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BBさんのレビュー一覧

投稿者:BB

3,191 件中 16 件~ 30 件を表示

紙の本

紙の本李朝残影 反戦小説集

2022/09/07 13:43

梶山季之すごい

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「週刊誌のトップ屋」、流行作家、通俗小説、といったイメージしかなかった梶山季之という作家の印象ががらりと変わる短編集。
日本植民地下の朝鮮半島を舞台にした短編が5編。
ほかの出版社からも出ている「族譜」や「李朝残影」はもちろん、他の作品も強いインパクトを残す。梶山季之とは、実はものすごい作家だったのではないか。
朝鮮半島生まれの日本人である梶山に、戦争(軍国主義と人間)がこのように影を落としていたのかとはじめて知る。
「反戦小説集」となっているが、「反戦」という言葉では収まりきらない人間の弱さや社会の構造的暴力までもを描いた作品群。
歴史の大勢に流されていく登場人物の姿を目の当たりにする読者は、それが遠い昔に限った話ではないことを、意識せざるを得ない。

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紙の本

紙の本わけがわかる小学理科

2022/03/14 19:09

大人の学び直しにも

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

氷は水が固体になったものなのに、なぜ浮くのか。水と氷だと重さが違うの?
棒磁石を二つに割ると、S極とN極はどうなる?
子どものために購入しようとパラパラめくった時、そこに書かれている簡単そうな問い(Q)に、ちゃんと答えられなかった。
これはまずい、と思い、すぐ購入した。
「だってそういうものだから」と思い込んでいることにも、理由や原理がある。
自分はそういう点をないがしろにして、理科を暗記科目としてきたなと反省させられる。子どもに読み聞かせてもよし、どさくさに紛れて大人が理科を学び直すにもよし。
いい本を見つけたと思う。

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紙の本

紙の本山川詳説日本史図録 第9版

2022/03/07 11:44

充実してます

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

オールカラーで情報がぎっしり。高校の歴史教科書の副教材として使われるものとみられるが、一般の歴史教養として、読み物として、秀逸の一冊。索引もあるので、調べやすく、内容も詳し目なので調べたいことの一歩先の知識まで得られる。
ちょっとした単行本や問題集より安く、お得感もある。関心がある子供なら小学生でもとっつきやすいと思う。

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紙の本

至極まっとう

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

関東大震災後に朴烈と一緒に拘束されて大逆罪でも死刑宣告された金子文子の手記。
無籍者、まさに底辺から、近代日本国家に抗った女性だが、その荒削りの言葉には、もの凄い力がある。
そして、言っていることは、至極まっとう。
たとえば。
「私は今、はっきりとわかった。今の世の中では苦学して偉い人間になれるはずはないということを。いや、そればかりではない。いうところの偉い人間なんてほどくだらないものはないということを。人々から偉いと言われることに何の値打ちがあろう。私は人のために生きているのではない。私は私自身の真の満足と自由とを得なければならないのではないか。私は私自身でならなければならぬ」
最高。

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紙の本

紙の本水曜日の凱歌

2022/02/17 15:16

多くの人に読んでほしい

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今ではあまり知る人もいない、特殊慰安施設協会(RAA)が題材。主人公の少女が、日本の敗戦に向き合う物語だ。
終戦の日のわずか3日後、当時の内務省は、求められてもいないのに、占領軍向け慰安施設を設けるよう各府県へ指令した。「一般婦女子を守るために同族女性をもって防波堤とする方策」という、いわゆる「性の防波堤論」である。
実際に「女事務員募集」などと集められた女性が米兵らの性処理をさせられたようだ。だが実際、「防波堤」にはならず、何より「防波堤」とされた人のことを考えると胸が苦しくなる。
そんなつらい史実を、小説の形で、決して感情的になることなく、その時代の少女の目を通して淡々と描いている。
文化庁芸術選奨大臣賞も受けた良作。多くの人に読み継がれてほしい。

