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第二次大戦前後を書いた、ジョージ・オーウェルの文学と政治
ジョージ・オーウェルの活動期間は、第二次世界大戦中とその前後です。彼は当時の政治状況への批判を書き続けました。特にファシズムと、スターリンがおこなった独裁主義的な社会主義国家が、個人の自由と尊厳を侵害したことを激しく攻撃しています。政治や国家を考えるとき、彼の残した文章は深い示唆を与えてくれます。
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イギリスで学生時代を終え、インド警察で働いたオーウェルですが、帝国主義の片棒を担ぐ仕事に嫌気がさし、1927年に辞め、パリ、ロンドンで貧困生活を送りました。本書は、そこで見たパリの貧民街、ロンドンの浮浪者たちの世界を描いたルポルタージュです。貧困に対して無関心な政治への批判が込められています。
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カタロニア讃歌 オンデマンド版
ジョージ・オウエル(著) , 鈴木 隆(訳) , 山内 明(訳)
1936年から翌年にかけてスペイン内戦に参加したオーウェルが、フランコ率いるファシスト党に対抗する社会主義勢力、人民戦線側で戦った体験記。もともと彼は社会主義に共感的でしたが、この戦争体験が管理主義的な社会主義に対する反感を生み、『一九八四年』『動物農場』という二つの小説を書くきっかけとなりました。
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すべての行動が監視され統制されている社会体制のなか、主人公は役人として歴史改竄の仕事をしています。歴史資料を読むなかで彼は体制に疑問をもち、体制の裏側を知ります。しかし、思想警察に捕らわれてしまい・・・。オーウェル自身の「全体主義、管理主義的国家への批判」が感じとれる小説です。
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「豚」の指導のもと、のんだくれの人間の農場主を追いだし、「動物主義」による「動物農場」をつくりあげた動物たち。搾取から解放され、平和が訪れた農場で起こる、その後の様子が描かれていきます。寓話ですが、当時のスターリン支配下のソ連をパロディにしたといわれています。
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気の向くままに 同時代批評1943−1947
ジョージ・オーウェル(著) , オーウェル会(訳)
1945年前後に、オーウェルがジャーナリストとして書き残した、社会、政治批評を集めたものです。戦争、ファシズムから、日常のことまで、ときに真摯に、ときに気ままに文章にしています。当時の、特にヨーロッパ情勢を知るための同時代資料として貴重な本です。
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