紙の本
縁の結び方と切り方
2023/07/26 09:02
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
離縁がらみの民事訴訟を担う江戸時代の仕組み・公事方を舞台に、主人公・絵乃の自立する女性への成長が描かれる物語。女性が自らの手で自らの人生を決めることの大切さ、生きる力を信じることの大切さを、あらためて知ることになる。人の生きざまにおいて、縁を得ることは、人生のターニングポイントになり、時として離縁も生き方の舵を大きくきることになる。ただ離縁は目的ではなく手段であり、離縁が成り立たないとしても、人生の方向性を改めることになると思った。
電子書籍
江戸時代の離縁事情
2023/07/12 18:45
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
離縁調停を得意とする公事宿「狸穴屋」を舞台に、江戸時代のさまざまな家族の縁を描いた人情時代小説の文庫化。
連作形式で夫婦不和や嫁姑・親子問題など、江戸時代の生々しい離縁事情が、今の時代にも通じる身近さで描かれていて素直に面白かった。
男女間の気持ちの切れ目や再燃、未練の描き方も精巧を極めていて、時代小説が苦手な人にも幅広くオススメしたい作品。
見習いの主人公への丁寧な説明があり、解説と併せて新たな知識(歴史)も知れて、勉強にもなった。続編が楽しみ。
紙の本
いろいろな縁がある
2023/07/10 14:53
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
良い縁、悪い縁、どれも縁には変わりはない。
卑劣で同情のかけらも持てないような夫と別れる為、主人公が重い腰を上げる。
なかなか踏ん切りがつかなかった主人公にそっと手を差し伸べ、引き上げてくれようとする者たちが現れる。その手を握るか離すかは本人次第。
他のいろいろな人生を見ていくうちに、決心が固まっていくプロセスが巧みだと思いました。自分の人生なのだから、大切にしなけりゃ、そう言われているようでした。
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わかれ縁/二三四の諍い/双方離縁/
錦町蔦/思案橋/ふたたびの縁
繋いだ縁を解く仕事を、江戸の請負人が勤めます。
新しい縺れが無いように、するりと解けたらスッキリしますねきっと
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まずブクログで記録している本では祝2000冊完読!
それが西條奈加さんの時代小説というのはらしいなぁ(笑)
やはり時間がかかりますね。
で、肝心の本の感想を今回は公事宿(離縁を扱う公的機関)が舞台。
今も昔も離婚は大変ですよね。三行半くれない男もいるわけだし、呑む・打つ・買うをするろくでもない男と結婚してしまった絵乃。
彼女が離縁するためには大金が必要。そのために縁ができた狸穴屋で働くことに、さて、この始末はいかに。
今回も楽しく読ませてもらいました。こうした作品が増えることを本当に思いますね。
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ちょうど出張中に読み終えた。わかれ縁、皮肉にも縁が有って一緒になった人を別れさせる内容だが、別れたくても事情が有って別れられない同僚の話を聞いたばかりだったのでこの小説に不思議な縁を感じた。主人公の絵乃を素敵な人達が取り囲むように物語は展開される。親子の繋がりも優しく強い表現で描写しており折れそうな心を支えてくれるような暖かい一冊でした。続編が出たらまた読みたい。
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西条奈加は 上手ですねえ!
気持ちのいい収まり方をする話しです。
これは シリーズものになりそうですね。
やっと一緒に暮らせるようになった絵乃と母親
どっちも男で苦労したけど やっと幸せがつかめそうですね。
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ダニみたいなダメ亭主の借金に追われてこの世の終わりに遭ったかの如く絶望していた絵乃が公事宿に拾われて他所のもめ事に関わっていくうちに経験値を上げて逆にダメ亭主を陥れる話。女性の敵はことごとく滅びよ。
江戸時代の離婚したい妻って縁切寺に駆け込むしか方法が無いのかと思っていましたが、公事宿なんてものもあったんですね。お金かかるけど。今と比べても割と合理的な調停の仕組みが揃って機能していた事も知れてなかなか興味深い一冊でした。
なお、「西加奈子って時代ものも書いてるんだ」と完全に著者名を読み違えて手に取ったことはナイショです。
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西條さんの作品は、女性たちが逞しく生きていくものがやはり好きだ。絵乃の素直さと賢さが良い。離婚・再婚歴も仕事に生かす、理想の上司みたいな桐や、退職した志賀の活躍も気持ち良い。
公事に関わる職業や色々なことが詳しく書かれおもしろい。
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あっさり読めそうだ、と思ってたんだけど、最後はなかなかハラハラする展開で、最後は良かった良かったと、涙が出た。
ヒロインの絵乃の最後の意趣返し?はとんだ悪女やで!と思った。もちろん嫌いではないし、元亭主の富次郎は島流しの上で悲惨に死んでほしいけど、最後の言葉、絶対戻って来るやつやん…((((;゚Д゚))))
おっかさんが悲惨すぎる。せめてこれからは絵乃と幸せに暮らしてほしい!
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偶然の出会いから公事宿で働くことになった女性と公事宿の面々、持ち込まれる問題のお話。
もっと続きがよみたいと思ったら、シリーズ化されているようで嬉しかった!さすが西條奈加の世界という感じでオススメ。短編連作。