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寄席で落語が聴きたくなる!噺家を主人公にした人情噺
噺家が落語の物語となる「噺」をすべて暗記し、よどみなく語る様子には身を乗り出して聴き入りたくなる不思議な魅力があります。そのなかでも人情を描いた長編を「人情噺」といいますが、噺家が主人公として描かれた物語のなかにも、落語さながらの人情劇が繰り広げられているものがあるのです。読めば寄席に行きたくなる、そんな本を紹介します。
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落語家としてはうだつのあがらない真打手前の二ツ目・今昔亭三つ葉。ひょんなことから話し方教室を開くことになった彼のもとに集まったのは、クセの強い生徒ばかり。そんな三つ葉が生徒たちと真摯に「落語=話す」ということに向き合っていく様子と、噺家としての成長が描かれています。話を伝える難しさと、素晴らしさを感じることができる小説です。
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森田芳光監督の落語家を主人公にした映画『の・ようなもの』の35年後を描いた、同名映画の脚本をもとにした小説です。馬鹿正直でおもしろみのない前座の落語家・出船亭志ん田が、落語を捨てた兄弟子・志ん魚との出会いと共同生活によって、落語本来のおもしろさと噺家としての生き方を見出していく物語。温かくも個性的な人物描写が秀逸です。
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ちりとてちん 上
藤本 有紀(作) , 青木 邦子(ノベライズ)
NHK連続テレビ小説『ちりとてちん』のノベライズ本です。福井県小浜から大阪へ出てきたヒロイン・和田喜代美が上方落語と出合い、落語家を目指す様子をいきいきと描いています。彼女を取り巻く人々とのすったもんだの交流は、まさに人情噺そのもの。素人である喜代美を通して、落語という芸能の奥深さを知ることができます。
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落語界の風雲児・立川談志に18歳で入門し、40年近く談志の弟子を務めた立川談四楼の落語私小説です。実際に起こった突然の破門宣告言や一門解散騒動の謎など、敬愛する師匠の談志が老いに直面する悲喜こもごもが、噺家らしい軽快な調子で綴られています。落語界の裏側も覗き見ることができ、芸と老いの問題を考えさせられる一冊でもあります。
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昭和の落語界を描いた、アニメ化もされた人気コミックです。昭和最後の大名人・有楽亭八雲を中心に、八雲とは対照的な同門の弟子・助六との友情と確執や、八雲の弟子・与太郎が担おうとする平成の落語界の行く末が語られています。古典芸能として廃れていく運命にある落語と心中しようと考える、落語家・八雲の決意にしびれます。
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