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あの未解決事件の真相に迫る!「社会レポート」としての小説
世界には数多くの未解決事件があります。そして高い検挙率を誇る日本においても、決して少なくはない未解決事件が発生しています。代表的なのは「グリコ・森永事件」ですが、容疑者が検挙された事件のなかにも「真相は違うのでは?」と、まことしやかにささやかれている事件も。ここでは、そんな未解決事件をモチーフにした小説を紹介します。
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レディ・ジョーカー 上
高村 薫(著)
まったくのフィクションですが「人質はビール」です。市販されている食品への毒物混入という設定は、「グリコ・森永事件」を想起させます。事件と並行して就職・結婚差別、障害者問題、市井で暮らす「弱者」と大企業経営者、それぞれの価値観と苦悩が描かれています。さまざまな社会問題を掘り下げる問題作です。
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横溝正史の「金田一耕助」シリーズを象徴する「地方の旧家」ものとは一線を画す異色小説です。「帝銀事件」を彷彿とさせる事件が出てきます。いまだに真犯人についての議論が絶えない同事件ですが、日本で初めてモンタージュ写真が捜査に使われた事件でもあります。本書ではその「モンタージュ写真」が重要なキーワードになっています。
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初恋
中原 みすず(著)
1975年の時効成立後も真犯人や動機、背景についての議論が絶えない「三億円事件」。「実行犯は白バイ警官に扮した女子高生だった」という設定のもと、彼女のモノローグによって事件の真相とその背景となる恋愛や青春群像が展開されます。荒唐無稽なようでいて実在の事件の経過との符号に、引き込まれてしまうことでしょう。
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