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犯罪者たちに背徳的な共感を覚える・・・暗闇の小説
フィクションに描かれた犯罪者、それも猟奇殺人者たち。非道徳的なのは承知のうえで、ときに彼らに魅力や共感を覚えることはないでしょうか?人間の心の暗闇に潜む、死やエロティシズムを希求する私たちの願望を仮想体験させてくれるからかもしれません。そんな背徳的な願望を満たす、魅力的にすら見える犯罪者が登場する本を紹介します。
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監禁
ジェフリー・ディーヴァー(著) , 大倉 貴子(訳)
牧師であるアーロンはミーガンという17歳の少女を、神への生贄とするために誘拐し、教会に監禁します。突然姿を消した娘の行方を追う弁護士である父親 テイト。ふたりの戦いを描くサスペンスです。狡猾で残忍、そして高い知能を持つ狂信者 アーロンの圧倒的な存在感と、ゆがんだ精神の描写が背徳的な魅力を与える小説です。
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インザ・ミソスープ
村上 龍(著)
米国人 フランクに歌舞伎町の風俗店ガイドを依頼されたケンジ。前夜の女子高生バラバラ殺人が頭をよぎるなか、案内した店でフランクが突如、殺戮をはじめます。凄惨な殺人行為の後で、日本人の精神性についてクールに語るフランク。高い知性と殺人衝動が人格のなかで一つになっているフランクに魅力すら感じてしまう悪魔的小説です。
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連続猟奇殺人犯・蒲生稔、自分の息子が殺人犯ではないかと疑い恐れる蒲生雅子、殺人犯を追いかける元刑事・樋口。3人の視点で展開する物語。稔は快楽のために女性を殺害し続けますが、彼はそれを永遠の愛を示す行為だと確信しています。残虐な描写と稔の倒錯した心象風景に、インモラルなエロティシズムを感じる小説です。
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