ブックキュレーターhonto編集員
ひとりが寂しい夜に読みたい。切な過ぎていっそ突き抜ける本
最も多い世帯がついに単身世帯となった時代、ひとりで寂しい夜など今や当たり前と言っても過言ではありません。そんな時、明るく楽しいコンテンツに触れるのもよいですが、逆療法も有効です。寂しいのは自分だけではありません。同じように切ない人生を歩む登場人物に、逆にポンと背中を押される。そんな風に勇気づけられる本を紹介します。
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孤宿の人 上
宮部 みゆき(著)
かつて実在した讃岐国を舞台した時代ミステリー。江戸から追放された孤児の少女と、お家騒動の犠牲となり死ぬのを待つだけの殿様が出会い、心を通わせていく様子が胸に迫ります。多様な登場人物により小藩の暮らしが描き出されますが、ラスト数ページで多くの読者が思わず涙してしまうでしょう。健気な少女に救われる思いを抱くはずです。
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裕福な家庭に育ちながら父親が財産を失い死去、苦境に立たされる少女を主人公にした不朽の名作です。冒頭で周囲から大切にされている日々が描かれているために、突然の不幸は読み手にも衝撃で、悲惨な境遇にいたたまれない気持ちになります。どんなにいじめられても生来の優しさや気高さを失わない少女の姿勢に、まっすぐな勇気をもらえます。
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なにやってんだろう私 このままフランスで死にたくない
小畑 リアンヌ
日本からパリへ留学しフランス人と結婚、波乱万丈に駆け抜けた約60年の人生を振り返るエッセイです。ふと気づくとフランス人の夫に先立たれ、子どもたちには日本語が通じない。自己中心的な側面が強いフランス人に囲まれ、常に感じる孤独感。かといって帰国もままならず・・・。その切なさは胸に迫り、思わずエールを送りたくなります。
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魔女ジェニファとわたし 新版
E.L.カニグズバーグ(作) , 松永 ふみ子(訳)
ニューヨーク郊外の小学校に転校してきたばかりエリザベスは、ある日、黒人の少女ジェニファと出会います。寂しさを表現できず強がりで壁を作ってしまう少女の姿がとても切なく、思わず応援したくなります。エリザベスの素直さによって2人の関係性が変化していく様子は、寂しい夜の希望となるでしょう。
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家が貧しく中学進学も断念、苦境に立たされながらも前向きに生きる少年の成長を描いた明治時代を舞台にした小説です。現代とは異なる時代背景を軽く飛び越えるほど、少年のひたむきさを応援したくなります。先生や書生さんなど、タイミングよく励ましてくれる大人たちの善良さ。自分はそんな大人になれているのか?そんなことも考えさせられます。
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