ブックキュレーターhonto編集員
サクッと読めて深く考えさせられる。はじめてのロシア文学にオススメの本
ロシア文学といえば、長い!難しい!テーマが重い!というイメージから、避けて通ってきた人も多いのではないでしょうか?しかし、それでも何だか気になってしまうのがロシア文学の不思議さです。簡単に読めて、しかもロシア文学特有の深いテーマ性を感じさせられる短編・中編を集めました。文豪の短編から読みはじめて、まずは世界観をつかみましょう。
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小説家として成功していたチェーホフが、戯曲ではじめて喝采を浴びた記念碑的な作品です。女優・ニーナをめぐる恋愛劇として話は進みますが、作中には2人の作家が現れ、ものを書くことの難しさを語ります。表現するとはどのようなことかと考えさせられながらも、セリフとト書きでテンポよく読めるのは、戯曲ならではです。
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人の生き方を問う長編が有名なトルストイですが、中編小説にも同じく普遍的な問いが隠されています。とくに「イワン・イリイチの死」は、人の死という重いテーマが描かれながらも、一介の裁判官の生涯を記した「伝記」として読める本です。不治の病にかかり死を恐れる主人公の独白が、迫力をもって胸に迫ってきます。
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奇奇怪怪な幻想話を得意とするゴーゴリの短編集です。なかでも「外套」は70ページ足らずと短いながら、その独特な世界観を心ゆくまで味わえます。貧乏な小役人が節約を重ねて一枚の上着を手にする嬉しさや、それによって事件に巻き込まれる悔しさが落語調で記されるため、訳の軽妙さも楽しめることでしょう。
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超長編小説の書き手として有名なドストエフスキーの短編集です。なかでも「おかしな人間の夢」は、文芸評論家のバフチンに「ドストエフスキーの完璧な百科事典」とまで言わしめた一作。他人を拒否して自己とのみ向き合う切羽詰まった主人公は、まさに鉄板キャラ。重厚な長編を読むことなく著者のスタイルが味わえます。
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