ブックキュレーターhonto編集員
ラテンアメリカの幻想文学、「マジックリアリズム」が用いられた小説
一般的なファンタジー小説とは一線を画す「マジックリアリズム」をご存じですか?ラテンアメリカの文学で隆盛をきわめたその技法は、ただ怪奇を描くだけでなく、それがその世界での常識として表現されることで、よりいっそう数奇な味わいを感じることができます。さあ、新しい不思議の扉を叩いて、異常な日常をご堪能ください。
- 148
- お気に入り
- 27553
- 閲覧数
-
百年の孤独
G.ガルシア=マルケス(著) , 鼓 直(訳)
「蜃気楼の村」であるマコンドが、勃興し、隆盛をきわめ、やがて廃墟となるまでの百年間を描いた小説です。開拓者たちの絶望と希望、生と死、そして孤独。明らかに非現実の世界であるのに、圧倒的な現実感を伴う物語は、マジックリアリズムを冠するにふさわしい説得力に充ちています。
-
伝奇集
J.L.ボルヘス(作) , 鼓 直(訳)
ラテンアメリカの文学には欠かせない著者、ボルヘス。本書を理解することは難解ですが、確実にインスピレーションをもたらしてくれます。幻想世界と現実が凝縮した小宇宙のようなスケール、一点の隙間もない濃厚な文学は他に類を見ません。文学史上、最大級の密度を、心してご堪能ください。
-
緑の家 上
バルガス=リョサ(作) , 木村 榮一(訳)
もしも想像から現実を生み出すことができるとしたら、それは本書のような複雑な世界観が必要です。物語の舞台は密林の修道院。石器時代が現存する現代の集落。錯綜が錯綜を呼ぶ、無限の重箱構造。底の底まで物語を楽しみたい、小説を骨の髄まで味わい尽くしたい方に打ってつけの名著です。
-
遊戯の終わり
コルタサル(作) , 木村 榮一(訳)
悪夢を覚醒しながら見てみたくはありませんか?現実にもっとも近い幻想、夢の世界。ページをめくるたびに浮遊感は増し、やがて物語の主人公と同じように現実感の崩壊を体感するでしょう。全18編からなる悪夢的な味わいの作品群、夢が現実になる感覚が気になるという方には、心から推薦したい一冊です。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です