紙の本
エッペン、ヴォルテックス、チビタンがわかる人の感想が知りたい。
2019/03/27 16:56
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段現代小説はあまり読まないのだが、友人が「こういうのは好きではないか」と紹介してくれた本。植物研究に入れ込む女性を好きになった料理人はどうなる・・?
設定で描かれる大学研究室の様子がリアルすぎて、似たような出身の読者にはストーリーに入りきれないかもしれない。どこの大学がモデルなのか、すぐにわかってしまう書き方でもあるからかもしれないが、「研究室あるある」の部分があちこちにある。
「生命」を題材に最新知識を入れて書かれた小説、というあたりは上橋菜穂子「鹿の王」に近い気もする。だが、現実に近すぎる取り上げ方のためか大きなテーマがまだ少しこなれていないようにも思えた。
小説に登場するエッペン、ヴォルテックス、チビタンなどの用語がわかる人は普段こういう小説を読むだろうか。読んだことがなければ一度読んでみた感想を教えてほしいもの。
紙の本
きっとそれも愛
2019/01/24 11:53
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白いけど藤丸と師匠の関係性は「政と源」のつまみ細工職人師弟関係そのままでした。もうちょっと捻って欲しかった。
藤丸と木村は恋愛関係には発展しなかったけれど二人の間に心の交流があったし、藤丸は植物と木村はじめ、研究室の面々を理解しようと努めた。
これも立派な愛だと思った。
紙の本
フラ丸LOVEと不審者本村
2018/10/17 15:50
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
洋食屋と葉っぱ研究のコラボ。何かに熱中する者の情熱を『風が吹いている』以来久々に感じた。読後の元気に明るい気分になれる三浦しをんの作品が復活した感がある。
紙の本
何となく分かり合えてる。
2018/10/02 20:29
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
理系研究室の女子と赤門を出た所にある食べ物屋の見習いくん。
植物を研究してる人達と植物を料理してる人達の分野や学歴を超えて何となく分かり合えてる人達。
一見殺し屋に見える教授のエピソードが主人公達より鮮明に残ります。
愛がなくても生きてる植物を中心に、愛に溢れた人たちのお話です。
装丁の美しさにうっとりです。
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
洋食屋の青年である藤丸が慕うのは「植物」の研究に一途な大学院生である本村さんという設定がまず変わっているなあと驚きました。植物の研究をしている、大学の研究室が主な舞台なので、専門的な用語や描写が多数登場してきました。
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「知りたい」って思い続けられるのはなんて凄いエネルギーなのだろう。
専門的な説明も多かったけど、藤丸くんのおおらかさのお陰か、さほど苦にならずに読み進められた。
しかし、この作品に「シロイヌナズナ」という言葉は一体いくつ出てきたのだろう?
誰か「知りたい」と思いたち、数える人はいるだろうか(笑)
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奇妙な人々を描くとき、三浦しをんは輝く。舟を編むの男女逆版、とまで単純ではないけれど、そのような趣きの一冊。静かだけれど情熱的な登場人物たちの情熱が、眩しいです。少し、続編に含みを残しているように思ったけど気のせいか?