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紙の本

紙の本看守の流儀

2022/02/14 19:29

一気読み

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

久しぶりに一気読みした。
金沢の加賀刑務所を舞台にしたいつつの連作ミステリー。受刑者となった、元・有名歌手の手記が毎回冒頭に登場。
5つの物語が次第に一本の線でつながり、最後にはあっと驚く真実が明かされる。
単行本刊行時に横山秀夫さんが「ドストライク」と言っていたように、横山さんの作品が好きな人は絶対に楽しめると思う。

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紙の本

紙の本ある奴隷少女に起こった出来事

2022/02/11 15:42

奴隷少女の自伝小説

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

アメリカでBLM運動が盛んになってから手に取って、いろいろ驚いた。
まず、この小説が、実話であること。歴史などで多少学び、知識も多少あり、奴隷の置かれた状況はなんとなく想像はしていたものの、それを絶する壮絶な内容だったこと。
次にこの小説がアメリカでは有名な古典であること。著者不詳のフィクションだと言い伝えられていたこと、さらにしばらく忘れられていたが、調査研究により、黒人女性であるハリエット・アン・ジェイコブスによる手記だったと判明して、ベストセラーになったこと。
訳者あとがきによれば、偶然を経て、日本語に訳され、自分がこうして読めたこと。
帯に杏さんが「160年前の異国の話だけど、知らない、分からないですませたくない」と書いているが、本当にその通り。
佐藤優氏の巻末の解説も素晴らしい。

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紙の本

紙の本夜が明ける

2022/01/26 16:57

胸が苦しくなるけど・・・

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この世の中にはどれだけ闇が広がり、何と息苦しいのか。読んでいて息苦しくなるような内容だった。フィクションでありながら、読んでいる誰もが、いつかどこかで経験したことのあるような苦さがあふれているから。
主人公は「俺」。高校時代に出会った「アキ」こと深沢暁との、30代までの友情や軌跡、葛藤が描かれている。
世の中には自分だけの努力ではどうしようもないことがたくさんある。ちょっとした巡り合わせやきっかけで転落もする。貧困や虐待、ブラック企業、ハラスメントは大事に至るまで顕在化しにくいが、どこにでもその芽はある。それを目の当たりにしたときに、私たちは何ができるのか。自分だったらどうするのか。
登場人物たちにぐいぐい引き込まれ、真剣に考えさせられた。全体が重く、胸が苦しくなるような内容だが、最後には少しだけ希望の光を見ることもできた。
「夜が明ける」というタイトルには、そんな希望が込められているんだろうなと思った。

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紙の本

紙の本くらしのアナキズム

2022/01/09 16:44

目からうろこ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「アナキズム」と聞くと、なんだか不穏なイメージがある。それは日本語の「無政府主義」という言葉の影響が大きいと思う。
この本の筆者に言わせれば、アナキズムは、国家に囲まれた自分たちの生について立ち止まって考えてみる、ひとつの態度のようなものだ、という。
支配のない状態を指す「アナーキー」を求めるのがアナキズムだとしたら、私がこれまで思っていたイメージは、アナキストと言われる人たちが、その実現のために引き起こす抵抗や革命に伴う暴力への嫌悪だろう。

とはいえ、国家や制度、権力がなくなったら野放図になるのでは、収拾がつかなくなるのでは…
といった疑問にも、筆者は本書の中で、うまく答えてくれている。

そしてこう述べる。「想像すればするほど、ぼくらの「あたりまえ」が問われはじめる」と。

「くらしのアナキズムは、目の前の苦しい現実をいかに改善していくか、その改善を促す力が政治家や裁判官、専門家や企業幹部など選ばれた人たちだけでなく、生活者である自分たちの中にあるという自覚にねざしている」
という言葉にはグッとくる。

