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これぞスラップスティック小説!筒井康隆の初期異色&実験小説
ヤクザものから純文学、ナンセンスギャグやSFなど、幅広いジャンルの小説を手掛けていた筒井康隆。彼が70年代から80年代前半にかけて発表した、初期の異色&実験小説を紹介します。ユニークな発想は、すでにこの頃に確立されています。「文学」というカテゴリー自体を疑ってきた、前衛小説家としての筒井ワールドをご堪能ください。
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すべてのタイトルにジャズ・ナンバーの名曲にちなんだものがつけられた、ヤクザものの連作小説です。同性愛や超絶SM嗜好、多重人格などの持ち主のヤクザたちが主人公となっていて、続きが気になっても読むのに勇気が必要な話もあります。それでも最後までいっきに読んでしまうのは、しだいにヤクザたちが愛おしく見えてくるからでしょう。
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虚人たち 改版
筒井 康隆(著)
話の筋よりも実験的な「手法」そのものが主題となっていて、小説という「虚構性」を根本から揺るがそうとした実験小説です。妻と娘が同時に誘拐事件に巻き込まれてしまった主人公が、「これは小説」と意識しながら話が進んでいきます。筒井康隆が初期のスラップスティックSFから実験小説へと舵を切った、最初の小説です。
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盗聴・横領・放火など世のタブーである俗物的な一芸に秀でる評論家が集まった芸能プロダクション「梁山泊」を舞台に、俗物先生たちが繰り広げるドタバタを描いた一冊。筒井康隆の初期最大の特色である「エロ・グロ・ナンセンス」を詰め込んだ現実社会への強烈なパロディと、世間の良識に真っ向から立ち向かった超問題作です。
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初期のブラック・ユーモアが楽しめる11編を収録した短編集です。表題作の「おれに関する噂」は、「おれ」の個人情報が社会にダダ漏れして、あらゆるメディアで1日中に自分の行動が報じられる、という笑いと恐怖の一編。今でいう「リアリティー・ショー」のようでいて、不条理とジャーナリズム批判の精神が感じられるお話です。
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