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T大前の洋食屋で働く藤丸が恋をしたのは、植物を愛する大学院生の本村。
物語序盤で早々に「フラ丸」となるが、植物の研究に没頭する本村を優しく見守る藤丸が何とも言えない。
シロイヌナズナの遺伝子の研究部分の描写がやや専門的で、読みにくい部分はあるが、主人公の2人を始め、死神のような指導教授の松田、サボテンを愛する加藤など、登場人物がみな個性的で優しい。
植物の世界に感情もないし、もちろん愛もない。
そこから、このタイトルが付けられているが、「愛なき世界」が実は愛に溢れていたことに気づいていく様子は、心が温かくなって来る。
もう少し、恋愛要素が多いのかと思っていたので、いい意味で裏切られた気分。
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国立T大学赤門近くの洋食屋「円服亭」の住み込み店員藤丸陽太と、T大理学部で植物学を専攻している大学院生・本村が主人公。植物に恋し、日々を捧げている本村に恋をした藤丸。いわゆるお勉強が苦手なタイプの藤丸だが、本村をはじめとする松田研究室の人々との交流で、植物の魅力を共感し、その不思議を解き明かそうとする本村たちを美味しい食事を作ることでかげながら支える(?)藤丸は一生懸命研究に打ち込む本村といい組み合わせのように思った。
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料理人藤丸くんの植物研究一筋の本村さんへの恋。
藤丸くん目線の時は読みやすくて良かったんだけどなー。
視点が本村さんになったら、研究の話が多く斜め読みしてしまった。
でも女性で植物研究をして就職とか難しいだろうし、男性よりも研究を続けるのは難しいのだろうと、本村さんの不安や葛藤は読み手に分かりやすく、松田研究室の皆の仲の良さや、ひたむきは伝わってきた。
本村さんの植物愛が話の軸になるので仕方ないけど、やっぱりこのボリュームで研究の話が多くなるのはしんどかったなー。
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三浦しをん作品は好き。
でもこの作品はイマイチ入り込めなかった。
理系女子の心理、難しい…
どうでもよい余談だが、昔、東大の近くに住んでいたことがあるので、なんとなく作中の風景が頭に浮かんで、個人的に懐かしさの中での読書となった。
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専門用語が続き諦めそうになったが 、2人の事がどうにも気になり 頑張って読了!
「俺が植物よりも魅力がないせいです!」‥こんなセリフを言わせてしまう 理学系女子ってスゴイ^^;
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愛について、大いに泣いた。気孔の白黒写真をTシャツにしちゃったやつ、欲しい。しをんちゃんの描く世界は優しい人達ばかりでとても癒される。
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町の小さな洋食屋で大将にしごかれながら料理修行に励む青年・藤丸は、店の常連で、植物学を研究する大学院生、本村に恋をした。
研究者たちと親しくなるにつれて、藤丸もまた植物の魅力を知り、さらに本村への思いを募らせるが、本村は『愛がない世界に生きている植物』に夢中で、人間の恋愛にはまったく興味がないのだった。
はぁぁ、面白かった。
しをんさんの作品の登場人物は、誰もかれも、なんて愛おしいんだろう。
藤丸も、本村も、松田教授たちも、大将や常連さんたちも。
勢いで告白してフラれたり、大将や常連にからかわれたり、研究室の皆と芋掘りをしたり。
小さな種を気が遠くなるほどの根気で交配させる実験に打ち込み、舞い上がったり失敗したり。
藤丸と本村のふたりはそれぞれ、自分の選んだ道に心をときめかせて向かいあい、知らず励まされたり心なぐさめられたり。
結局、藤丸は2回告白して2回ともフラれ、きっとこれからも人間としての恋が叶うことはなさそうだけれど…明日からも嬉しそうに料理を作り、喜びを感じて生きていく。
「その情熱を、知りたい気持ちを、『愛』って言うんじゃないすか?」
「みんなおんなじだ。同じように、愛ある世界を生きてる」
「植物は光合成をして生き、その植物を食べて動物は生き、その動物を食べて生きる動物もいて……。結局、地球上の生物はみんな、光を食べて生きてるんだなと」
なんて言葉。すごい。
全編通して嫌な気持ちになることなく、明るくユーモラスな日常の物語で何度も吹き出して、なのに、読了してにっこり、不思議と幸せな涙がじわーんとにじんでくる。
藤丸くん、いいなぁ。
健やかな明るさに満ちていて。
もしかして幸せって簡単かも?って気がしてくる。
現実には、日曜日の終わりかけのこの時間、明日のことを思って早くもブルーになってしまったりしてるわけで…とほほ。
私は、本の中の光も食べられる人間で良かったと、つくづく思う。
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大学の博士課程で植物の研究をしている女の子と、彼女に恋をしてしまった近所のレストランの駆け出し料理人の男の子。
女の子と同じ研究室にいる面々も、料理人の男の子の師匠もみんな、「変わって」いる人ばかり。
でも人それぞれ価値観は違って当たり前。その人なりの価値観を受け入れて尊重しつつ、お互いを思いやりあえる登場人物たちがとても良いなと思った。読後に清々しさの残る一作。