紙の本
マイマイ
2022/02/27 20:44
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投稿者:TOM - この投稿者のレビュー一覧を見る
「スピンモンスター」も「シーソーモンスター」も言葉のテンポが良かった。未来と過去が繋がるのは嬉しい。この作中の絵本、読んでみたいです
紙の本
対立する2人の関係性がよかった
2021/08/21 12:21
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投稿者:くらひと - この投稿者のレビュー一覧を見る
古来より続く海族と山族の対立を描く中編2作。
嫁と姑の対立のシーソーモンスターは、最初は物語の着地点が見えず読むのが厳しかったが、嫁が動き始めてから面白くなってくる。
スピンモンスターは、シーソーモンスターを経て構造が分かっているからか、楽しく読み進められた。人工知能が支配する社会に立ち向かう主人公、というのも伊坂幸太郎の得意とする分野であるが、今回は海族と山族の対立の軸があり、また違った印象を受ける。
最後、水戸に檜山が会いに来る場面が良かった。
紙の本
面白かった!
2019/11/30 16:33
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投稿者:じゃび - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作『シーソーモンスター』も後半の『スピンモンスター』も、著者の過去昨と似ているようで意外な方向にストーリーが展開。面白かったです。
他の方も言っておられるように、劇中の絵本「アイムマイマイ」を読んでみたい。執筆されないかなあ。
紙の本
「アイムマイマイ」が読みたい
2019/08/08 19:25
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
嫁姑問題を伊坂幸太郎が書く!...というわけではなかった(笑)
相容れない血を持つ二人が作り上げた絵本を読んでみたいと思わずにはいられない。世の中の裏側を見た二人が子供たちのために書いた絵本なら是非とも読みたいところ。
反発しあう海と山の一族の間にようやく生まれた子供である「アイムマイマイ」はどんな素晴らしい物語なのか。
伊坂先生、書いてくれませんか?(笑)
紙の本
伊坂ワールド!
2019/08/07 12:40
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投稿者:のこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2話で構成と思いきや、雑誌の企画に出されてた2話だったとは。ある設定縛りで他の作家さんも、別時代のお話を書かれてるそうで、気になるなぁ。
平凡から繋がるハードボイルド。広がる世界観。知らずにいられるのが、花なのかも。
アンソロジーでまとめた本出てないかな。
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伊坂幸太郎でした
2019/07/26 08:03
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投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
変化があってはじめて人間は進化する。争いが起きなければ何も進まない。山賊と海賊をスクリーンとして展開するドラマはワクワクの連続でした。嫁、姑の関係からの展開が面白かったです。絵本作家になったとは…。
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まあまあ
2019/05/23 15:34
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投稿者:りえみり - この投稿者のレビュー一覧を見る
シーソーの方は、自分も嫁なので、嫁姑問題は楽しみながら読めた。
スピンは、近未来こういう事が、起こるかもなと考えながら読みすすめた。
ただ、伊坂作品はほとんど全部読んでるが、
今回の海族、山族は少し無理のある設定に感じ、あまり好みではなかった。
電子書籍
これぞ
2019/05/20 04:17
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投稿者:Yukitoshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊坂幸太郎作品ですね。二部から構成される本作で過去と未来が繋がっています。非常に楽しく読むことができました!