当たり前を疑ってみる、そこから始めてみよう。
アナキズムを色眼鏡で見るのではなく、一つの思想として、身近にしてくれる一冊だ。

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紙の本

紙の本#生理の貧困

2021/11/24 10:41

問題の本質がよく分かる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

#生理の貧困 がクローズアップされ始めたとき、正直ピンとこなかった。

本書にも触れられているように、バッシングとまでは言えないにしても「スマホは持てるのになんで生理用品が買えないの」的な発想が、自分の中にも潜んでいた。

でも新聞やテレビニュースなどで、当事者が取り上げられていて、その「貧困」の実態に触れると、経済的な貧困はもちろん、この問題には、ジェンダーやミソジニー、マチズモ、保健、労働問題など、さまざまな社会的、構造的問題が潜んでいることに気付かされた。
「生理の貧困」って、月経のある女性だけの話じゃないよね、と。
そのことを、非常に分かりやすく、支援者、多様な分野の研究者が解説しているのが本書。
ブックレットなので30分程度あれば読み終えられる。

若い女性はもちろん、性別を問わず幅広い世代に手に取ってもらいたい一冊だ。

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紙の本

編集部の志を感じる

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2020年10月に明らかになった、日本学術会議任命拒否問題を受け、集英社の新書編集部が編んだ、各界の26人の声。
研究者やジャーナリスト、小説家・・・さまざまな分野で活躍している人たちが、それぞれにこの問題を通して「自由」の危機について語っている。
まえがきに、編者が「これらの論考は、共鳴し、調和する部分がある一方で、破調を含むところがあります。それらはあえて残しました。そこにこそ、目を向けるべき重要な視点が含まれているように思われるからです」と書いているように、全体に統一感があるわけでも、唯一のメッセージがあるわけでもない。
ただ同じ問題を語っても、語り手の属性や立場でこんなにも広がりがあるのか・・・と考えさせられる。
研究者の方々が、それぞれの専門分野を切り口に書いておられることはごもっともな内容で、日本の大学・研究機関や研究者の置かれている状況もよく分かり、総論を理解する上で、大変役に立った。
個人的に興味深かったのは、文化人の方々の論考。
漫画家のヤマザキマリさんはイタリアの視点から、この問題を照射していたし、『日没』の桐野夏生さんは、この作品で書いていたように、上からの言論統制ではなく、ネット上での告発によって首を絞められるような、現代社会の恐怖をつづっていた。メディアが発言すべきことを言わず、「私のような個人に本来自分たちが言うべきことを代弁させている」とか「メディアは自分たちは中立の立場を装って私のように物を言う人間をあたかも人身御供のように差し出しているのではないか」とかいう指摘にはうなずくばかり。
村山由佳さんは、学術会議問題についてSNSで発言したときに、「びっくりするほど攻撃的なコメントやメッセージも多く寄せられた」体験とそれに対する思いを、率直につづっていて、とても共感できた。そして「水はいきなり煮え湯にならない」と、作家らしい言葉で警鐘を鳴らしていた。
ほかにもいろいろ心に引っ掛かったり、共鳴したりする内容があった。多様な意見があるので、総論では理解できても各論では「?」というものもあった。
それでも、いまこの時期にこういう本を編もうとした集英社新書編集部の熱意や志が伝わってくる一冊だ。敬意を表したい。

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紙の本

紙の本アンダーグラウンド

2021/10/01 14:29

世の中は割り切れないことばかり

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

白だ黒だ、善か悪か。世の中はそんなふうにはっきり割り切れないことばかりだ。
もちろん人の命を奪ったり、犯罪を犯したり、道徳や法律によって、その枠組みでははっきり善悪を判断できるものもある。でもそれだけで考えることを止めて良いのだろうか…。
そんなことを考えさせるノンフィクションだ。

被害者や遺族62人に、1996年の1年鑑でインタビューした内容がひたすらつづられている。どうしてその場に居合わせ、どのように事件に出くわしたのか、その後どんな生活を送り、どんな思いでいるのか。
インタビューのきっかけは、女性誌に掲載されていた地下鉄サリン事件の被害者の妻からの手紙だったそうだ。
事件の被害者が、事件後の社会の営みの中で受けた二次被害(村上氏はそれを平常な社会が生み出す暴力と呼んでいる)を知り、まわりの誰もそれを停めることができなかったのか、と問う。
そしてそれらの暴力(事件と二次被害)を「あっちとこっちに分別して考える」ことは被害者には不可能であり、その暴力も「同じ地下の根っこから生えてきている同質のもの」と見る視点には、なるほどなと思った。

