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一度は教科書で読んだはず!大人にも響くヘルマン・ヘッセの青春小説
中学校の教科書で「少年の日の思い出」を読んだ方や、読書感想文で「車輪の下」を推薦されたという方は多いでしょう。その著者であるヘルマン・ヘッセの小説は、学校で出会うことが多いので堅苦しく思われがちですが、そんなことはありません。いつの時代も不変な若者の葛藤を描いた、ノーベル賞作家であるヘッセの青春小説を改めて読んでみませんか。
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表題作は、なんと1947年から日本の中学校の国語の教科書に載っています。蝶の採集を趣味とする少年の、罪と葛藤の物語です。この小説は語り手が大人なので、子どもにはわかりにくい感覚も描かれています。大人になった今読み返したら、教科書で読んだときとは全然違った感想を抱くことでしょう。
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受験における文学史の問題や、夏休みの読書感想文の課題図書として高確率で登場するために、「名前はよく聞く小説」という認識の方も多いでしょう。ヘッセの自伝的小説といわれている本書は、少年の繊細で素直な心をつぶしまう社会や教育の問題が描かれています。美しい文章が光るヘッセの代表作の一つです。
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初めて悪に出会ったときのこと、初めて罪を犯したときのことなど、少年の心の葛藤を描いた小説です。『卵は世界だ。生まれようと欲する者はひとつの世界を破壊しなければならない』など、本書から生み出された有名な名言もあります。人間の心の内がとても深く語り尽くされた物語です。
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物質主義の現代社会に同調せず、「荒野のおおかみ」として放浪し続けるハリー・ハラーを主人公に据え、文明批判を試みた小説です。世界に理解されず、自分の内面を見つめ続けるアウトサイダーの苦悩を描いています。1927年に発表されたこの物語が、ときを経てヒッピー文化に大きな影響を与えたことでも有名な一冊です。
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作家として大成功を収めたヘッセですが、もともとは「詩人になれないなら、何にもなりたくない」と言っていたほど詩人を夢見ていました。ヘッセの詩は抒情的で、旅や放浪がテーマとなっています。魂の故郷を求めてさまようヘッセの詩に、大人になった今だからこそ、心を重ねたくなるはずです。
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