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和、バブルに浮かれる日本で平凡に暮らしていた北山家。読め歯しゅうとめの周辺での出来事に疑念を抱くことに。
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伊坂ワールド堪能。【シーソーモンスター】も【スピンモンスター】もそれぞれに奥深くて、ちょっと温かくて、少し切なくて、家族もライバルも友達も恋人も仲間も皆良かったな。どちらかと言ったら、【シーソーモンスター】の方が印象深かったかも。螺旋プロジェクト。壮大なタペストリー、この目で確かめたいな。他の作家さんの作品も読みたくなりました。
―争いは無くならない。
―ならば、僕らはどうしたらいいんだろう。
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この作品は螺旋プロジェクトによる中編2作、連作です。
『シーソーモンスター』
米ソが、冷戦状態にあった昭和後期(バブル期)の日本が舞台。
情報員の仕事をしていた宮子は、仕事中に新幹線の中で、偶然知り合った北山直人と結婚して仕事を辞めます(情報員だったことは秘密)。しかし結婚後同居した義母との折り合いが悪く、また義母の周りであまりにも事故死が多く、宮子は義母を疑い始めます。そして次は自分の命が狙われているのではと確信を持つようになりますが・・・。
ラストはやっぱりいつもの伊坂さんでした。
悪人も出てきますが、嫁、姑のバトルは思わぬ方向へ進み、最後はクスリと笑うことができました。
『スピンモンスター』
近未来の2050年の日本が舞台。
両親と姉を交通事故で失った水戸直正。やはり同じくその事故で家族を失った檜山景虎。二人は総合学校4年の時に偶然再会し、対立しています。
その後直正はフリーの配達人の仕事に就き、新札幌駅行の新幹線の中で出会った、科学者の寺島テラオに頼まれ、彼の同級生の中尊寺敦とかかわり警察と(檜山も警察官としてまたしても再会)ウェレカセリ(人工知能)の手から逃げます。寺島の残した「君の言うとおりだった。オツペルと象」という手掛かりをもとに仙台から東京へと逃げて、人工知能の暴走を止めようとしますが・・・。
『シーソーモンスター』に出てきた人物の再登場とその人物が大活躍するシーンが読みどころでした。
最後は『フーガはユーガ』に続きまたもや、悲しい終わりですか?伊坂さん。と思いきや、今回は希望の光がみえました!
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シーソーモンスターは「奥様は取扱注意」みたい。スピンモンスターは得意の管理社会もの。両方とも面白く、螺旋プロジェクトが良い方に作用していて、いつもの著者よりも読みやすい印象。スピンモンスターの結末は、自分には若干中途半端な感じに思えたが、どうだろうか?
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水と油は混ざらないけど、界面活性剤で混ぜることはできる。
嫁姑問題も彼らの問題も、何かの作用で。
だけど、何かの作用が何なのかによって方向性は大きく変わる。
恐ろしい近未来とは、すでに現在なのか。
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かなり大詰めのところでお米が炊き上がりそうになって、ああ、どうしてこんなタイミングで、と嘆きながらも自炊をはじめ、そうしたらわたしの頭の中でその先の物語がどんどん膨れ上がっていって、嫌だそんなの嫌だ、そんなわけない、と頭を振ったり目をつぶったり、包丁を持つ手がおぼつかない。手が、身体がかくかくと、震え始める。
さあ、ご飯ができたぞ、早く食べて続きを、と思ったところで楽しみにしていたラレジエーションハウスが始まりそうになって、ああ、どうしてこのタイミングで、と嘆きながらもラジエーションハウスが始まったら一気に夢中になって、そうしたら今度はドラマの合間の車のCMで自動運転がなされていて、気持ちはすぐに物語へ戻る。
で、結局ラストは想像と違ったわけだけれど。
伊坂先生の呼びかけで始まったという「螺旋プロジェクト」。伊坂先生の新刊(本作品)が出版されるのは知っていたし、この企画を知ったのは朝井さんの作品に触れている時だったのだけれど、本当にちょうどいいタイミングで朝井さんの作品を読み終え、本作品を購入したので、続けて読んでみました。
またしても一気読みで読了。いつも、主人公が追い込まれて追い込まれて追い込まれた時の、あの緊張感と臨場感は、息をすることすら忘れるくらい。
伊坂先生の作品に出てくる女性は、いつも強い。女性に対する敬意のようなものが感じられて、結構好きです。今回は、綾瀬はるか、でしょうか。そして、平凡な日常を送る平凡な男性主人公、といえばやはり濱田岳がしっくりきます。
「シーソーモンスター」:本作品では螺旋プロジェクトが背景にあるから、海とか山とか、そうしたことでの対立として描かれているけれど、実際問題、自分と似ているからこそ、相手の反応の裏とかまで全部わかってしまって、イライラして、でも距離を置くととても心地よく関われるっていうこと、あるなーと思いました。そして夫婦愛に癒された。
「スピンモンスター」:モダンタイムスを読んだ時に感じたような、空恐ろしさがありました。LINEに疲れてガラケーにした、という大学生のインタビューを見たことがあって、もう片足突っ込んでるな、みたいな。大切なデータがハッキングで見つかるより、紙に書いて分厚い本に挟んだ方が見つからない気がする。結局、便利さというのは代わりに個人情報を差し出すようなもので、それが進むと、個人情報が裸で歩きまわる、監視社会となる。それで結局また、アナログに立ち返る。
伏線回収は今回もお見事ですが、一点、どうしてもわからなかったところがありました。ここからは物語の核心にふれるので、読もうとしている方は絶対に、絶対に読まないでください!
