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倒錯した性的嗜好・・・幻惑と陶酔をもたらすエロス文学
エロス文学のなかでも、倒錯した性的嗜好を扱った代表的なものを選びました。こうした文学の表現は、精神的な幻惑と陶酔をもたらします。そして、ときに心理学の研究対象となり、ときに政治権力と敵対してきました。倒錯性の持つ力が精神や社会の秩序を崩壊させる可能性をもっていたからです。そうした危険な毒をもつ倒錯したエロス文学を体験してみませんか?
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毛皮を着たヴィーナス 新装版
L.ザッヘル=マゾッホ(著) , 種村 季弘(訳)
著者は19世紀オーストリアの貴族 マゾッホ。自身の体験に基づき、ある青年の美しい女性への服従的な恋愛を綴ります。肉体的・精神的苦痛に快楽をもとめる倒錯的な性描写のなかで、肉体を超える高次の精神的な恋愛感情が表現されています。
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1950年代に、アングラ雑誌『奇譚クラブ』で連載された、架空の世界を舞台にマゾヒズムの極致を表現した小説。白人が絶対的な「主人」で、黒人が「半人」、黄色人種(日本人のみ存在)は「家畜」であるという異世界と、そこに迷い込んだ日本人青年が描かれています。強烈な奇怪さに、価値観の転倒をもたらすほどです。
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ロリータ
ナボコフ(著) , 若島 正(訳)
少年時代の恋人が忘れられない大学教授は、その恋人の面影をもつ少女 ロリータにひとめぼれして近づくことに成功しますが、彼女は教授を受け入れず、悲劇的な結末をむかえます。「ロリータ・コンプレックス」という言葉は変質性を連想させますが、幼少期の記憶がもたらす主人公の恋愛感情には純愛が感じられる、魅惑的な小説です。
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