ブックキュレーターhonto編集員
現実世界の消失と知的遊戯へ没入。快楽を得られる本格推理小説
社会派推理小説が、事件の背景やリアリティに重点を置くのに対し、本格推理小説は、謎解き、トリックに比重を置きます。社会派推理小説の持つ魅力がリアリティにあるのに対し、本格推理小説は、舞台設定の非現実感にその魅力があります。現実世界が消失し、謎解きという知的遊戯に没入できる快楽。そんな快楽を得ることができる小説を選びました。
- 48
- お気に入り
- 3125
- 閲覧数
-
海難事故で両親を失った兄弟と、その従弟が暮らす資産家一族・氷沼家で、次々と起こる怪死。事故か?殺人か?その謎に氷沼家の面々と女性歌手・久生が挑みます。退廃的な舞台設定と、陰陽道や、幾多の推理小説を参照して組み立てられる、言葉の遊びのような謎解き。それが読者を現実から魔訶不思議な物語世界へ連れだします。
-
密室で殺害された画家。彼が残した手記のとおりに6人の娘たちが一部を切り取られた遺体となって発見・・・。40年前に起きたこの事件に、名探偵・御手洗潔が挑みます。占星術をはじめ、ヨーロッパ神秘思想がちりばめられたファンタジックな世界観と、知性とユーモアをあわせもつ御手洗の魅力に引き込まれる一冊です。
-
突然の猛吹雪に、進路を見失った8人の劇団員たち。彼らは偶然「霧越邸」という洋館へたどりつきます。ほっとしたのも束の間、彼らに次々と不審な死がおとずれます。雪に閉ざされた「霧越邸」とそこで暮らす不思議な住人たちが、読者を架空世界へ導く。暗喩に満ちた殺害現場と、その謎解きが知性を刺激する小説です。
-
民俗学者・蓮丈那智と助手・内藤三國が、古い因習が色濃く残る、時代に取り残された場所で起こる事件に挑む、連作短編集です。表題作では、不吉な笑いを浮かべた木彫りの面と連続怪死事件の関連性についての謎を解きます。民俗学の知識による推理と、古き日本の村の風景が、古代の日本を探索しているような感覚を与えます。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です