリペイやウィーチャットペイの支払いが日本でも可能になると状況が大きく変わる可能性
日本の高等教育は先端分野の専門家が少ない
日本の大学学部も伝統的な産業分野に偏っており時代の変化に対応できない
投稿元:
レビューを見る
AIに関する知識が薄い中で漠然としたビジネス活用を論じるのは危険なため手に取ってみました。
単純な用語解説にとどまらずFAQ形式でまとまっており、金融への派生がどのようになっているかを俯瞰的に捉えられました。
投稿元:
レビューを見る
AIの金融分野活用に関する幅広いトピックを一問一答形式で答えてくれる一冊。
AIを支える基礎技術から始まって、信用審査、顧客のスコアリング、テック企業の金融分野参入、株価予測、新しい保険、キャッシュレス社会の展望、仮想通貨による資金調達など、幅広いテーマが扱われていて興味深い。
発行から5年近くが経過しているので、現状は本書の内容と変わっていそう。そこは自分で知識のアップデートが必要そうで、改訂第2版を期待したいところ。
株価予測については、AI予測のベストプラクティスは誰でもハードル無しですぐに真似できるので、AIの優位性は長続きしない、という著者の見解に納得感があった。