思わず走りたくなる！陸上競技を描いた、疾走感あふれる小説

兄への劣等感からサッカーをあきらめた主人公が、天才的スプリンターである親友の誘いで陸上部へ入部し、「どこまでも早くなること」を目指して練習の日々を過ごす姿が描かれます。はたしてデビュー戦のリレーの結果は？信じあえる仲間、ライバル、ほのかな恋心。爽やかに青春を駆ける姿がみずみずしい一冊です。

猪突猛進型の少年と、緻密な計算に基づいて行動する正反対の2人が、陸上を通じて出会い、競い合う。800メートル走に捧げる2人の少年が、交互に語り手を務める構成が魅力的な小説です。2人の戦いを核に、恋愛模様も描かれます。本書には、疾走感とともに青春に必要なすべての要素も詰まっています。

名物顧問が異動してしまった陸上部に、やってきたのは頼りない美術教師でした。駅伝で県大会出場を目指すものの、集まったのは元いじめられっ子や不良、頼みを断れない性格だったり、プライドが高かったり・・・とクセのある生徒ばかり。寄せ集めのチームの激走の行方に、「あと少し、もう少し頑張って！」と涙が止まらない小説です。

走るために生まれながら、それをあきらめかけていた2人が、無謀にも陸上とは無縁の8人を巻き込み、「箱根駅伝」を目指すストーリー。ラストでは、レース展開と合わせて各人の心情が吐露され、一人ひとりに感情移入してしまいます。お正月の箱根駅伝がより楽しみになる、思わず一緒に走りたくなる一冊です。

箱根駅伝を描いたスポーツ小説。ただし、中心となるのは箱根駅伝の出場を逃した大学のなかから、予選で好タイムを出した選手が選ばれる混成チーム「学連選抜」です。普段はライバルですが、このときだけはチームメイトとして、ともにタスキをつなぐ選手たち。彼らの葛藤と激走に胸を打たれ、思わず一気読みしてしまうでしょう。