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剣と魔法だけじゃない!幻想世界の裾野が広がるファンタジー小説
「ファンタジー」と聞くと一般的には、魔法や幻獣が存在する世界があって、神話的なストーリーが展開される物語を思い浮かべますよね。けれど、ファンタジーが持つ世界はもっと広大で、もっと深遠なものです。一般的なイメージとは違うけれども、しかしながら独自の世界観が裾野に広がっているファンタジー小説を取りそろえました。
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沖縄を舞台に展開される、19歳の少女と86歳の老婆のお話。家族とも違う、友人とも違う、形容したがい奇妙な2人の関係は、ゆるやかに流れるウチナータイムに包まれ、圧倒的な現実味をもって展開されます。私たちが知る常識からはおよそ遠く、しかしきわめて自然体で、日常に介在する幻想空間の美しさが目を惹きます。
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信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス
宇月原 晴明(著)
膨大な知識と圧倒的な熱量に裏打ちされた物語は、ファンタジー小説でありながら史実ではないかと錯覚させるほどの力を秘めています。信長と、ローマ皇帝ヘリオガバルスの共通点を軸に話は進み、伝承にある信長の謎が解き明かされていきます。驚くほど衒学的であり、幻想が現実を塗り替える勢いにはお見事といわざるを得ません。
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もしも常識の範囲外を幻想とするのならば、常識外の突飛な行動をとる京大生の日常は、それだけでファンタジーに値します。文語調の美文で織り成される大学生の妄想と日常は、失恋を中心に、縦横無尽に右往左往します。雨を降らせる代わりに枕を濡らす、そんな男が主人公のファンタジーというのは、非常に痛快です。
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