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実在した事件の裏を描く!?著者の独創性がきらりと光る小説
実在した事件の本というと、丁寧な取材をもとに書かれたノンフィクションなどが最初に思い浮かびますが、フィクションの世界でも事件をモチーフとしたものが多々あります。それらは、事実から着想されているだけに胸が苦しくなるような緊迫感がある一方で、著者の独創性によって「物語」として昇華されています。そのなかでもきらりと光る小説を紹介します。
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初恋
中原 みすず(著)
1968年に起きた「三億円強奪事件」が題材です。事件で実行犯とされている通称「白バイ男」が、「かよわく脆い存在」として描かれているのが独創的。さらに、1人の孤独な少女が運命に翻弄されつつ、やがて歴史的なこの大事件に関わっていきます。実在した事件だからこその緊迫感と女性の心情の儚さが、絶妙な味わいを生んでいます。
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昭和中期に帝国銀行で起きた強盗殺人事件が題材となっています。実事件と同じ手口で行われる強盗殺人から物語がはじまり、探偵・金田一耕助が事件を捜査していきます。悪魔の呪い、勝手に鳴るレコードなど、著者ならではの面妖さや奇々怪々さがふんだんに加えられ、独創性の高い一流エンターテインメント小説になっています。
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