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電子書籍
広く遍く拾ってある名著
2020/02/28 11:00
13人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:漣 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホモデウスを読んだときと、同様の感覚になりました。
知らないことを知る悦びですね。
本書にこんなことは一言も書いていなかったかもしれませんが、私は『文明は発展したが、ヒトは一歩足りとも前進していない』そんな風に読み取りました。
それを悲観的に捉えるか、ありのままに捉えるか、可能性を諦めないか。
少なくとも私は絶望視はしていません。
こういう本を書いて下さる方が居る限り、まだまだ世の中捨てたもんじゃないよと思わせてくれました。
いい本に出会えた奇跡と筆者の出口さんへ感謝します。
ありがとうございますm(__)m
紙の本
古代ギリシャから現代に至るまでの哲学と宗教について解説した画期的な一冊です!
2020/02/28 11:19
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本人があまり知らない宗教と哲学について、古代ギリシア時代からヘレニズム時代を経て、ルネサンス、宗教改革、さらに近代から現代に至るまで、当時の社会や世界に影響を与えた哲学者及び宗教家とその思想、信仰をつぶさに解説した画期的な一冊です。これ一冊を読めば、世界における哲学と宗教の歴史の概要がよく分かります。また、それらの一つひとつの思想は、現代の私たちの社会においてもとっても有用です。
紙の本
人類の「知の系譜」を通観できる歴史書
2022/04/24 22:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
450頁超の大部な本書を書店で、これなら読めそうと活字の大きさやビジュアルの有無を確かめてから買い求めた。古代より現代に至る思想家の出現を対比した「年表」が巻頭と巻末に綴じ込まれており、相関関係や対立構造が辿れて便利だ。
尤も、人物索引や事項索引が設けられていない点は「学術書」としては如何なものか。主にビジネス書を手掛ける出版社が、初めからビジネス・パーソン向けの「教養書」としての位置付けをしたせいだろう。
民間企業のトップを務め、国際交流・異文化相互理解を目指すユニークな大学の学長たる著者ゆえに、哲学と宗教の「通史」を語る筆致にも教養志向が窺える。
「人類の知の葛藤から生み出された哲学や宗教を学ぶことは、日常のビジネスの世界にとっても、有益となるのではないかと思うのです」と著者は、はじめにで執筆目的を吐露する。
ふんだんに肖像画を載せるのも、思想家たちが「同じように血の通った人間なのです。ぜひ、彼らの生き様を皆さんのビジネスに活かしてほしいと思います」との配慮からだ。
思想家たちの主要著作の邦訳本を著者が懇切丁寧に紹介してくれるので、読者は興味関心をもった哲学者の原典に当たれば、論説・主張の理解を深めることができる。
馴染みが薄く基礎知識に乏しいセム的一神教「イスラーム教」の発展(ムハンマドの後継者争いからシーア派・スンナ派に分裂)の歴史を説く第8章が有益だった。ギリシャ哲学、ユダヤ教、キリスト教との密接な関係や東南アジア地域が最大のイスラム教徒を抱える現実など、いずれも興味深い。
私は唐宋での「禅宗」発展史と周張二程から朱熹に繋がる儒教(朱子学)大成の歴史に関心があったのだが、「年表」を見れば判るけれど、中世以降はもっぱら西洋世界の思想史・宗教史(ルネサンスや宗教改革など)が中心となるため、第8章(4)節での「仏教と儒教の変貌」と題しての概観的記述に止まった点が少し残念な気がした。
とは言うものの、人類の「知の系譜」を通観できる歴史書として、本書は通読に値する価値があると断言できる。20世紀を代表する哲学者に僅か五人しか選ばない(ベルクソンやハイデガーさえ落選させる)著者の勇気と英断に、正直舌を巻いた。
紙の本
これは、すごい本!
2022/04/23 16:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
哲学なんて絶対に避けて通りそうな分野でした。
ひょんなことから、何か偉大なる力?に導かれ、この本を手に取っていました。
分厚くて、読める自信はありませんでした。
が!
読んでしまいました。
書かれた内容を理解するのは難しいですが、読むことが全く苦にならなかったのです。
きっと価値ある本だと思います。
予定が入っていてゴールデンウィークが明けないと読めませんが、最初から再読するのが楽しみです。
紙の本
快読体験を与えてくれた、読むに値する一書でした。
2024/04/21 01:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
第3章まで辛抱して読んだところ、第4章から一気に見通しが拡がり、以降一瀉千里で読了。単に知識の羅列ではなく、語源や事物の由来・淵源、事件・事象の背景などなどにもいい感じで寄り道しつつ、哲学と宗教という切り口から人類の知の営みを通観できた極上の読書体験を得られました。
「世界に存在する事物の真実の姿が永遠に認識不可能なのであれば、認識すること自体に論点を引き戻さなければなりません。「認識は対象に従って決定される」から、「対象は認識によって決定される」への変換は、まさに「コペルニクス的転回」であったと思います」(357頁、カントの項)。
「存在が世界を規定しているのではない。言語が世界を規定しているのだ ・・・ 人間は言語という記号を使い、世界に区切りをつけることによって世界を認識する」(424~5頁、ソシュールの項、シーニュ(記号)=シニフィアン(文字と音声)+シニフィエ(概念)であり、シニフィアンとシニフィエの間に必然的な関係はない)
「世界の客観的存在などありえない。あるのは言語だけである ・・・ 「言語論的転回」と呼んでいます」(433頁、ウィトゲンシュタインの項、言語=自然言語+科学的な言語)。
「社会の構造が人間の意識をつくる。完全に自由な人間なんていない」(441頁、レヴィ=ストロースの項)。
叙述の濃淡や深浅、粗密があり、そうじゃないんじゃないかという箇所も幾つかありましたが、誤植のない丁寧な仕事ぶりにも好感。特に、イスラム教とカント哲学に関する記載が個人的にはよかったですね。