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物語の設定の巧妙さに唸る!管理社会の閉塞感を描くファンタジー小説
あえて現実ではありえない平等・自由の理想社会を舞台として設定することで、その裏にひそむ、管理社会の閉塞感や人としての尊厳の是非を浮き彫りにする小説は少なくありません。それらは「ディストピア的世界観」を持つ小説といわれています。その中でも、物語の設定の巧妙さを存分に味わえるファンタジー小説を紹介します。
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ある不可解なWEBサイトの改修を請け負ったSEが主人公。メンバー失踪事件を解明する序盤は、多くの伊坂作品と同様に、事件の真相に加速度的に近づきます。が、中盤以降に事件の真相は曖昧になり、チャップリンの同名映画と同様に「いつの間にか大きな社会の一部に組み込まれてる自分に気づく」というテーマに収斂していきます。
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舞台は、深く思考する象徴としての「本」の閲覧・所蔵が禁じらた世界です。代わりに、刹那的な快楽を与えてくれる「テレビ」の視聴が許されています。50年前の小説なのに、ネットを通じて閲覧者に合わせた情報が膨大に飛び込んでくる現代社会と、類似点が多くて驚きます。当時の空想世界が現実になってきている恐怖も感じます。
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