インタビュー部分は、一つ一つそれほど長くないものの、ひたすら話し言葉でつづられているので、退屈に思う人がいるかもしれない。
でも「被害者」として塊で語られる人々には、一人一人に顔があり属性や考えがある。受けた傷の大小もあるといった、当たり前のことに気付かせてくれる。

印象的なのは、村上氏がインタビューを終えた後に「記憶」や「語り」についてつづっている部分と、「目じるしのない悪夢」。
インタビュワーとしての村上さんの思いが、文学者の素晴らしい言葉でつづられている。

地下鉄サリン事件に限らず、体験者と非体験者、聞き手と語り手。
お互いが分かり得ないことを分かり得ないと認識しながら、あえてそれを超えて対話していく姿勢は、不寛容な今の世の中にこそ求められている。

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紙の本

家族全員で

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

哲学と言われると、ちょっと引いてしまうが、なにも小難しいことが書いてある本が8巻というわけではない。

小説家、詩人、随筆家、評論家、落語家など様々なタイプの文筆家が書き残した多様な作品(エッセイもあれば、小論、自伝のような短編小説もあり)を、名編集者の松田さんがテーマ別に、一冊約20篇ずつ紹介したもの。

例えば1巻は、愛のうらおもて。向田邦子の「ゆでたまご」太宰治の「満願」などが紹介されている。第6巻は、死を見つめて。吉村昭の「大人の世界」のほか、大岡昇平、石原吉郎ら戦争文学を生んだ人々の言葉は重い。

故人から現役作家まで、硬軟織り交ぜ、男女比もバランスが取れている。解説も分かりやすく、読後の助けになる。これは編者の腕だろう。

筆者が錚々たる顔ぶれなので、目次を見るだけでもおもしろく、それぞれ短編なので、今日はこれ!というようにピックアップして読める。

中学生までに〜とあるが、子どもより結局、大人がハマる。

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紙の本

大きな歴史の文脈では語れない歴史

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

毎日新聞の連載では読んでいたはずなのに、改めて通しで読むと、心に訴えてくるものがあった。
かなり加筆もあったようだ。

毎日新聞の伊藤記者が、自らの親族である静六の戦中をたどっていく。

全体を通して感じた事は、大きな歴史の文脈では語られることのない歴史が、静六の目を通して伝えられ、小さなエピ一つ一つが大変興味深かったということだ。
例えば日中戦争と太平洋戦争の合間。市民や記者たちにどんな日常があったのか。

静六本人は戦地でなくなっており、関係者もほぼこの世にいない。
ただラッキーなのは伊藤家の本家に、日記や手紙などがたくさん残されていたことだ。
これはかなりうらやましい!
著者は残された資料や記録に丹念に当たっていて、当時、静六本人の目には見えていないだろう当時の社会状況、政治状況もつぶさに描いている。

近年、戦争に赴いた世代はすでに世を去り、その子ども世代から、いまは孫やひ孫の世代となり、
それまでタブー視されていた、あるいは、身近すぎて聞けなかった戦争体験の記憶が、掘り起こされ、継承されようとしている。

こうした動きに敬意を払いつつ、
本書のすごいところは、では今の時代、自分だったらどうしただろう。と、ちゃんと現在につながる普遍的なテーマになり得ていることだ。

一人ひとりの人間一つ一つの小さな出来事が、歴史を作っているのと改めて気づかされ、私たちが、折々に、置かれた場所でどう振る舞うのか問い掛けてくる力作である。

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紙の本

紙の本六人の噓つきな大学生

2023/12/12 11:12

評判に違わず面白い!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

評判に違わず、題材も展開も平凡に見えて、斬新で、テーマは深い。非常に面白かった。
人が自分の一側面だけを見せるネットの世界や就職活動において、見る側は、その人の全体をどれだけ分かっているのか、われわれは何を見て人を判断している(してきた)のか、考えさせられる。
主人公は就活生だが、単なる若者のミステリーになっていないところがすごい。

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