ブックキュレーターhonto編集員
日本は世界では少数派?死刑制度について考えるきっかけに読んでほしい本
世界には約195の国があります。そのなかで2002年から2012年の10年間に死刑を執行した国は、日本を含む48ヵ国です。世界の約半数の国は死刑制度そのものを廃止しています。日本国内ではなかなか可視化されない死刑制度の現状と、制度について知ることができる本を紹介します。
- 11
- お気に入り
- 13873
- 閲覧数
-
ドキュメンタリー映画監督であり作家の森達也と、ノンフィクションライターの藤井誠二による対談形式の本です。死刑制度存置派の藤井と廃止派の森が、相手を否定するのではなく自らの取材経験を語り、そこから現在の日本の死刑制度の問題点が見えてきます。日本では死刑は秘密裏に行われる、これが一番恐ろしいことだと気づかされます。
-
きみが選んだ死刑のスイッチ 増補
森 達也(著) , 100%ORANGE(装画・挿画)
中学生向けの「よりみちパン!セ」シリーズの一冊です。内容は子ども向けと侮れません。死刑の是非を押しつけるのではなく、現在の司法やメディアの現状を説明し、結論部分は語りかけるような文章になっています。自分で考えながら読み進めるしかなく、結論が出ないまでも自分が生きている国と生き方について、考えるきっかけになるはずです。
-
赤いセーターは知っていた フランス近年最大の冤罪事件 上
ジル・ペロー(著) , 白取 祐司(訳)
1974年フランスで起きた冤罪事件のノンフィクションです。少女の誘拐殺人事件の物証は赤いセーターでした。同じ時期に自動車事故を起こした男が逮捕され、警察の追及で自白させられます。しかし、この男性とセーターを結びつける証拠がないまま死刑が確定してしまい・・・。冤罪死刑の実例は、人が人を裁くことの是非を考えさせられます。
-
日本で起きた事件のルポタージュです。16歳で実母を殺した少年は、少年院を出所した後に2人の女性を殺します。裁判では『死刑でいい』と訴え、彼の反省の思いが表明されないまま死刑は執行されました。彼の生い立ちや発達障害であること、少年院出所後の孤立など複雑な問題が明らかになり、罪を犯した人の更生とは?と問いかけた一冊です。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です