さて、その疑問点というのが。中尊寺敦がしていた人体実験、つまりは水戸の眼に埋め込まれたカメラなんですけど、あれって、水戸が遭った事故のあとに運び込まれた病院で埋め込まれたわけですよね?ということは、その事故に遭った時にはまだカメラは埋め込まれていなかったわけで、どうして水戸はデータセンターで事故の場面を確認することができたんだろう、って。この疑問だけがずっとぐるぐるしていて。本当は水戸が檜山で、その光���は檜山のものなのか!?とも思ったのですが、どうやらそれも違いますよね。
お分かりになる方は、教えていただけたら幸いです。
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「シーソーモンスター」
面白企画。
まず、螺旋プロジェクトについて話さねばならない。螺旋プロジェクトとは「小説BOC」1~10号に渡って連載された作家8組による文芸競作企画である。古代から未来まで日本で起こる「海族」と「山族」の闘いを描くと言うテーマを持ち、それぞれが小説を書くと言う一風変わった試みで、「シーソーモンスター」は近未来を舞台にした、朝井リョウ「死にがいを求めて生きているの」に続く螺旋プロジェクト第2作となる。
螺旋プロジェクトに参加する作家は3つのルールを遵守する。
ルール1:「海族」と「山族」、2つの種族の対立構造を描く
ルール2:全ての作品に同じ「隠れキャラクター」を登場させる
ルール3:任意で登場させられる共通アイテムが複数ある
というもの。ルール1を見破ることは可能だが、ルール2&3に気づくのはなかなか難易度が高そうであるが、読者を惹くフックとしてはなかなか興味深い。
さて「シーソーモンスター」なのだが、近未来をテーマにしているものの、始まりは昭和後期の平凡だが平和に暮らしていた夫婦を襲った危機である。この危機を乗り切った夫婦に導かれた1人の手紙配達人を巻き込む事件が、2050年に勃発する(こちらはスピンモンスター)。
ちょっと気弱だが正義感はある。が、おっちょこちょいで鈍感な男は、たびたび伊坂幸太郎作品に登場すると記憶しているが、実はその男はなんでも知っているといった秘密兵器に近いストロングポイントがあるわけでもなく、ただただ平凡な男であり、実は秘密兵器ならぬ最強兵器はその妻であった、と言う組み合わせも馴染み深い。更に、2050年後に登場するキーマンであるが、この男ももはや顔なじみキャラに近い雰囲気を醸す。ああ、あいつみたいな奴ね、と合点しちゃうくらいの馴染み感。伊坂幸太郎の味が染みてる。
海族と山族の対立が齎す結末はちょっと予想外。スピンモンスターの中盤までが醸し出すいつもの味から一転、こんな形になるとは。
水戸直正を想うと辛いものがあり、彼に課せられた試練の結末には謎がたっぷり残ったなと率直に感じた。いつもは作品により形は違えど余韻が残るが、こんな謎残しは、伊坂幸太郎では久々な気がする。やはり、螺旋シリーズが関係してるのだろう。